イギリスの大手新聞、The GuardianのAndy Bull記者が書いた昨日のスコットランド戦の記事の日本語訳

読む価値あるTweetだったのでまとめてみた。
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Taiga INAMI @ynwataiga

イギリスの大手新聞、The GuardianのAndy Bull記者が書いた。昨日のスコットランド戦の記事が本当に美しく、詩的で、裏方さんなどにも光の当たった素晴らしい記事だったので、皆さんに読んで欲しくてほぼ全訳しました。僕の拙い翻訳で申し訳ないですが、お時間あればご一読を。 #JPNvSCO #RWC2019

2019-10-14 09:38:25
Taiga INAMI @ynwataiga

Photographer. 未だ見ぬものがあるだろうと出かけた先で何ものにもとらわれない眼でものを見ること。Speaking to the tourist and purist simultaneously.

https://t.co/rCM51GqX5J

Taiga INAMI @ynwataiga

❶黙祷は、1分にも満たない、短いものだった。しかしそこには、過去に例を見ない状況で開催される、この試合に対する、相反する感情の渦巻き、衝突が含まれていた。台風がつい数時間前に過ぎ去り、スタジアムの周りは洪水であふれ、救出作業も終わっていなければ、修復作業など始まってすらいない。

2019-10-14 09:38:25
Taiga INAMI @ynwataiga

❷その黙祷が、一体誰に向かって、何人の犠牲者へ捧げられたのかは、誰も知る由はなかった。被害者の数は、未だに確定していなかったのだから。明け方は4名とされていた死傷者数は9名へ、試合開始時には24名に、ハーフタイムに26名、試合が終わり少し経つ頃には28名へと増えていった。

2019-10-14 09:38:26
Taiga INAMI @ynwataiga

❸そんな状況で、彼らは試合を開催するべきだったか。あなたは疑問に思っただろう。ラグビー協会はそのことを日曜早朝に話し合い、日本人の組織委員に判断を委ねることを決定した。なぜこんな状況でスポーツをするのか。なぜスポーツを見るのか。

2019-10-14 09:38:26
Taiga INAMI @ynwataiga

❹未だに多くの人が行方不明で、堤防は壊れ、川は溢れ、会場の横浜から東へ16マイルしか離れていない川崎では100万人が避難し、30マイル北に位置する相模原では、土砂災害でなくなった人の、正確な数さえ把握できていない状況で。

2019-10-14 09:38:26
Taiga INAMI @ynwataiga

❺災害への一種の清涼剤としてかも、もしかすると、日常を取り戻すためかも、台風に対する挑戦かもしれない。いや、それ以上、「私たちは今生きていて、少なくとも今ここにあるものは楽しむことを決意した」と言う極めて重要な意思表示の1つとしてかもしれない。彼らは試合の開催を決めた。

2019-10-14 09:38:26
Taiga INAMI @ynwataiga

❻ホスト国としてのプライドもあっただろうが、会議に出席した委員会幹部は、「世界に向けて、自分たちはできると言うことを証明したい」というのが、開催を決定した最たる理由だと、繰り返し主張した。

2019-10-14 09:38:27
Taiga INAMI @ynwataiga

❼この会場の被害が甚大でなかった理由の一つは、鶴見川から溢れ出す水を、建物の下へと流す貯水設備の上にスタジアムが建っているからだった。スタジアム自体が街の災害対策設備の支柱なのだ。そしてこの試合で、日産スタジアムは、街の『精神的』支柱にもなった。

2019-10-14 09:38:27
Taiga INAMI @ynwataiga

❽組織委員たちは、台風が去ったら一刻も早く動き出せるよう、土曜の夜はスタジアムに泊まり込んだ。明け方には整備班が現地入りし更衣室から水を吸い出し、消防隊は全ての機械設備の点検を3度行い、ピッチに流れ込んだ泥やゴミをホースで一掃した。

2019-10-14 09:38:27
Taiga INAMI @ynwataiga

❾同時に、組織委員会は政府や地方自治体と協力し、水道局、道路局、バス会社や鉄道会社などの各種交通機関と連絡を取り、複雑な課題を解決していった。

2019-10-14 09:38:27
Taiga INAMI @ynwataiga

10 日本では、このワールドカップにおける『おもてなし』とは何か、と言う議論が活発になされてきた。私も正確に翻訳することはできないが、この国で4週間を過ごして、漠然とだが理解したかもしれない。それは、客人を喜ばせるために全力を、いや、何かそれ以上を尽くすということだ。

2019-10-14 09:38:28
Taiga INAMI @ynwataiga

11 しかし、彼らの『おもてなし』は、私たちの予想をはるかに上回っていた。試合前、多くの人が全くの勘違いをしていたのは、そのせいかもしれない。

2019-10-14 09:38:28
Taiga INAMI @ynwataiga

12 「日本人はみんな、この試合が中止になり、過去に勝利したことのないスコットランドとポイントを分け合うことを望んでいる」という勘違いを。中には、「日本は故意にスコットランドの妨害をしている」と言う、壮大な陰謀論を唱える者までいた。

2019-10-14 09:38:28
Taiga INAMI @ynwataiga

13 スコットランドラグビー協会の最高責任者、マーク・ドッドソンも、完全な勘違いをしていた。怒りに任せて、『巻き添え被害』(ポイントを分け合うこと)に合えば法的措置を検討しているなどと口を滑らせた。これは、日本人たちがどう覚悟を決めたかのプロセスに対する、恥ずべきミスリーディングだ。

2019-10-14 09:38:29
Taiga INAMI @ynwataiga

14 黙祷に続いて、日本の国歌、君が代が流れた。日本人はこの国歌に複雑な思いを抱いており、歌わない人もいる。そのため大会中、ファンたちに国歌斉唱を促すキャンペーンが開かれている。この日、会場の多くの人が参加した国歌斉唱は、感動的で、荘厳だった。

2019-10-14 09:38:29
Taiga INAMI @ynwataiga

15 選手を鼓舞する歌声が、大きく大きく、街中に響き渡るほど広がっていった。あの瞬間、あなたは思い知っただろう、スコットランドが対面しているのは、ラグビー文化を持たない極東の島国ではなく、強大なサポーターを持つ、己の真価を世界に証明しようと言う覚悟の決まったチームだということを。

2019-10-14 09:38:29
Taiga INAMI @ynwataiga

16 前半の30分間、日本は魔法のような、激しく、獰猛で、集中したラグビーを見せた。次に対戦する南アフリカも含め、トーナメントに残った、全てのチームを凌駕するほどの。スコットランドも善戦したが、より頑強で、より鋭く、より俊敏であった日本に、完全に圧倒された。

2019-10-14 09:38:29
Taiga INAMI @ynwataiga

17 日本のラグビーファンたちは、今なら何だってできる、どこが相手だって倒せると信じているだろう。そして、日曜日の夜に彼らが偉業を成し遂げた今、日本人だけではなく世界中の誰しもが、同じように思っている。 終

2019-10-14 09:38:30
Taiga INAMI @ynwataiga

元記事こちらです。翻訳家ではないので誤訳あると思いますがそれはすみません。所々意訳もあるのでよろしくお願いします。theguardian.com/sport/blog/201…

2019-10-14 09:38:30
リンク the Guardian Japan show world their defiance and skill in face of typhoon destruction | Andy Bull Brave Blossoms proved their ability in the most difficult circumstances with a ferocious performance against Scotland 12188

追記
元の記事書かれたThe Guardianの記者 Andy Bullさんから反応がありました。

Andy Bull @AndyBullatGNM

So, with help from @shockingcooking: 私の記事を翻訳していただきありがとうございます@ynwataiga そして共有して読んでくださった日本の皆さんに感謝しています。昨日の試合は、とても特別な試合であり、私はあの試合について、記事にすることができ非常に幸運でした。準々決勝も楽しみにしています

2019-10-14 17:51:38

皆さんの反応

高杉空夜 @taka_solo

翻訳して頂きありがとうございます。とても良い記事でした。読めて良かった。 twitter.com/ynwataiga/stat…

2019-10-14 15:07:09
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