エマニュエル・ヴァロン講演会「フランスにおける芸術家養成の諸課題 <才能を証明する>ことをめぐって」

http://www.enpaku.jp/event/host/event20110516.html 気になったのでまとめてみた。
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BofE @BofE2019

ヴァロン「その一つがダンスの学校ムードラ。これはクラシックバレエからモダンバレエ、そしてコンテンポラリーダンスへの移行に重要な役割を果たした。しかしローザンヌからブリュッセルに移って行ってしまった。この学校で学んだ演出家がフランドル地方やベルギーで特徴的な舞台を行っている」

2011-05-16 20:00:42
BofE @BofE2019

ヴァロン「もう一つがジャック・ルコックのインターナショナルスクールである。これを取り上げたかったのは一つに創設者が3年前に逝去したにもかかわらず続いていること、国際的なこと、また学生を「潜在的な作家」ではなく「体操競技者」「感情のスポーツ選手」「発明家」として見なしている点」

2011-05-16 20:02:34
BofE @BofE2019

ヴァロン「もしフランスの地方都市から演劇を志したら? 演劇を志す人はまず間違いなく自分の住んでいる街の市立のコンセルヴァトワールの演劇クラスに入る。こういったところは80〜100%地方自治体が出資している。」

2011-05-16 20:04:33
BofE @BofE2019

ヴァロン「地方の大都市、ボルドーやモンペリエ等に住んでいれば地域圏のコンセルヴァトワールに入れる。こうしたところは地域圏の助成金で運営される。」

2011-05-16 20:04:43
BofE @BofE2019

ヴァロン「ある一定の地域に住んでいれば、国立演劇センターに入ることができる。もともとは自治体と国立の半々の学校であったが、こうしたところにたどり着ければ、演劇を学ぶだけではなくプロの演劇の端っこに参加できるようになる」

2011-05-16 20:05:42
BofE @BofE2019

ヴァロン「パリに住んでいれば、国立高等演劇コンセルヴァトワールを受けることができる。入試に落ちてしまったら親を脅してかなりの費用を払ってクールシモン、クールトラモン(?)など評判のいい私立演劇学校に行くことになる」

2011-05-16 20:08:00
BofE @BofE2019

ヴァロン「パリ以外では国立学校が2つある。一つはカンヌ地域圏とストラスブールの劇場付属の高等演劇技術学院、もう一つは文化省ではなく国民教育省が管轄する国立演劇技術学校」

2011-05-16 20:08:30
BofE @BofE2019

ヴァロン「それはリヨンにある、さて、今挙げたパリのコンセルヴァトワールだけが卒業後に職業演劇に入る仕組みをもっていた。今後、他の2つの学校の卒業生も、国家が給料や社会保障を助成金として出すという制度が適用される。これは過激な作品を作る上では切り札になる」

2011-05-16 20:10:51
BofE @BofE2019

ヴァロン「もちろんそれだけでやっていけるわけではなく、コンクールに出たり、俳優だったらエージェントやオーディションで発掘されないといけない。」

2011-05-16 20:11:40
BofE @BofE2019

ヴァロン「特に社会学者ローマンボージェが指摘していたように、芸術家が生きてくためには影響力のある知り合いの同業者のネットワークを作って行き、小さな仕事でも人づての情報を得て行くのが重要。逆説的だが、プロのアーティストは失業者として保険を受けることでようやく食べて行ける状況である」

2011-05-16 20:14:20
BofE @BofE2019

ヴァロン「アマチュアから失業者になることでプロになる。失業者になれなければ県レベルで出している生活保護の受給者になるという途が残されている。舞台芸術フリーランサーは述べてきたような失業者保護があるが造形芸術のアーティストはこの生活保護で生きながらチャンスをうかがうことが多い」

2011-05-16 20:18:16
BofE @BofE2019

ヴァロン「最後に情報発信者になるという途がある。フランスでは継続教育、生涯教育、永久教育ということで成人教育が組織化されている。それによって研修の保証というものがある。」

2011-05-16 20:20:13
BofE @BofE2019

ヴァロン「アーティストは研修を受けることができる。仕事が無い期間は研修を受けることができる。時代劇に出るためにフェンシングを習うとか、次の作品のためにCGを習うとか、そういうことができる。」

2011-05-16 20:20:42
BofE @BofE2019

ヴァロン「そこでアーティストは教える側に回ったり、研修を開催する側に回ることもできる。そこに公的な助成金が出る。また、教師になっていく途もある」

2011-05-16 20:24:48
BofE @BofE2019

ヴァロン「また学校の教師とのパートナーシップに基づき、中学や高校の授業にいくというシステムがある。この要請は地方自治体から強く出ている。これについては私の個人サイトhttp://e.wallon.free.fr/ に詳しい情報がある。」

2011-05-16 20:27:54
BofE @BofE2019

ヴァロン「結論から言うと、さっき例に挙げていた、地方で演劇を志していた生徒は、認められて作品を作る芸術家にはならないかもしれない。しかしマルチなクリエイタ—にはなっているかもしれない。例えばダンスだったら自分でセオリーを… (cont) http://deck.ly/~yzNpe

2011-05-16 20:28:30
BofE @BofE2019

ヴァロン「芸術教育はヒエラルキー型に形成されるという話をしてきたが、能力的には横断的なマルチなアーティストになっていて、他の同僚もみんなマルチなアーティストになっている。」

2011-05-16 20:28:43
BofE @BofE2019

ヴァロン「俳優なら、脚本から舞台美術からメディアを使ったスペクタクルも使い、また国立マリオネット学校を卒業したマリオネットの使い手と協力したり、国立フィルムアトリエ出身のビデオ作家とコラボレーションしたりするでしょう」

2011-05-16 20:29:00
BofE @BofE2019

ヴァロン「ダンサーでもピナバウシュに至るスペクタクルなものまで、自分自身で演出して行くし、サーカスのアーティストでも一つの技を極めて行っても、色々なことをやって行くアーティストになる手もある。」

2011-05-16 20:29:18
BofE @BofE2019

ヴァロン「あるいはストリートアートのアーティストであってもカンパニーを作ってなんとかやっていく、そこでステージも自分で作って行くというパターンもある。今はそうしたアーティストたちが学校の先生や校長になるようになっている。いまではマルセイユを本拠とした巡回教育が制度化されている」

2011-05-16 20:30:21
BofE @BofE2019

ヴァロン「こうした中でもあくまで制度化に抵抗を示し続けているアーティストもいる。ヒップホップ、ラップ、スラムの詩人など。しかし必然的にいつかは自分たちの芸術手段を伝達する必要性に迫られるだろう。そうした欲望が現れてくるはずだから」

2011-05-16 20:31:57
BofE @BofE2019

ヴァロン「このような状態を、コンテンポラリーの振り付けの研究をしている人が、「残像と幻影(めまい)」という美しい言葉で表現していた。」

2011-05-16 20:36:04
BofE @BofE2019

ヴァロン「早稲田の演劇博物館には伝達に必要なものとして、写真、歌舞伎、浄瑠璃、狂言などの資料、教師、そして経験という3つの要素を提示していた。こうした場所でフランスの芸術と伝達のことをお話しすることができて光栄でした」おわり。

2011-05-16 20:36:16
BofE @BofE2019

会場からの質問:フランスの舞台芸術失業者保険について。どれくらいの待遇なのか、また国立コンセルヴァトワールを出れば全員もらえるのか?

2011-05-16 20:38:11
BofE @BofE2019

ヴァロン「生活保護のほうはRSAといって、これは誰でももらうことができる。月収が660〜680ユーロ以下であれば誰でももらえる。美術家の場合、マルセイユがある県では500名の造形芸術家が登録していてそれで生活している」

2011-05-16 20:39:24
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