特定郵便局を核とする改革案

郵便局のお荷物、ガンとさえ幹部たちから呼ばれていた特定郵便局。しかし特定郵便局こそ郵便局にしかない資源であり、改革の核となる財産ではないか。
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shinshinohara @ShinShinohara

郵便局による、無理な営業が問題になっている。顧客にメリットがない契約に切り換えさせたり売りつけたり。 現場で長らく勤めている人は、「辞めようと思ってる」という。「お客さんのためになるものなら私も頑張る。けれど、どう考えてもお客さんのためにならない商品を売るのはガマンできない」

2019-09-10 21:37:15
shinshinohara @ShinShinohara

長らく現場で勤める真面目な人ほど、不満・・・というより、悲鳴を上げている。お客さんのためにならない商品なんか売りたくない。なのに上からは、実現不可能なノルマを課される。そのノルマを達成できない営業マンには、ひどい罵声を浴びせる。心を病み、実際に辞めていく人も多い。

2019-09-10 21:40:43
shinshinohara @ShinShinohara

今年、報道で郵便局による無理な営業問題がクローズアップされるまでに、一つの興味深い現象が。二ヶ月に一回のハイペースで営業マンを大募集。そんなに募集してるのは東建くらい。 それだけ募集するのは、辞める人間が多いからだが、なぜ、郵便局は営業マンが定着する工夫しなかったのか。

2019-09-10 21:44:57
shinshinohara @ShinShinohara

それは、不正な営業をさせるのに好都合だったからだ。 営業成績に応じて給与を約束、年収一千万も夢ではないと営業マンを募集。そして右も左も分からない間に、顧客の都合を無視した商品を売りつけるよう指導。実態に気がつき、良心が咎めて辞めても、次の新人が顧客を騙す営業をする。

2019-09-10 21:48:56
shinshinohara @ShinShinohara

つまり、事情がよく分からないうちに、商品の正確な知識もないうちに営業に回らせ、年寄りを騙し、営業成績を上げ、良心がとがめて辞めたら、また無知な新人を雇い入れて不正に手を染めさせる、という仕組みだったわけだ。

2019-09-10 21:50:43
shinshinohara @ShinShinohara

こうした仕組みにも順応する人間がいる。郵便局だからと信じ、勧められるままに金融商品を買うお年寄りを騙しても、全く良心が痛まない人間。こうした人間は、これまでの郵便局の営業スタイルに順応し、好成績で表彰もされ、幹部に出世する。そして、自分のコピーのような営業マンを増やす。

2019-09-10 21:53:56
shinshinohara @ShinShinohara

営業マンを指導する立場のある人間は、こう言ったという。「俺の座右の銘はな、弱肉強食なんだよ」。 騙されたお年寄りを弱肉とみなし、それを食べる強者に自らをなぞらえる人間が、研修の指導者として君臨するのだから恐れ入る。

2019-09-10 21:56:41
shinshinohara @ShinShinohara

さすがの郵便局も、営業マンを使い捨てにし、地域のお年寄りを食い物にするスタイルは続けられなくなったと判断、11月入社を最後に、新たな営業マンの採用は当面見送ることに決定したようだ。だが、ほとぼりが冷めたら、また同じ営業スタイルに戻る恐れがある。問題は何も解決していないからだ。

2019-09-10 21:59:05
shinshinohara @ShinShinohara

問題とは何か。郵便局という巨大な組織を維持できる稼ぎの決定打がないからだ。簡保などの保険業務は、民業圧迫につながりかねないとして、制限がかかってる。金融で儲けようにも、低金利、というよりマイナス金利で儲けようがない。宅配便は宅急便会社との競争。唯一独占の手紙の配達は縮小傾向。

2019-09-10 22:02:06
shinshinohara @ShinShinohara

新たに営業マンを大量に雇っては、不正に商品を売りつけるというスタイル、現場に無理なノルマを課し、売上を伸ばそうというむちゃなスタイルを幹部が選択してきた背景には、「何で儲けてこの組織を維持したらよいのか分からない」という混迷がある。どうしたらよいか分からず、不正に手を染めた感じ。

2019-09-10 22:05:06
shinshinohara @ShinShinohara

ここで興味深い現象がある。特定郵便局という、昔から地域に根ざしている、土着の小さな郵便局は、不正とも言えるそうした営業を決して許さなかった、ということだ。もし、地域の中央郵便局に雇われた営業マンが営業を仕掛けたなら、烈火のごとく怒る。だから手を出せなかった。

2019-09-10 22:07:27
shinshinohara @ShinShinohara

特定郵便局は、郵便局の出世街道を歩く人たちからは、「郵便局のガン」と呼ばれているという。田舎の小さな郵便局を訪れる人の姿はまばら。売上も小さく、それでいて、郵便局本体からしっかりと給料をもらう。売上に対して赤字も多く、経営のお荷物と思われているらしい。

2019-09-10 22:10:10
shinshinohara @ShinShinohara

だが、なぜ郵便局は信頼され、今回問題になった際に「まさか郵便局が、信じてたのに」という声が上がったのはなぜか。それは、地域に根ざした特定郵便局のイメージが、郵便局全体への信頼を築いてきたからにほかならない。

2019-09-10 22:12:12
shinshinohara @ShinShinohara

つまり、お年寄りを騙すような営業が可能だったのは、特定郵便局が培ってきた信頼を食いつぶす形だったわけだ。もし特定郵便局に抱く信頼がなかったら、果たしてあんな無理な営業は可能だったろうか。無理だろう。ここしばらく、郵便局は、信頼をカネに変えてしまったということだ。

2019-09-10 22:14:21
shinshinohara @ShinShinohara

ここで、興味深いことに気がつく。郵便局のお荷物だと思われていた特定郵便局は、実は、郵便局最大の資源であり、財産ではないか、ということだ。 私自身、簡保を契約しているが、どこかというと、特定郵便局だ。うちの家族構成も頭に入れて、最適な商品を紹介してくれるので、とても信頼している。

2019-09-10 22:16:39
shinshinohara @ShinShinohara

なぜ今回の騒ぎの中でも、特定郵便局はぶれずに地域の人を守ることができたのか。それは、土着だからだ。昔からその地域に住み、地域の名士としての誇りを持ち、これからも地域に住み続ける覚悟を持った人が特定郵便局を営んでいるからだ。郵便局の信頼を形成してるのは、その土着性だ。

2019-09-10 22:19:10
shinshinohara @ShinShinohara

ずっとその地域で生きていく人達だと分かっているからこそ、騙すことはないだろうと、地域の人も信じている。特定郵便局の職員も、自分自身が住民であり続けるのだから、地域の人にデメリットになることはできない。裏切れば住めなくなる。そんなリスクはとれない。それが信頼となっている。

2019-09-10 22:21:24
shinshinohara @ShinShinohara

サラリーマンだらけの中央郵便局がどれだけ言おうと、ノルマを無視し、営業マンが勝手に地域の人達に営業を仕掛け、騙そうとするのに烈火のごとく怒るという、地域本位の行動がとれたのは、土着だからだ。 こんな土着性に基づく信頼を築けている企業は、郵便局以外に思い当たらない。

2019-09-10 22:23:46
shinshinohara @ShinShinohara

ならば郵便局再生のカギは、実は、特定郵便局にこそあるのではないだろうか。これまで、郵便局の重荷と考えられていた、売上への不熱心さは、地域の信頼を何より大切に思う姿勢から生まれている。この素晴らしい姿勢を、問題視するのではなく、最大限にこの資源を伸ばす工夫をしてはどうか。

2019-09-10 22:26:15
shinshinohara @ShinShinohara

コンビニさえない田舎にさえ、郵便局はある。そうした限界集落は、ガソリンスタンドもタクシーもなくなり、買い物する店もない、という、人が住む機能を損ないつつあるところも多い。そうした地域を再生する核に、特定郵便局を据えたらどうか。

2019-09-10 22:28:29
shinshinohara @ShinShinohara

民業圧迫にならないよう、民間のコンビニがない地域に限り、特定郵便局内にコンビニを作り、地域の人が買い物できるようにする。ガソリンスタンドが地域になくなったら、特定郵便局が小さなガソリンスタンドを併設する。タクシーがなくなったら、シェアライドのコーディネートをする。

2019-09-10 22:30:40
shinshinohara @ShinShinohara

行政の出張所の維持費が大変なら、特定郵便局が、行政手続きの機能を肩代わりする。地域の空き家情報を把握し、民泊とうまく組み合わせて外国人旅行者を招き入れ、観光の核となる。 特定郵便局への信頼を核として、その信頼をますます高める方向に改革を進めてはどうか。

2019-09-10 22:33:38
shinshinohara @ShinShinohara

もともと特定郵便局は、明治時代に郵便事業をたちあげる際、かつての庄屋や名主といった地域の名士に業務を引き受けてもらうことでスタートしている。だから、特定郵便局は、土着てあり、地域の名士としての誇りを持ち、地域を決して裏切れない立場にある。

2019-09-10 22:36:05
shinshinohara @ShinShinohara

こんな、こんな貴重な資源は、他にない。全国津々浦々に24000軒も配置し、堅実な業務を続け、地域の人たちから絶大な信頼を集めてる業態、いったいどこにあるというのだろう。ない。全然ない。こんな素晴らしい宝、無理な営業を強いられても拒否し、地域を守ってきた特定郵便局は、とても大切。

2019-09-10 22:39:52
shinshinohara @ShinShinohara

他のいかなる経営体も持っていないこの資源を、生かしまくる改革を、郵便局は進めてはいかがか。たとえば、孫にプレゼントを買ってやりたいお年寄りがいたら、代わりにアマゾンで注文し、荷物を取り置きするステーションとなる、というサービスでも構わない。どこにでもある、という利を生かせばよい。

2019-09-10 22:42:16