バンコマイシンを学生時代学んだときは、 「ふーん、MRSAの薬なんだ、投与速度早いとred neckが怖いのね」 くらいの印象でしたが、実臨床で使うときは、腎機能障害が恐ろしすぎて、red neckの印象が薄れてしまいましたね
2019-10-26 22:28:15バンコマイシンはグリコペプチド系の抗生剤でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に使われます。ちなみに、MRSAはしばしば色々な耐性菌に対して使うことがある用語なので注意が必要です。
2019-10-26 22:30:33濃度依存的な抗生剤なので、一定以上の血中濃度を保つことが薬効を発揮させる鍵となります。血中濃度のトラフ値(投与前の一番低い時の値)が10〜20μg/mLをめざすようガイドラインで定められていますが、これを超えてしまうとすぐに腎機能障害を起こしてしまいます。
2019-10-26 22:34:20腎機能障害と言ってもピンとこないと思うので、簡単に言うと、下手すると腎臓が壊れて透析しないと生きていけなくなる状態になってしまうリスクがある薬剤です。 なので我々薬剤師はバンコマイシンの投与には非常に気を遣います。
2019-10-26 22:35:49添付文書では1日最高4gまでとされていますが、当院では3g以上は恐ろしくて使用を推奨することはありません。 もちろん諸説あるでしょうが…
2019-10-26 22:37:10バンコマイシンとリネゾリドは髄液への移行性が高く、感染の場所によってはそれを使わざるを得ないケースがありますが、そうでないのならば人によっては安全策をとってテイコプラニンを勧めることが多いですね。こちらはバンコマイシンよりも血中濃度の管理がピーキーではないのです。
2019-10-26 22:39:46また若くて腎臓が良すぎる人には、バンコマイシンをたくさん投与しても、なかなか血中濃度が上がらない場合があります。そんなときは半減期の長いテイコプラニンや、濃度依存型の抗MRSA薬、ダプトマイシンを選択することもあります。
2019-10-26 22:41:51