「批評」についての芝村裕吏氏の発言ログ
@siva_yuri 僕から見ても、その観測は正しいですよ。どんなジャンルでも、「そのジャンルを貫通する表現論」を追求しようとしている批評家以外、たとえば「そのつど流行作品についてうまいこと言おうとしている」類いの批評家は、10年代は食っていけなくなるはずです。
2010-01-14 14:50:20自分がこれまでやってきた仕事(リアルの)からすれば、いわゆる“太鼓持ち”の言葉ほどアテにならないものは無い。優秀な批評をすること、有益ならば批判も厭わない発言で行う部下、同僚こそ第一の仲間。 今は理不尽な批判が多すぎて上手く行っていないところはあるようだったけれども…。
2010-01-14 14:53:30以上、話終わり。まあ、がんばってくれ。 ある意味敵であり、君らの観察対象である俺がいうのもなんだが、長年の付き合いだ。 だから、どうにか生き残れ。
2010-01-14 14:56:08.@tdkm_nkjm うん。勝手にやりなさい。 俺の発言は、発せられた瞬間に皆のものだ。 吐いた息にまで金をとるほど俺は傲慢でもないよ。
2010-01-14 15:02:37@siva_yuri そういえば、報告しわすれましたが、DiGRAの三号に多摩豊さんの『コンピュータゲームデザイン教本』の書評を書きました。多摩さんのような本当に優秀な批評家を知ることができたのはsiva_yuriさんのおかげでしたので、一言報告いたします。
2010-01-14 15:01:15@siva_yuri Aの魔法陣もガンパレも、まさに多摩さんの「ゲームスケールとシステム」(3.6節)の問題を実作で突破した、優れた応答だと今になって思います。今はまだ本業の社会学に取り組みますが、いずれ多摩さんの遺産をゲームデザインをとりまく言説に還元できればと思っています。
2010-01-14 15:08:01僕はまだ無力なので、「ゲームデザイン批評なるものを読みたいなら、多摩豊さんを追ってください」としか言えません。が、その著作を読めば、多摩豊さんのようなかたちでのゲームデザイン批評が21世紀の今にほとんど見られないことに「惜しい」と思う僕の気持ちは共感してもらえると思います。
2010-01-14 15:11:43何せ彼は、80年代にウィル・ライト(SimCity)とリチャード・ギャリオット(Ultima)とクリス・クロフォード(Balance of Power)から一次資料(インタビュー)を持ち帰って、日本語で初めてその知見を公開している。そんな業績を出しているゲーム批評家は今はいない。
2010-01-14 15:14:37証明の1:批評というものは他作品と比較したりしなければ、批評できない。優劣も是非もつけられないからね。さて比較する上では当然、共通項の割り出しをしないといけないし、共通項に言及して、共通項と特殊部分との関係性やその共通項の役割性も論じないといけない。
2010-01-14 15:15:33証明の2:共通項を取り出して語る場合、これは全体批評としての俯瞰を行うことも意味する。 通常、批評は比較する関係で俯瞰して他のと同時に語るものだから、これは同じことを意味する。 つまり、批評というのは批評であるからには共通項も取り出すし、俯瞰でもある。
2010-01-14 15:18:36証明の3:帰納は共通性を取り出して法則や命題をとりだすことだから、批評は自動的に辞書の定義である帰納をかならず満たすことになる。よって批評は帰納をかならず内包する。 なので、帰納面から語る場合、余計なおまけはあるものの批評
2010-01-14 15:21:06@siva_yuri すみません質問させて下さい。いわゆる「ネット書評ブログ」で高い支持を集める「書評ブロガー」と言う人達が居ますが、彼らの書評は帰納としての「再現性」というより「読者との共感性」の方がウェイトが高い印象です。彼らの「書評」は評論ではなく「感想文」なんでしょか?
2010-01-14 15:35:23.@sanadura_h ええ。ネット書評ブログなるものは、感想文です。 ただ。先ほども言ったとおり、批評家の批評も批評の条件を満たしてないわけですから、それよりは一次情報(実際に見た証言)としての価値がある生証言のほうが、より参考になりえます。
2010-01-14 15:39:54批評家が批評の定義を満たさず、批評といいはってるのだから、それらを意識して俺の考えた批評みたいなのをやってるブロガー、ブログが、その条件を満たす可能性は低いと思います。
2010-01-14 15:42:27@siva_yuri なるほど理解できました。ありがとうございます。 参考になりました。
2010-01-14 15:45:01今、感想文の世界が広がり、感想文と批評の比較がはじまり、有用性比較が行われ、結果、批評は死にました。しかし感想文には、嘘も多い。そのうち、寄生的に存在する知ったかぶりが増えるでしょう。すでにゲームでははびこってますね。
2010-01-14 15:45:44その先で、時代の趨勢として同じ時間をつかうなら、俺は信頼のおけるXXの話を聞くぜという流れになります。 分析の信頼性や見通しの正確性という点で、感想文の淘汰が急速に行われ、リアルタイムに近いレスポンスであるtwitterなどが台頭するでしょう。
2010-01-14 15:48:02つまるところ、ここでもキャラクター、人間というものが、キャスティングボードを握ります。 人は芝村のゲームや芝村の漫画や小説以外の購買の基準としても、芝村の話をききに来るかも知れません。私が十分に信用を勝ち取ることができれば、ですが。
2010-01-14 15:50:31