- akuochiken
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研
@akuochiken
「ねぇ、どこに行くの?」 「うん……駅前のスーパーじゃ駄目かな」 「もう! アイスだよアイス! パパは何も分かってないんだから、私が連れて行ってあげる」 そう言って小走りに彼の腕を引っ張って教室から出ていこうとする彼女。 「はは、私は消えないから、ゆっくり連れてってくれよ」
2019-08-16 14:40:35
研
@akuochiken
ガラガラ、と教室の扉を閉めようとする彼。 「ああ、そのままの状態で眠っていてくれ。現状維持でいい。また育て終わったらここに来る」 彼は振り返って誰かに向けて言葉を発した後、彼女に引っ張られて歩き出した。 教室の彼女が元いた場所に僅かに残った赤い液体が、ちゃぷんと床に沈んでいった。
2019-08-16 14:44:48