[R-18]甘々ママドラゴンだあ？お前がママになるんだよ！！

帽子男 @alkali_acid

続いてその場になって裸になってあぐらをかくと、ごほんと咳ばらいをする。 「お、俺も、体はこんなだけど、健全な成年男子？であるからして」 喋り方が妙にませている。 実際、言葉の通り、生きてきた歳の数はうわべの二倍近いのである。

帽子男 @alkali_acid

子竜のリクは、一度死んで生まれ変わっている。 以前は、もっと別の場所、剣と魔法のかわりに法と科学の支配する土地で、人間の少年として暮らしていた。 それが不幸に遭って若くして命を落とし、末期の際にあらわれた神の導きによって、前世の記憶を残したまま有角有鱗の種族として産まれ直した。

帽子男 @alkali_acid

「…だから…こういう時、どうすればいいのかだって知ってるんだ」 手をじっと見て、また装束のところへ戻り、ごしごしとこすってからまたあぐらを掻く。 「毎日毎日…ママのそばにいたら、がまんするのだって大変なんだし…その」

帽子男 @alkali_acid

子竜のリクには当然ながら母竜もいて、今も一緒に旅をしている。みめうるわしく大変な世話焼きで、しかも親子が番（つがい）となり血筋を残すのは当然という考えの持ち主。すぐ交尾を迫ってくる。 だが少年、というか青年というか、とにかくリクには応じられない事情がある。

帽子男 @alkali_acid

「…とりあえず…こういうのは…自分で処理しないと」 まだ発育途上の若茎をそっと握って、三度目になるまわりの確認をしてからしごき始める。 「…ママに見られたら…てつだうとか言い出すし…んっ…んっ…」

帽子男 @alkali_acid

ほかにも鼻の利く獣のような女の子や、最近やたらとひっついてくる妖精の子などが旅の連れにいて、男の欲望に無防備というか、あけっぴろげというか、こと性への奔放さが、転生する前の暮らしと違う。

帽子男 @alkali_acid

人間だったころは母子家庭で貧しくつつましく育ったリクは、華やかな交際もなかったし、色恋だの情痴だのの知識といえばせいぜい小説などで得たものぐらい。うまくいなしたり遠ざけたりするのも得意でない。

帽子男 @alkali_acid

さすがに自分で自分を慰めるやり方は知っているが、それとて同居する母を困らせたくなくてめったにしなかった。 「…でも、今はそれどころじゃないからな…っ…んっ…んっ…早く…早く…」 仲間の誰かに見つかる前にさっさと欲望を吐き出してしまおうと、懸命に手を動かすが、焦るとかえって。

帽子男 @alkali_acid

「もお…なんでいけないんだよ…この…」 何かを思い浮かべると興奮しやすいのだと、基本を思い出して、必死に頭をひねる。母竜の白くたわわな乳房、華奢の子の華奢なうなじ、獣の娘の野生みの強い匂い、転生の際に見た神の幼げでしかし輝かしい裸身。

帽子男 @alkali_acid

最後に転生前の母の笑顔が浮かんで、びくっと手が止まる。 「な…なし。今のなし…」 そこにはいない誰かに向かってへどもどと言い訳するリク。 「何がなしだおら」 いきなり天井をぶち抜いて昆虫の節足のような器官が少年の真横に突き刺さる。

帽子男 @alkali_acid

「都合よくひとりになってくれたなあおい」 側面に口がついている。いくつも。 おぞましい怪物だが、声に覚えがある。 「き、騎士！？帝国の…お前…死んだはずじゃ」 「はっ、自涜に夢中で気づかなかったか。やっぱまだまだガキだな」

帽子男 @alkali_acid

「…なめんな！」 姿形はまだ華奢でも、生きた歳の数は二倍。 母竜とともに旅をして幾度か修羅場も踏んだ。 リクは装束の上に積み重ねてあった短剣へと飛びついた。 「させねーよ！」 いきなりもう一本の節足が天井をぶち抜いて武器を押さえる。

帽子男 @alkali_acid

うっかり服を汚さないよう離しておいておいたのが仇になった。 「ったく…青臭い雄の匂いぷんぷんさせやがって…これじゃうちの狗がすぐ嗅ぎつけてくんだろうが…だけどなあ、こっちにも手はあんだよ！」 化生が叫ぶと、水晶の塊が節足の表面を突き破って生える。 「な！？その技…」

帽子男 @alkali_acid

「旦那の封印を…あのババアから逃げ隠れするために使うのはムカつくけどしょうがねえ…さあて。これでてめえは一人だぜガキ。どうする」 「どうするも…こうするも…戦うだけだ！！」 角の生えた頭で節足にぶつかっていく少年。

帽子男 @alkali_acid

洞窟の床をえぐった蹴り足の強さから、なりは小さくとも万物の霊長、竜たるものの膂力のすさまじさがうかがえる。 弾丸のようなリクのぶちかましは、重さと大きさではるかに上回る妖魅を揺るがせた。 「やるじゃねえかっ」 敵のいまいましげな賞賛をよそに二振りの短剣を掴み、構えをとる少年。

帽子男 @alkali_acid

いつもの武器ではなく、まだ慣れない狭い場所での立ち回りとなったが、戦意はすでに固まっている。 「…すうっ…よし！」 深呼吸して気合を入れる。 「…まともにやりてえとこだが、時間がねえ。早速使わせてもらうぜ。奥の手をな」 魔狼は無数の口からうそぶく。

帽子男 @alkali_acid

さらにもう一本の節足がまたしても天井を破って降りてくる。 すでに洞窟の上部は縦横にひびが入っていつ落盤が起きてもおかしくない。 ぎりぎりのところで、槍のような肢の一撃をかわしたリクは素早く刃を交差させ、斬りつける。 「ぐ…速くなってんじゃねえか！」 「硬っ…」

帽子男 @alkali_acid

再戦までの短い期間に互いの変化に驚くのもそこそこ、節足の切れ目から何かが飛び出す。杖だ。魔術師が持つような。ひどくねじくれている。 「獣鬼魔道とやら…てめえの贈り物の力、試させてもらうぞ！」 杖がゆらぎ、明滅し、おぞましい波動がリクを包み込む。

帽子男 @alkali_acid

「…なんっ…だこれ…！？」 子竜は呪縛をあっさりはねのける。存在そのものが原初の魔法ともいえる古き種族に、なまなかに通じるような術はない。 「…今ので終わりか？…いや待て…小説だとこういのは…」 油断はまずい。リクが慌ててもう一度状況を確認しようとしたところで匂いに気づく。

帽子男 @alkali_acid

嫌な、腥（なまぐさ）い、男の、雄の匂い。 母竜の甘く優しい香りとは正反対の、欲情した汚らしい獣の臭気だ。 いつのまに洞窟にたちこめていたのか。 「旦那には悪いがな！…こいつが今の俺なりの“絆”の結び方だ！」 「…は？」 「すぐに“わからせ”てやるよガキ！」

帽子男 @alkali_acid

節足の表面をおおう外殻が砕け、無数の肉蔦があふれ出ると、いきなり子竜をからめとった。 かわそうと思えばかわせる程度の速さだというのに、なぜか四肢が弛緩して力が入らない。 「なんだ…これ…麻痺…？」 竜になってから、たいていの毒や病を受け付けず警戒が薄くなっていたかもしれない。

帽子男 @alkali_acid

触手がぞりぞりとリクの股をなぞりあげ、真赤な陰毛のあいだをこすりたてる。 「んぅっ💛！？！💛！？？」 「は、いい反応じゃねえか…“狗”より簡単に仕込めそうだな？」 「ふざっ…？💛」

帽子男 @alkali_acid

何かおかしい。何か。 子竜は怪力の腕をばたつかせ、拘束を解こうとする。 だがさっきより少し細くなっていないか。 また触手が股をこすり、あどけなさの残るかんばせは舌を突き出してのけぞった。 「ひぁっ？」 「獣鬼の…体臭と…体液もだったか…おら！！」

帽子男 @alkali_acid

肉蔦が開いたおとがいにもぐりこみ、吐き気を催す臭い粘液を流し込む。 「ぅぐ…うぇぶ…っ…💛💛💛💛！？」 「利いたな」 触手のいくつかが寄り集まって腕の形になり、リクの胴のあたりを掴むと、十代半ばの少年の硬い胸板、のかわりにほどよい膨らみを帯びた少女の乳房を揉みしだいた。

帽子男 @alkali_acid

「ひゃえ？ひゃぇ？なんりぇ…！？」 困惑とともに嬌声をこぼしてもがく年若い雌竜。 見た目の二倍は生きてきたとはいえ、根が純朴で素直な気性の持ち主にとって、とうてい起きている事態に理解が追いつくはずもなかった。