- naobotaka_magi
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1990年代後半の国民的消費文化を考えてほしい。自動車やバイクが当時国民の間で支持されていた記憶はあなたはあるだろうか?
2019-05-01 23:28:25私は1999年には中学生であった。テレビやゲームの影響は受けていたと思うが、しかし当時の日本の国民文化の風景に、自動車やバイクが存在していた記憶は全くなかった。自分の両親を含め、世の多数の大人たちは「自動車やバイク」というものを意識していなかったんじゃないか。
2019-05-01 23:28:25テレビやゲームを抜きにするとよく挙げられていたのがクラブ・外国カルチャー文化だ。これらは昭和バブル時代を代表する国民文化ではあるが、1999年はバリバリの第一次平成不況時代であり、違和感だらけだ。
2019-05-01 23:28:25これからわかることは、1990年代後半当時の国民文化は昭和バブルの惰性にすぎなかったのであるということだ。当時と同じセンスで、旧態依然の文化が作られ続けてきた。1990年代の国民文化とは旧時代のゾンビと同然だったのである。
2019-05-01 23:28:25地元周辺に限れば、古臭い家庭のいる地域でしか国民文化は見る機会はなかった。街場末の陰気臭い場所に、家があり、その家の人間が車やバイクをよく乗り回していた。当時の日本の状況を考えるとこのような文化を享受するには敷居は高い。
2019-05-01 23:28:26一方、ゲームやアニメが大衆に広がってからは「国民文化に入る」行為のハードルは一気に下がったが、そこにあるのはIT文化であり、サブカルであり、現代の感覚にあった、万人が楽しむに値するものばかりだった。そういうインフラの建設は都市部ほど進んでいたし、
2019-05-01 23:28:26地域そのものが昭和の惰性で成り立っていた過疎化する前の地域は地方ほどあったので、昭和バブル式の国民文化は地方マニアが好きような田舎の地方都市ほど多く支持され、ITやサブカル文化は都会ほど消費されていた記憶がある。
2019-05-01 23:28:26首都圏でも地方でも共通して支持されているのはテレビやゲームで、結果的にランキング上位はアニメやゲームやドラマだらけになってしまった。
2019-05-01 23:28:26こうした1990年代当時の国民文化の置かれた時代状況をいまこそ振り返る必要がある。なぜか?それは2010年代のゲーム文化の状況とうり二つだからだ。
2019-05-01 23:28:27日本で21世紀以降、とくにここ10年程度で一気に進んだのは国民のゲーム離れだ。ゲーム離れは都心通勤圏のような大都市部ほど進んでいる。つまり逆に言えば、地方はまだ、スマホやゲーム機やPCやゲーセンでプレイしながらゲラゲラ笑うようなゲームの時代が続いている。
2019-05-01 23:28:27私は1985年生まれなので昭和バブルの経験はない。だが少なくとも1990年代~2000年代の日本はゲームの時代であった。 国民文化離れが当たり前の大都市部でも、日本のゲームは遊ぶのが当たり前だった。ゲーム関連のインフラは首都圏ほど豊富でラインナップも充実していた。
2019-05-01 23:28:27私の記憶する限り、アトラスやバンナムのゲームがゲーム会社の企画で作られて大ヒットしたのも、都市中心のゲーム的現象だったといえる。ゲーム作品がアニメ・ドラマ化すれば、
2019-05-01 23:28:27テレビに若者が押し寄せたものだ。都市部の人間ほどゲームの話題に最初に飛びついて、情報格差のある地方が後追いしたのが当時である。
2019-05-01 23:28:28ところが現在の日本を見ていると、地方ほどゲームの盛り上がりが激しい。PS4やスイッチも地方人や中高年でなぜか売り上げがいいことがSNSで口コミをもたらしてあとから都市部や若者の人が知るようになったほど、大都市部の若者はゲームは遊ばないことが当たり前というスタイルが定着して久しい。
2019-05-01 23:28:28ストレートに言えば老害化である。 1990年代の国民文化(車バイク)業界の消費者は、当時30代以上の世代で占められていて、当時のアラサー以下が業界を盛り上げていたテレビ(アニメドラマ)・ゲーム界隈と世代の壁があった。
2019-05-01 23:28:28昭和の古臭い共同体で、車やバイクになんか好んで使うような客層も昭和の惰性の大人ばかりだったわけである。
2019-05-01 23:28:28ゲームの全盛期は1990~2000年代。当時1~30代が、いまでは30代以上で上は還暦すぎたあたり。国民文化の辛気臭さと化石臭さを嫌った人たちが好き好んでみたであろうゲーム文化が、今はそっくりの老害空間になっている。消費者やファンもその世代がほとんどだろう。
2019-05-01 23:54:101990年代の国民文化界隈たちは、今で言うオールドメディアに守られた自分たちだけがすべてだと思い込んでいた。どんなに現代的で質も高くて実際大衆に支持されていても、テレビ文化ゲーム文化なんか文化じゃないと見下していたくらいだった。
2019-05-01 23:54:10今のゲーム文化の人間が、動画配信者やSNS世代といったウェブカルチャーや、近代化してよみがえった乗り物系サブカルチャーなんかを下に見る感覚も瓜二つではないか。
2019-05-01 23:54:11高校生時代、友人とロードバイクで友人の家と部活集会会場を往復したとき、ゲームセンターでセガのゲームを遊ぶたびに、夢中になって楽しんでいるゲームの発信地がすぐそばにあるという事実に何かワクワクしたものだが、今駅前のゲーセンに遊びに行っても、悲壮感を覚えるほどだ。
2019-05-01 23:54:11そして悲壮感といえば、自転車やバスで走り屋の溜り場を通るたびになんとなく重苦しい感じがしてきたのも高校生時代の記憶だ。
2019-05-01 23:54:111990年代の、昭和時代から延々続いてきた国民文化界隈のモデルに終止符を打ったのはテレビ・ゲーム文化の延長線だった。2000年代前半にインターネットが全国的にサービスが開始され、爆発的にブレイクした。
2019-05-01 23:54:11当時はIT社会化がそれなりに各地に広まった頃でもある。当時は大人と地方市民と保守的な人間以外は誰もが車やバイク文化なんて見下していたものだが、テレビやゲーム文化は全盛期だったので、電子掲示板のテレビ・ゲーム関連板も今じゃ考えられないレス数を獲得していた。
2019-05-01 23:54:12ネットが情報の発信地になるということは画期的なことで、車やバイクに絶対関心のなかった人が一挙に集中するようになり、文化の中心がアナログからデジタルになり、以来、日本の若者文化の殆どはネット発になって今に至っている。
2019-05-01 23:54:12私の記憶する限り、5ちゃんねるやニコニコ動画には車やバイク界隈のような「大人な暗黙の常識」はなく、パソコン画面で普段見る全年齢的な洗練された文化が、社会に進出したことには感激さえしたものだった。
2019-05-01 23:54:12