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みかづちさん@-お寺さんちのメリーちゃん(仮)- @Mika_Dragoon
「わ、わたしメリーさん。今どこにいるの~?」 ある日の夜のことである、大学生の青年、聖護は怪異と呼ばれる事態に遭遇していた。 メリーさんの電話、昔ながらの怪異である。 わたし、メリーさん、今あなたの駅の近くにいるの… もちろん身に覚えはない。しかし、最初の電話から数回電話はあったが…
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一時間経って掛かってきた電話が最初のこれだった。いわゆる、迷子である。 相手が怪異という事で少し警戒した…が、あまりの迷子ぶりに哀れに思い、彼女、メリーさんを迎えに行く事に したのだ。 再び掛かってきた電話に、「これから迎えに行くぞ。」そう答えた。でも少女は、こう返してきた。
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「ダメなの、自分で行かなきゃダメなの…。」涙声で答えた。 怪異の類には慣れている。しかし、ここまで憐憫の情を抱いてしまうケースは初めてだった。 掛かってきた電話にさり気なく自分の居場所を伝えながら、住宅街周辺を歩いて行く。すると、可憐な衣装に身を包んだ、お嬢様のような少女が見えた。
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キャリーケースを引いた少女は、スマートフォンを片手に左右を観て、頭を垂れながらとぼとぼと歩いていた。 まさか、な。すると彼女は電話を掛ける仕草を取る。その後スマホが鳴り…。 「わたし、メリーさん…」「今お前の近くにいるよ。」 嬉しそうに周囲を見回した。目が合った。すごい嬉しそうだ。
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嬉しそうにキャリーを引いて走って来る。仕方ないと思い、彼は背を向けてやった。 背中で息を切らしながら電話から喋る声が聞こえた。「わたし、メリーさん…貴方の後ろにいるの!」そこには嬉しそうな表情をした、ストローハット帽子を被った可憐な少女が居た。 すると、彼女は白いポーチを探り出す。
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「えーと、何をするんだっけ…?」中身をごそごそ探しながら…「これだ!」一本の何かを取り出した。 覚束ない格好で中身、それを構える。荒事には慣れてるのでどうと言う事はないんだが…、覚束ない格好で走ってくる彼女にそのまま刺された。 いや、受け入れたという方が正しい。なぜなら…
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彼女が腹に突き立ててきたのは、ナイフじゃなくてケーキサーバーだから。痛い。いくら先が丸いからって、走ってきた女の子が構えて来るのだ。筋骨隆々の体には何ともなかった。 「え、なんで?」困惑しながら得物を見る彼女。小さな悲鳴も気にせずその得物を取り上げた。「これで人を刺そうと?」
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呆れて何も言えなかった。う”ー、目に涙を浮かべるメリーさん(仮)。周囲はざわめく人達。取り上げた得物を少女のポーチに収め、手を引いてその場を離れた。 二人は近くのコンビニにいた。物珍しそうに目を輝かせて店内を見渡す少女。その間に大きめのサンドイッチを数個と弁当を買う。
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結果、彼女を自分の部屋、古いマンションの一室に招き入れる事にした。これは止むを得ない事、そう何度も自分に言い聞かせる。黒々とした筋骨隆々の体に短髪、タンクトップにカーゴパンツ、ガサツそうに見えて、そこそこ広いワンルームの部屋の中は小奇麗で、いつお客を迎えても恥ずかしくない佇まい。
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走っているうちに、少女のお腹がくぅ、と鳴いたのだ。彼女は照れながら下を向いた。怪異でも腹が減るのか?そう思っていると、自分も夕食を食べてない事に気付いた。 外食をする事なんてほとんど無い。それに怪異とは言え女の子、夜の街に放置という訳にもいかないし、これ以上害があるとは思えない。
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「お、お邪魔します」遠慮がちに彼女は部屋に通される。「何もしないから心配するな…。」呆れたように声を掛けた。 少し大きめなテーブルを出す。さっき買ったものをテーブルに広げて、彼女にはサンドイッチとジュースを渡し、自分は弁当とお茶を広げる。 早速本題に入った。「なんで俺を狙った?」
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「おししょうさまに、「あなたを狙え」と言われたから…。」更に呆れた。少女は涙を浮かべて怯える。怖い顔をしてたらしい。「…ごめんな。」気を取り直し、少女の話を聴く。 自分が『生まれた』のはつい最近で、何回か『仕事』をしたけど、迷子で失敗ばかり、他の娘達にバカにされ続けてきた事…。
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メリーさんって、何人いるんだ…。などとを考えてると、「最近の仕事で、視線を感じるようになったんです。その事をおししょうさまに話したら…」彼がその先を続けた。「今度は俺を狙え、と。」少女が返す。「はい、「これでダメならメリーさん辞めな」と言われました…」都市伝説を辞める。それは…。
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怪異としての存在を失う事。存在が無に還る事、なのだろう。 「はい!あなたのおかげで消えずに済みそうです!」涙目になりながら、少女は彼の手を両手で掴んだ。そんな彼女のスマホの着信音が鳴り響く。相手はおそらく、おししょうさまなんだろう。嬉しそうに成果を報告しようとした時…顔が曇った。
みかづちさん@-お寺さんちのメリーちゃん(仮)- @Mika_Dragoon
えっ…、そんな!、…はい。 その数言の後に通話を着る。彼女は涙顔でこっちを振り返り…、「「もう二度と戻ってくるな。」って…!」その場でぺたんと座り落ち、そのままわんわん泣き始めた。あーわかったわかった!大箱のティッシュを差し出す。彼女は止まらない涙を必死に拭き、そのまま鼻も噛んだ
みかづちさん@-お寺さんちのメリーちゃん(仮)- @Mika_Dragoon
さんざん泣き続けた後、泣き疲れて目を晴らしながら、その場で眠りについた。 …しょうがないなぁ。帽子が脱がせてから彼女を抱っこして、自分のベッドに寝かせつけた。メリーさん、ねぇ。しかも怪異に師匠とか親父からも聞いた事もないぞ?だからってあのクソ親父に話を聞くだななんてもっての外だ。
みかづちさん@-お寺さんちのメリーちゃん(仮)- @Mika_Dragoon
そう思いつつ、彼は抱き上げた少女の感触を思い出す。怪異とは言え、女の子ってこんなにか細くて、軽いモノだったんだな…。そしていま直面している問題についても考えていた。 …寝床どうしよう。 [了]
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―お寺さんちのメリーちゃん― 第一話:『開闔?』不良息子(仮)とメリーさん(仮)

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