10周年のSPコンテンツ!
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■親潮とyaggyと提督。
紅吏珠名 @chrishna_c2
「京都の実家から生八つ橋が届きました。司令たち喜んでくれるかなあ」 実家からの贈り物を届けるため敬愛する提督のいる執務室へと足を運ぶ親潮……だが油断からか、不幸にも執務室から話し声が聞こえてしまう。呉鎮守府の秘書艦、YAGGYから言い放たれた話し声の内容とは――? #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
ふと執務室の扉の向こうから聞こえる陽炎姉さん達の声。お取込み中でしょうか。でしたら時間を改めて後ほど……。 「久しぶりに提督のを見るけど本当にガッチガチね。何度見てもドキドキする」 「……たくましくて素敵です」 「うちらが生身の女の子やったら、絶対身体がもたんで」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
!? それは、任務中に決して聞こえてくるはずのない単語。 「司令と姉さん達。執務室の中でいったい何を……?」 みっともないと分かっているけれど、このまま立ち去るのも嫌だと思ったあたしは執務室の扉に聞き耳を立てることにしました。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「ねぇ司令。ちょっとリキんでみせてよ」 「……ん、これでいいかい?」 「うわぁ、もっとおっきくなった。力を入れるほど、どんどんおっきくなってく。触っていい? ねぇ触っていい?」 「いいよ。好きなだけ触ってごらん」 「わ、すっごい弾力で押し返してくる。それに熱い」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「あ、次は不知火が触っても……? なんだか見ているだけでおへその辺りがうずうずします」 「みんな慌てないで。時間はたっぷりある。こういうのは姉妹仲良く順番で頼むよ」 「うちらに囲まれて、司令はんのほうが余裕なくなっとんちゃう? ハァハァと吐息も荒くなっとるやん」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
(――み、皆して、なにをしてはるんどす?) この親潮、不覚にも扉越しの会話を聞いて平常心を失いかけていました。 この扉の向こうで、いまごろ四人は一糸まとわぬあられもない姿になっているのでしょうか。 秋雲が描いた漫画みたいに! 秋雲が描いた漫画みたいに! #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
これは明らかに事案。どうしましょう。お慕いしている司令と姉さん達が、あたしの知らない顔をしてあたしの知らないコトをやっている。 司令の親衛隊副長としての責務はあるけれど、ここで憲兵さんを呼ぶのはできるだけ避けたい。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
鎮守府の風紀を守る最後の砦。陽炎型駆逐艦の四番艦として、これは一瞬たりとも聞き逃すわけにはいきません。 それにしても……司令と姉さん達は古くからの戦友同士だって聞いてましたけれど、いつも四人で親潮の知らないあんなコトやこんなコトをなさっているんでしょうか……? #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「男の人って、みんなこうなってるんだ?」 「どうだろう? さすがに個人差があるんじゃないかな」 「男の人のなんて、オトンと司令はん以外のモンはよう知らんけど」 「司令のこれ、とてもダンディで素敵です」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
ちょっと目を離している間に、いろいろ段階が進んでいた――――!!? 姉さん達、そんな秋雲が描いた漫画みたいな展開はやめて。 皆さんに抱いていたイメージが崩れ去ってしまいますから。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「いいなー。私も司令と同じものほしいなー」 「陽炎がアレを身につけて、いったいどうするつもりですか?」 「決まってるじゃない。愛しの妹たちをまとめて可愛がってあげるのよ!」 「……でしたら陽炎。最初の一回目は、この不知火にお願いします」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
(ちょ、ちょちょちょちょちょちょー……っ) 落ちついて考えようよあたし。 同じ屋根の下。殿方一人と女性三人。執務室という密閉空間。そういったことが起きることも仕方のないことでしょう。 そりゃあたしだって、小学五年生の頃までお風呂場で父のお背中を流していましたし。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
このまま場所を立ち去って、ここで見たことを全部忘れてしまえば、皆さんとの関係は今まで通り。何事もなくすべてが今まで通りの日々を過ごせる。 けれど、この扉を開けるだけで箱入り娘だったあたしの知らない世界が待っている。 あたしの中の良心と悪い心が語りかけてきます。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
良心「それはあきまへん親潮。平常心を見失わず、自分自身と向き合い、もういっぺん考え直しておくれやす」 悪い心「据え膳くわぬはなんとやらと言うだろう? 細かい出来事は違っても運命は決して変えられない。起こるべくして起こる必然なのだッ!」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
良心「そうどす。自分の心に嘘をつくのはあきまへん。それこそ京都の女の名折れどす」 悪い心「覚悟を決めろッ。覚悟は幸福だぞッ親潮。これがお前のためなのだ――扉を開けろ親潮ォオオッ」 2つの心は互いに気が合うのか、意気投合しあって右から左から親潮を責めたててきました。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「な、なななな……ダメです。こんなハレンチな」 瀬戸際。あたしの中にあった最後の正義感が、『それではいけない』と囁いていた。 このまま見て見ぬふりをしてて良いの親潮。でも、でもでも。あたしにだって司令のことを見てる権利があるもん……こんなのってずるい。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
けものはいてものけものはいない。 あたしだって陽炎型。あたしだけ仲間はずれなんてずるい。あたしにだって、姉さん達と同じものを見て聞いて楽しむ権利がある。 今ごろ執務室の扉の向こうでは、四人が四人とも服も理性も脱ぎ捨てたけだものになっていることでしょう。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
司令達は親潮が着任する以前から、普段から人の目を盗んではあんなことやこんなことに興じていたに違いありません。 だからこれは、あたしにとっては緊急事態でも、司令達にとっては当たり前の風景。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
ですが。こんなことを容認しては鎮守府の風紀の乱れ。 モヤモヤを晴らさずして何が風紀か。風紀を語るためには、風紀でないものを知る必要があるのでは? いえむしろ、風紀を語るより先にこの胸のうちをスッキリ……いえハッキリさせたい。 なにか? 親潮の考えに何か落ち度でも? #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
ガマンは良くないって天津風だって言っていましたし。義を見てせざるは勇なきなりって言いますし。 姉さん達が、いくら司令の古くからの戦友とはいえ、憧れの司令に向かってあんなに近づいてあんなこと。 ええい、この際、四人だって五人だって同じことじゃないですか! #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「皆さん。白昼堂々なにを羨まし、ハレンチなことをしてるんですかっ。司令の親衛隊として見逃せません。後学のためにこの親潮にも、ご指導ご鞭撻をお願いしますっ」 覚悟を決めたあたしは、執務室の鍵穴にスペアキーを差し込み、執務室の扉をノックもせず勢いよく開け放ちます。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「あ、親潮だ。やっほー」 「……親潮?」 「親潮や。おはようさん」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
艦娘としての体裁は保ちつつも言い放った言葉には善も悪もなく、理性などとっくに押し流されていた親潮の本心からのものだった。 提督を除く三人ともまったく慌てた様子はなく、きょとんとした目で取り乱した親潮の姿を見やっていた。 #お好み焼き屋浜風
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