【R18】絶倫ペアの情交模様・ＥＰ２６・プライベートリゾートにて

夢乃 @iamdreamers

日傘を差した紫藤さんが楽しそうに言う。稚架子さんが素直に驚いてくれることが嬉しいようだ。他の十人はみんな、一度か二度、来たことがあるから、稚架子さんのようには驚かない。それでも、滅多に見ることのない豪華なクルーザーを眩しそうに眺めている。 #twnovels

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「ようこそ、おいでくださいました。ここからは私たちが島までご案内します」 紫のラインの入ったクルーザーの前で、白いパンツに白いセーラー服の、船員姿をした二人の女性が、並んで頭を下げる。 「今日はよろしく」 紫藤さんが二人に優しく言う。 #twnovels

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「よろしくお願いします」 あたしたちも口々に挨拶する。それにしても紫藤さん、貫禄あるよね。偉そうには見えないのだけれど。二人の船員さん、明らかにあたしたちより歳上なのに、紫藤さんはその“主人”として完璧に対応しているもの。バスの運転手さんにもそうだったし。 #twnovels

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二泊なのでそれほど大袈裟な荷物もないのだけれど、運んでくれると言う彼女たちに甘えて、あたしたちは港を見学した。それほど珍しいものがあるわけではないけれど、港なんて滅多に来ない場所だから、日常生活とは違うと言うかなんと言うか。 #twnovels

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「ここ、他の人が少ないけれど、この港も紫藤さんの家の持ち物なの？」 初めて来る稚架子さんは紫藤さんに聞いている。 「港自体は違いますよ。この一角の使用権をお借りしているだけなので」 「でも専用なのね。あそこの船」 稚架子さんは上げた腕を振って並んだクルーザーを示した。 #twnovels

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「『紫藤家のは一艘だけ』って言っていたけれど、ここ、何世帯かで共同で使っているの？」 「まあ、そうですが、使っているのは、紫藤家と、連なる一族です」 「一族か。紫藤さんの家って、本当に凄いのね」 「ごく普通の家ですよ」 #twnovels

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和かな笑顔で紫藤さんは答えるけれど、いやいや、サロンバスやクルーザーを持っていたり、港の一部を占有していたりって、全然普通じゃないから。なんだか、護衛が張り付いていないのが不思議になってしまう。大学で会う時は、少し上品なだけで、ごく普通の女子大生なのだけれど。 #twnovels

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あたしたちが港を見て回っている間にクルーザーへの荷物の搬入も終わり、一行は海の上の人になった。豪華でありながら、あまりそれを感じさせないクルーザーは、港まで乗って来たサロンバスと似たような趣味をしている。どちらも紫藤さん家の持ち物なのだから、当然かな。 #twnovels

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船室に用意されている飲み物で喉を潤したあたしは、甲板に上がった。クルーザーは素晴らしい速度で海上を矢のように進んでいる。潮風が気持ち良い。ポニーテールにした長い髪をなびかせながら、あたしは舷側から船首へと歩いて行った。 #twnovels

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船首に近い手摺から身を乗り出すようにして海を覗いている女の子が二人。船室にいなかった亜都出さんと佐海手さんだ。二人とも『くるみ』と同じ名前だから、みんなからは苗字で呼ばれている。けれど、『あといで』と『さかいで』で、苗字も似ているのよね。 #twnovels

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「くるみちゃんたち、何してるの？」 二人まとめて呼ぶと、揃って振り返った。名前は良く似た二人だけれど、見た目はまったく似ていない。亜都出さんはあたしと同じくらいの白い肌に、ショートボブの黒い髪。豊かな胸に大きなお尻、最近気になっているらしいお腹の脂肪。 #twnovels

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佐海手さんは、肩までのポニーテールにしたロングの髪と、程よく狐色に焼けた肌の持ち主。くっきりした目鼻立ちで、頭の天辺から足の先まで、無駄な肉はまったくない。無さ過ぎて胸の寂しいことが悩みの種、らしい。 「華純ちゃんか。波を見てたんだよ」 #twnovels

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佐海手さんが答えた。 「波？」 「ええ。舳先が海を割ってできる波」 今度は亜都出さん。 「ああ、面白いよね」 あたしも手摺につかまり、身を乗り出して下を見た。舳先が掻き分けた海の水が飛沫となって飛び上がり、再び海へと還ってゆく。 #twnovels

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舳先の形で水の抵抗も変わるから、先人たちはその形状から船自体の形まで、ずっと研究を重ねてきた。水を速やかに掻き分け、それを受け流し、速度を上げるため。これをモーターの回転にも応用できないかな。モーターも空気という流体の中で軸を回しているわけだから・・・ #twnovels

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「華純ちゃん、どしたの？　波に見惚れちゃって」 佐海手さんに声をかけられた。 「あ、つい。いや〜、この水の抵抗をものともしない船の構造、別のことにも使えないかな、って考えちゃって」 「ああ、工学脳だねぇ」 「わかるわかる、ワタシもつい、考えちゃうし」 #twnovels

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「複雑な機械があると、つい動きを追ったり仕組みを考えたりするもんね」 女の子三人集まって、こういう会話になるのは、工学部ならでは、なのかしら。それとも、他の学部でも専門的な話題は盛り上がるのかな。あたしたちだって、こういう話題ばかりじゃないし。 #twnovels

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なんて思っていると、早速別の話題が。 「それにしても、華純ちゃんて絵になるよね」 「ほえ？」 「そうよね。そうやって手摺に掴まって立っているだけで、長い髪が風になびいて絵画みたい」 「手足も細くて長いし、無駄なお肉もないし、そのくせ胸とお尻は大きいし」 #twnovels

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「学部の男共、なんでこんな美女を放っておくかね」 「そうだよねぇ。あ、だけど、最近、六月くらい？、相手できた？」 亜都出さんの質問に、必要もないのにどきっとする。 「え？　そうなの？」 佐海手さんは疑問顔。 「なんでそう思ったの？」 答える前に、質問を返した。 #twnovels

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「なんだかね、最近の華純ちゃん、服装が変わった気がして。今日だって、ほら」 今日のあたしは、白いノースリーブのブラウスに、同じく白のミニスカート。ブラウスの襟から前たてまで、レースで縁取られている。 「一昨年は、Ｔシャツにコットンパンツだったじゃない」 #twnovels

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「そう言われると、大学でもそんなミニのスカート穿いてるとこ、見たことないね」 じっとあたしを見つめる二組の双眸。ええい、さっさと白旗あげちゃお。別に隠してないし。 「実は、そう。えーっと、五月の中旬、下旬かな、彼氏ができたんだ」 #twnovels

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それを聞いた二人はやたらとはしゃぐ。 「やっぱりっ　そうだと思ったっ」 「なんで秘密にしてたのっ」 「そう言われても、聞かれなかったから、としか。秘密ってわけじゃないよ。紫藤さんとか紗世理とか、他にも何人か知ってる人がいるし」 #twnovels

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「そうかぁ。で、どこの人？　ワタシたちの知ってる人？　工学部？　別の学部？　あ、大学の人とは限らないか」 矢継ぎ早に質問を投げかけてくる亜都出さん。そんなに他人の彼氏が気になるかね。 「二人とも知らないよ。高校生だし」 #twnovels

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「高校生？　華純ちゃんて歳下趣味だったの？」 「そう言うわけじゃないけど、ま、その話は今度ね。今は折角広い海上にいるんだから、それを楽しもうよ。あたし、後ろの方も行ってくるね」 あたしは二人に手を振って、逃げるように船首を離れた。 #twnovels

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大きいとは言っても広くはない船の上、二人がその気になればあたしを捕まえることは容易いだろう。けれど、二人は追っては来なかった。あとで追及するつもりかもしれないけれど、今のところはその気はないらしい。どことは無しに、ほっとしているあたしに自分で気付く。 #twnovels