ぱすイカ二次創作⑥

ぱすかる❄ @pascal_syan

しかし、その爆弾こそが弱点。爆弾にインクを一定量当ててやると、その場で自爆して消滅するのだ。 だが、爆弾は高い高い頭上にある。射程の短いブキでは狙うのが難しい。ここは、射程も火力もあるダイナモローラーの出番だ。

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オクトーはダイナモを縦に構え、振りかぶる。重い。かなり、重い。巨大な鉄骨を抱えているようなものだ。 爆弾の位置を計算して、振りかぶろうとして…… 「ギャア！雑魚がーっ！」 サキの悲鳴。雑魚シャケが、オクトーのすぐそばまできていた。いつの間に！

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「うっ……！？」 がら空きになった本体に、シャケの攻撃。フライパンを叩きつけられ、オクトーの重心がぶれる。ダイナモを振り下ろしたが、見当違いの彷徨へ。はずした。まずい、爆弾がこちらに向かって落ちてくる……！ 「危ない！」 サキは、オクトーの首根っこを掴んで退いた。

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彼らが元いた足場に、爆弾が落ちて、炸裂した。大きな爆発音と共に、大量の敵インクが撒き散らされる。間一髪、あれを食らわずに済んだ。 バクダンが、もう一度爆弾を作ろうとしている。それをよそに、法螺貝が二回鳴り響いた。まだバクダンの処理が終わっていないのに！

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「オクトーくん、狙って！」 サキが前へ出る。自インクをばらまいて、瞬時に足場を作り直してくれた。 「……はい！」 さすが、塗り専門を名乗るだけある。手早い仕事だ。

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オクトーは再び、ダイナモを振り上げた。雑魚シャケが、そうはさせまいと言わんばかりに集まり出す！ 「らあああああーっっっ！」 オクトーを守るように、サキが立ち塞がった。スプラシューターの優秀な連射力が、次々と雑魚を蹴散らしていく。 爆弾が見えた。今度は誰も邪魔しない。当たる！

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確信した。ダイナモを勢いよく振り下ろす。豪快なインクの束が、爆弾に覆い被さり……バクダンを自爆させた。 「ナイス！うまい！」 サキが褒めちぎる。だが、戦いはまだまだ終わらない。 ２匹のバクダンが、こちらに向かってくる……！

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「なっ……」 「うっっっそでしょもう～！？」 と、口では文句タラタラだが、サキは手を止めない。オクトーの懐に雑魚シャケが潜り込まないよう、連射を続ける。 ２匹のバクダンは左右に並んでやってきた。横振りでまとめて倒してみせる！ 横振りは射程が短い。ヤツらの懐に少し潜り込む必要がある。

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オクトーはダイナモを転がし、雑魚シャケを牽き倒しながら前へ出た。そして振り上げて……タイミングを合わせて振り下ろす！ ぼん、と自爆する音が、ひとつ。もうひとつは…… 「仕損じた……！？」 かけるインクの量が、ほんのわずか足りなかった！

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急いで後方に待避しようとする。だが…… 「やばい、ヘビ来る！オクトーくんこっち！」 オクトーの背後から、新たなオオモノ「ヘビ」がやってきた！ 大量のインクシャワーを連結させた、長い胴体を持つ怪物だ。避けなければ、牽かれてやられてしまう！

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だが、そんな余裕もなく……オクトーは、あっけなくやられてしまった。 ナワバリバトルの強者でも、無抵抗でやられてしまう。それが、サーモンランの恐ろしいところだ。 「す、すみません……」 ウキワになって浮かび上がるオクトー。 「ご迷惑を……」

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「気にしない！」 サキは、オクトーのウキワにインクをかけた。救助されたオクトーは、すかさず高台へ逃げ込む。 「ありがとうござ」 「最初はみんな死ぬッッッ！大丈夫ッッッ！」 嘆いてる暇があったらシャケ倒せ。そうともとれるような声色の叫びだった。

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そう、嘆いてる暇はない。そうこうしてる間にも、どんどんオオモノが増えてきた。 「あーっ！ごめぇーんっ！」 向こう側から悲鳴。キサラギだ。 「ナイス～！」 どうやら同行していたゲンさんが助けてくれたらしい。 ヘビが、ガラガラと音を立てながら崩れていく。サキだ。いつの間に。

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「タワー、対岸！」 「対岸行く～！」 オオモノシャケ「タワー」。大中小の鍋を積み上げたその上から、ハイパープレッサーを噴射して、こちらの動きを阻害してくる。その代わり、その場から動かない。だが、放っておくと厄介な存在だ。

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対岸には極力渡るな。トキシラズいぶし工房での鉄則。だが、タワーが現れたときは別だ。 「タワーは、見かけ次第、潰す！」 サキはリフトに飛び乗り、対岸へ。タワーを倒すには、積み上げられた鍋を崩さなければならない。連射のあるブキが向かうのがセオリー。

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サキが戻ってくるまで、なんとか持ちこたえなければ。 「バクダンは私がやる！」 キサラギの狙い済ました一撃が、あっさりとバクダンを仕留める。 「うぐ……」 その横で、ゲンさんが雑魚シャケに囲まれていた。大きなサイズの雑魚シャケ「ドスコイ」も混ざっている。危険だ！

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「はあっ！」 オクトーはダイナモを振り下ろした。雑魚シャケを一掃する。そのまま塗り転がし、コンテナのまわりを綺麗に整える。味方が一番通るところだ。納品をスムーズにするためにも、必要なこと。

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「コウモリきたよ！」 対岸から戻りながら、サキが叫ぶ。大きな大きな硬い傘で身を守りながらやってきた「コウモリ」は、アメフラシ弾を発射して足場を荒らす厄介者だ。 アメフラシ弾が発射される。緑の雨雲が四人を苦しめる。だが、それがチャンス。ミサイル発射後に本体がむき出しになった！

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ダイナモの豪快な一撃が、コウモリを粉砕した。 「よしよし、あとちょっとでノルマだ！」 ゲンさんが叫ぶ。光明が差してきた。だが…… 空からミサイルの嵐。 オオモノシャケ「カタパッド」の仕業だ！

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左右に一挺ずつカタパルトを装備した、空飛ぶ兵器「カタパッド」。ミサイルを連続射出して、こちらを苦しめてくる。カタパルト部分にスプラッシュボムを投げ入れることで撃墜できるのだが、ボムを投擲するにはかなりのインクを消費する。一人で両翼をもぐのはかなり骨が折れる。

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それが、二体も。しかも、キサラギとゲンさんがミサイルでやられてしまった！今すぐ救助を…… 「ぐあっ！？」 機動力の低いダイナモでは、やろうとしてもできない。オクトーは、雑魚シャケの群れに囲まれて、袋叩きにされてしまった！ 三人ウキワ。残るはサキのみ。

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サキがやられれば、そこで終わりだ。辺り一面、雑魚シャケ、オオモノ、そして、敵インク。 「うおわああああ！！」 サキが敵インクに足をとられてしまった！彼女の背後から、シャケの群れが襲いかかる……！

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「だーーーーーーっ！！！！！」 すぽん、という音がした。 オクトーは、この音とシチュエーションに、見覚えがあった。 「まさか……」 その、まさか。 サキは、靴を脱いでいた！ 「でたでた」 ゲンさんが呆れたように笑う。 「まるでシンデレラだねえ……」

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「固まっ……てえええええ！！」 数少ない自インクの中を裸足で駆けながら、サキは叫んだ。 「坊っちゃん、コンテナのほうに！」 ゲンさんに促され、オクトーはウキワのままコンテナの近くへ這っていく。 「そのままそのまま～っ…」 雑魚シャケを捌きながら、サキがコンテナにやってきた。そして……

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サキは、帽子に挟んだ銀色のパウチを、ひとつ引き抜いた。 豪快に握りつぶす。それが、スペシャル発動のトリガーだ！ 「ら゛ァァァーッッッッ！」 渾身のスーパーチャクチが、怪物どもを一掃した。 同時に三人も救助。まさに、切り札だ！ 「「「ナイス！」」」 息の合った称賛だ。