ぱすイカ二次創作②

https://t.co/LrFyOGL7t5 ツリーリプしくじったので……
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ぱすかる❄ @pascal_syan

ヨーコは、サキの塗り意識の高さには一目置いている。前線で戦っていると、こういった「お掃除」を疎かにしてしまいがちだ。劣勢となったとき、この汚れが命取りとなる場合もある。敵が潜伏している可能性を 、潰しておくこともできるし。

2019-09-05 18:33:42
ぱすかる❄ @pascal_syan

正直、ヨーコの塗り意識は低い方だ。どうしても敵に目が向いてしまう。サキとヨーコの戦いのスタイルは、お互いの短所をうまくカバーしあっているのだ。細かい意志疎通がなくとも、かゆいところに手が届く。理想のチームワークといえよう。

2019-09-05 18:36:48
ぱすかる❄ @pascal_syan

当然、試合に勝利した。ただの勝利ではない。圧勝だ。 ヨーコが片っ端から敵を倒し、サキが敵陣を塗りつぶす。ほかのチームメイト二人も、追い風に乗るように大活躍していた。非常に和やかな雰囲気が、チーム間に流れていた。

2019-09-05 18:41:06
ぱすかる❄ @pascal_syan

「超~かっこよかったです!」 「ありがとうございました!」 「楽シカッタ!アリガトデス!」 「あ、あの、サインもらってもいいですか?」 「照レチャウネ~。字キタナイ、ソレデモイイ?」 「汚いなんて!そんなわけないじゃないですか!」 「どちらかというと達筆だよね」

2019-09-05 18:43:00
ぱすかる❄ @pascal_syan

「マジすか!?サインもらったことある系!?」 「そもそも友達だし……」 「えーーーーっ!?あんたみたいなのが!?ええーーーーっ!?」 サキには見えなかったが、サングラスの下のヨーコの眼光が、鋭くなった。 「そーそー、私みたいなのにも優しくしてくれるから、ヨーコってほんとイイ人よ!」

2019-09-05 18:48:16
ぱすかる❄ @pascal_syan

「おまたせ~」 席で待っていたヨーコの元に、サキがやってくる。両手には、巨大なエビフライがサンドされたホットドック。 「ヤッパリ、オッキイネ.!」 「こんなにボリュームあっても飽きがこないんだから、すごいよねえ……」 「イタダキマース!」 「いただきま~す!」

2019-09-05 18:57:13
ぱすかる❄ @pascal_syan

バトルで疲労した体に、エネルギーを補給。バリバリと豪快に音を立てて食べるのが鉄板だ。揚げカスが飛び散りやすいのが難だが、食べ終わったあとに叩いて落とせばいい。 「あー、食べた食べた」 「マンプクネ~」 お昼を食べたら、またナワバリだ。サキがそう言いかけたとき。

2019-09-05 19:01:45
ぱすかる❄ @pascal_syan

「少し、失礼しても?」 「ほあ゛ッッッッッ!?!?!?」 後ろから話しかけられると大声が出る。サキの悪癖、今日二度目。 サキの背後に、オクトーが立っていた。軽く耳を塞いでいる。鼓膜の無事は守られたようだ。

2019-09-05 19:03:48
ぱすかる❄ @pascal_syan

「あ、き、昨日はどうも……!」 「挨拶は結構。ボスからヨーコさんへ、言伝てを頼まれまして」 「そ、そうですかぁ……って、ヨーコに?」 「チョット、席、外スデス。先、ナワバリ、行ッテテイーヨ!」 「う、うん、わかった。終わったら合流してね~」 「イッテラッシャーイ!」

2019-09-05 19:07:41
ぱすかる❄ @pascal_syan

「……さて」 オクトーとヨーコが向き合う。 「手短に済ませる。ボスが待っているからな」 「リョーカイネ」 「最終選考突破だ」 「……ワタシデイイノ?」 「ボスの判断だ。疑うことは許さない」 「選バレテ、ウレシイネ。ソレデ……」 一呼吸置く。

2019-09-05 19:13:06
ぱすかる❄ @pascal_syan

「ワタシノ、トモダチノコト。考エテクレタ?」 「自分からは何も言えない。彼女については調査中だからな」 「……ヤッパリ、ウデマエ無イ、ダメ……?」 「さあな。ボスの判断次第だ。お前の申し入れを受け入れるためには……一度、戦ってもらわねばならないかもしれない。その覚悟があるか?」

2019-09-05 19:17:00
ぱすかる❄ @pascal_syan

「ワタシ、覚悟、アル。サキハ……」 ヨーコの迷う目線を無視して。 「どちらでもいい。日程は追って連絡する」 「……リョーカイネ」 オクトーは立ち上がり、その場を去ろうとして、 ふと、ヨーコのほうを振り返った。

2019-09-05 19:19:18
ぱすかる❄ @pascal_syan

「……前から思っていたが、その言葉遣い、何とかならないのか?」 「ゴ、ゴメンネ。方言、ナカナカ直ラナイ。ムズカシイ……」 「方言、か」 ため息をひとつ。 「いい言い訳を考えたものだ」 「アナタモ、最初、誤魔化シタ。チガウ?」 「ボスの目は誤魔化せなかったよ」 「ソーナノネエ」

2019-09-05 19:22:50
ぱすかる❄ @pascal_syan

「……しまった、時間だ。これで失礼する」 「バイバーイ」 足早に立ち去るオクトーに、ゆるゆると手を振るヨーコ。 「……サキ、ソロソロ、話スベキ、カナ……」 ぽつりと、一言を溢した。

2019-09-05 19:25:53
ぱすかる❄ @pascal_syan

「負けましたァ」 ナワバリから帰ってきたサキは、むくれていた。 「ヨシヨシ、マタ、次アルヨ」 「やっぱりヨーコがいたほうがいい~!!でも今度は敵になるかもしれないし……あわわ……それはそれで恐ろしい……!」 「ウフフ」 「ま、いっかぁ。ヨーコの言うとおり、次があるしね~」

2019-09-05 19:30:03
ぱすかる❄ @pascal_syan

「サキ、」 今だ。今のうちに、『例のこと』を言おう、そう思った矢先。 「あーーーーーっ!!!15時ーーーーーッッッッ!!!」 「!?」 「バ、バ、バイト始まってるぅ!やばーーーい!!!ご、ごめんヨーコ、シフトあるからこれで失礼ッッッ!!!」 「あ、ウ、ウン……ガンバッテ~?」

2019-09-05 19:33:24
ぱすかる❄ @pascal_syan

ドタバタと走り去るサキ。慌ただしいとはまさにこのことだろう。言いそびれてしまった後悔が、きゅっと胸を締め付ける。 でも、まだ時間はある。また今度にしよう。 ヨーコは気持ちを切り替えるため、受付ロビーへと入っていった。

2019-09-05 19:36:19