「反緊縮経済政策Q&A」Q19 それでもやっぱり財政赤字はイケないことではないですか?A19 そもそも政府が財政赤字になるのは民間が「貯蓄超過」だからです。良くも悪くもありません。

「反緊縮経済政策Q&A」 Q19 それでもやっぱり財政赤字はイケないことではないですか? A19 そもそも政府が財政赤字になるのは民間が「貯蓄超過」だからです。良くも悪くも 続きを読む
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Q19 それでもやっぱり財政赤字はイケないことではないですか? A19 そもそも政府が財政赤字になるのは民間が「貯蓄超過」だからです。良くも悪くもありません。 「反緊縮経済政策Q&A ver.1」rosemark.jp/2019/02/18/01-…
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国は、家計や企業と違って、税金でおカネを取ってきた範囲内で支出しなければならない制約のある存在ではありません。おカネを作ることができるのですから。しかし、おカネを作って政府支出する一方だったら、やがて人々の購買力が、国じゅうの生産能力を超えてどんどん高まってしまいます。
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すると、品不足が激しくなって物価が上がっていき、やがてインフレに歯止めがなくなる恐れがあります。そうならないように、人々から適当に購買力を吸い上げ、国じゅうのモノやサービスへの需要(総需要)を国全体の生産能力の範囲内に抑える必要があります。それが税金というものの本質的な機能です。
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だから、政府支出と金額的に等しい財源を得ることが税金の目的ではありません。家計や企業と同じように考えてはならないのです。税金をとることでインフレの管理ができればいいのです。収支をバランスさせることにこだわる必要は全くありません。
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むしろ、モノやサービスの需要が少なすぎて、失業という形で世の中の生産能力をあまらせているデフレ不況期には、政府が民間から購買力を吸い上げる総額よりも、政府が購買力をつぎこむ総額の方が大きくなるようにしてこそ、モノやサービスの需要を拡大して失業を解消することができます。
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つまり、政府支出の方が税収よりも超過するようにして、その分は事実上おカネを作って出してこそ、世の中がうまくまわることになるわけです。
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ところで、誰かが借りている裏には必ず誰かが貸しています。貯蓄投資バランス式(ISバランス式)という、必ず成立する以下のような式があります (導出方法は欄外注※を参照)。   金融収支黒字=政府財政黒字+民間貯蓄投資差額
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左辺の金融収支黒字は、日本の政府や民間(企業やひとびと)が外国に貯金・貸付・直接投資した純額のことですが、これは理論的には経常収支黒時と同じ金額になります。
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話を簡単にするために、左辺を固定して考えますと、世の中には広い意味での政府と民間との二者しかいません。財政赤字を出して政府が5兆円を借りるということは、そのぶん民間人が貸し手になって資産を5兆円増やしていることを意味します。
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財政が黒字になるということは、そのぶん民間人が借りているということです。これがどちらになるのか、どんな規模なのかは、ざっくり大きな目で見て、民間サイドの経済発展段階や人口年齢構成によって決まります。
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図をごらんください。データが入手可能な1965年以降の貯蓄投資バランスを示したものです。 図 1965年から2017年の日本の貯蓄投資バランス 出典:日銀「資金循環統計」より筆者作成。 財政赤字の点線は、上に行くほど財政赤字の額が大きいことを意味する。 pic.twitter.com/RSJJiGr1GB
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ところがまた一転、バブル崩壊後、長期不況期に入り、膨大な財政赤字が続くようになりました。もうお分かりのとおり、これは、長期不況で設備投資が低迷し、企業が内部留保をためつづけ、民間全体で膨大な貯蓄超過を出すようになった裏で起こる必然なのです。
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脱成長論者などが、「もはや成熟時代で設備投資がおこらないのは必然だ」と言い、その同じ口で「財政再建のために財政赤字は解消しなければならない」と言うのは矛盾しています。
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それゆえ、今日の膨大な公的債務をもたらした原因は、よく言われるような「無駄遣いのしすぎ」にあるのではありません。端的に言って不況のせいです。
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特に、1997年の消費税の3%から5%への引き上げによって、翌年に本格的なデフレ不況に突入してから、日本の公的債務は急増しました。消費増税がかえって財政を悪化させたと言えます。
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なお、上述のISバランス式の、左辺を固定するという想定を外すと、ISバランス式の3項目が同時に動くことになります。政府が財政黒字を5兆円増やしても、民間がちょうど5兆円だけ貯蓄投資差額を減らすということにはならず、ある程度は、金融収支が増加することになります。
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しかし実際には、さきの図を見れば分かるように、時期によって違いがありますが、民間の貯蓄投資差額と一般政府赤字はほぼ同じような動きをしており、経常収支はその差を安定的に埋めていることが分かります。
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(※欄外注) 支出側の国内総生産(GDP)は以下の式で表されます。これは必ず成立する定義式です。 GDP=C+I+G+EX-IM --(式1)  国民総生産=消費+設備投資+政府支出+輸出-輸入+所得収支
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それに対して、支出側の国民総生産(GNP)は次のような式になります。これも必ず成立する定義式です。 GNP=C+I+G+EX-IM+α  (式2) 国民総生産=消費+設備投資+政府支出+輸出-輸入+所得収支
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式1と式2違いは最後のα、つまり所得収支の部分です。これは、日本の「国民」が外国から稼いだ所得を加えて、外国の「国民」が日本から稼いだ所得を差し引いたものです。
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支出側のGNPに対して、貯蓄側のGNPと呼ばれるものがあります。人々が稼いだGNPは、消費されるか、貯蓄されるか、税金として政府に納めますから、次の式も必ず成立する定義式です。 GNP=C+S+T  (式3) 国内総生産=消費+貯蓄+納税
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という式も必ず成り立ちます。この二つの方程式を、連立方程式として整理すれば、式4の貯蓄投資バランス式(ISバランス式)を導くことができます。これは、定義式を加工して作ったものですので、必ず成立します。
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(S-I)+(T-G)= EX-IM+α (式4) 民間貯蓄投資差額+政府財政黒字=経常収支 ちなみに、式4の右辺は、貿易収支と所得収支の合計ですから、経常収支となります。
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なお、T-Gがマイナスの場合、税収で政府支出がまかなえない部分があることを意味します。その分については、政府が民間に対して債務証書を発行して支出を工面します。政府の債務証書には2種類あります。
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一つはおなじみの国債というもので、満期がきたら貨幣を支払うという約束の証文です。 もう一つは、まさにその貨幣という名の債務証書です。
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