津川友介先生による医学論文のtips

2019-09-15
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津川 友介 @TsugawaYusuke

英語の論文を書くときにおすすめしたいのは、まずは論文全体の構造を決めることです。英語でも日本語でもよいので、その段落に書く内容を決めて、ロジックが一貫していることを確認してから書き始める方が良いと思います。日本人の英文の問題は英語力の問題よりも、ロジックの問題の方が多い気がします

2019-09-15 17:14:55
津川 友介 @TsugawaYusuke

論文をMethods & Resultsから書くように指導する人もいますが、私はAbstract(&図表)から先に書くように指導しています。Abstractは論文の「骨格」もしくは「コンパス」みたいなものですので、Abstractを何度も書き直してロジックがしっかり確立するまでは、論文の他の部分には手を付けません。

2019-09-15 17:34:29
津川 友介 @TsugawaYusuke

Introductionは過小評価されている箇所と思います。基本的には、①なぜその研究をすることが重要なのか?と②Knowledge gapはどこにあるのか(そのトピックに関して何がわかっていて、何が分かっていないのか)?を簡潔にまとめます。先行研究をダラダラ説明せずに、まとめる力が要求されます。

2019-09-15 17:38:13
津川 友介 @TsugawaYusuke

Methods & Resultsもまずは章立てを書いてそれに合わせて説明します。Methodsで説明した順番で、Resultsで結果を報告します。これらは1対1対応するはずで、どちらかに記載した内容はもう片方でも説明しましょう。

2019-09-15 17:40:06
津川 友介 @TsugawaYusuke

Discussionは唯一結果の解釈を説明する箇所です。第1段落で結果をまとめて、第2(もしくは2&3)段落でメカニズム(仮説)や何が言えるのか説明。第4段落で先行研究との対比。第5段落で限界点。最後の段落でもう一度まとめて、その結果が社会や科学分野にどのような影響を与えるのか説明します。

2019-09-15 17:43:27
津川 友介 @TsugawaYusuke

ちなみに英語の文章では段落の第1文が、Topic sentenceと呼ばれる重要な文章です。まず各段落の第1文だけ書いてみると、その段落に何を書くべきか自ずと見えてくると思います。

2019-09-15 17:48:04
津川 友介 @TsugawaYusuke

上記は一般的な「医学論文」を想定しています。他の領域の論文であれば違うスタイルが一般的ということもあると思います。

2019-09-15 17:44:31