自民党・山田太郎議員と「表現の自由」と「公共の福祉」とそのポストトゥルース
一事が万事、山田太郎氏のトークにはこう言う「危うさ」がある。詐欺に近いビジネストークです。危機は過大に煽り、問題の”構造”を自分が「コミット」できるフレームに落とし込み、支持者にそう理解させ、「実績」は過大に喧伝する。
2019-07-26 07:51:51論旨まとめ
山田太郎氏発言についてもう一度確認すると、そもそも「自民党改憲草案が表現の自由(21条)の中で直接加えようとしてしている制約」は、「公益及び公の秩序」です。現行憲法の12条などにある「公共の福祉」をこれに入れ替えようと言うもの。→
2019-07-26 10:35:15ところが、山田氏がこれを語ろうとする最初からAFEE坂井氏が「公共の福祉ですね」と間違った語をサジェストして、以降山田太郎氏も「自民党改憲案で表現の自由に公共の福祉の制約をつけようとしている。制約があるのはおかしい」と言う二重三重に頓珍漢な話にしている。
2019-07-26 10:38:09これは選挙中、「自民改憲案では”公共の福祉”から”公益と公の秩序”に替え、しかもそれを表現の自由の21条の中に書き込んで直接的に制約している」事を視聴者に知られたくないために「ウソで頓珍漢な説明」をする事になったのでは?と言う印象。端的に言えば、有権者を騙している。
2019-07-26 10:42:03なお、「公の秩序」のために表現の自由が制約できる、と言う事は国際人権規約にも書かれており、以前の自民改憲マンガでもそれが”国際人権規約にある語”である事は説明されてました。そう言う事は分かった上で入れていると言う所まで見ておかないと、反対する側も的外れな批判になってしまう。→
2019-07-26 10:53:44しかし自民改憲案では「公の秩序」では足りないと考えて上に「公益及び」を付け足しているんです。この「公益」がポイントですね。帝国憲法にも一箇所記載があり、戦前から行政や司法が盛んに用いてきた語です。
2019-07-26 10:55:55しかしどうあれ今回の山田太郎氏は、 1、 選挙中に、自民改憲案について「公益及び公の秩序による表現の自由の制約には反対する」とは言わずに済ませた。つまり党の改憲草案に反対すると自民党に聞かれる事も無く、それを明らかにすることもカッコつきの”言い間違い”によって回避した。
2019-07-26 11:36:442. その替わりに「自民改憲で公共の福祉と言う言葉を持ち込み表現の自由には”ゴボウ抜きにされても血を流しても”反対する」と言う”存在しないものへの対決表明”をして、自分のリスクを作らずに、それに気づかない”規制反対派のオタク”から集票した。
2019-07-26 11:39:443. 「自民党改憲案で、新たに公共の福祉による表現の自由の制約をするのは反対。表現の自由に制約があるのおかしい」と言う虚偽の前提の説明をして、 現行憲法下で「公共の福祉による表現の自由の制約は法的に”ある”」と言う事実を隠蔽した。
2019-07-26 11:42:364. 3によって前提知識のない支持者には 「現在は公共の福祉なるものによる表現の自由の制約は無い」と言う現状認識が生まれるので 「表現の自由は何によっても制約されない、する事は許さない」と言う、 ”既に制約されている現実”を無視したポストトゥルースな原理主義的反対運動が形成される。
2019-07-26 11:50:09ポストトゥルース的言説、簡単に言えば「詐欺師の手口としての言葉」は、どこがウソ・間違いであるかを漏らさず説明しようとするにも、この一例だけでこれくらい手間がかかる。なのでなかなか”追いつかない”もの。
2019-07-26 11:52:56山田太郎氏はこれから「自民改憲案の”公益および公の秩序による表現の自由の制約”には、ゴボウ抜きされようと血を流そうと(議場で?)反対する」、と言い直すかも知れない。言い間違いだったと。 しかしこの発言は選挙期間中のものであり、それによって投票を促した。もう選挙は終わり当選した後です。
2019-07-26 11:56:57参考: 自民党の憲法改正草案を読んでみた——「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」 長谷川一 "公共の福祉"を削除している自民改憲草案 blogos.com/outline/182546/
2019-07-26 12:19:39