すいこばなし【北方謙三水滸伝・楊令伝小噺集】11/8-16

【すいこばなし 注意書き】 ・北方謙三先生の水滸伝,楊令伝の何でもありな二次創作です。 ・水滸伝の原典ネタは日常茶飯事、スマホにPCなど電子機器も飛び交うし、あの人が梁山泊で元気に生きていたりする、異世界からお届けします。 ・原作未読の方でも楽しめるように、ネタバレを極力避けていますが、薄々感づいてしまう個所が垣間見えますので、その点はご注意ください。 ・楊令伝8巻程度まで守備範囲を広げました!出てくる好漢は、すなわち水滸伝を生き残った者ということですので、未読の方はその点ご留意いただいた上でお読みください。 続きを読む
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すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進「班光」 班光「はい」 史「お前は、命と尻のどちらが先だと思う?」 班「…命ですね」 史「なぜそう思う?」 班「だって、史進殿がしたたかに放たれた精が受精して、命になるではありませんか」 史「!」 班「したがって私は、尻よりも先に命が宿ると考えました」 史「…」 鄭応(乗るなよ、班光)

2019-11-14 23:55:10
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史「そう考えるとすごいな、班光」 班「何がですか?」 史「この地に宿った命の数だけ、尻があるのだからな」 班「確かに…」 鄭(だから乗るなよ、班光) 史「俺たちが友とする馬。空を飛ぶ鳥や、秋の夜に鳴く虫にも、尻があるのだからな」 班「なんだか、尻が豊かなものに思えてきました」 鄭(いかん)

2019-11-14 23:55:10
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史「俺たち人間のみならず、命に優劣はない」 班「おっしゃる通りです」 史「ならば、尻にも優劣はないということにならんか、班光?」 班「おっしゃる通りです!」 鄭(さらば、班光) 史「なんだか、生きとし生ける全ての尻に感謝を捧げたくなった」 班「そうですね!」 史「脱げ。班こ」 班「嫌です」

2019-11-14 23:55:11
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進…ここまで話についてきて、なぜ寝返るのだ! 班光…それとこれとは話が別です! 鄭応…分からねえな…さっぱり。

2019-11-14 23:55:21
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

晁蓋「秋の夜長の隠し芸大会を行う」 宋江「…」 呉用「一番、遊撃隊将校による…」 宋「恣意的にもほどがないか?」 呉「北風と太陽」 穆春「やい、太陽」 陳達「なんだ。北風」 穆「俺とお前のどちらが強いか勝負をしないか?」 陳「ならば、あの旅人の着物を脱がせた方が勝ちだ」 史進「…」

2019-11-15 07:54:15
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

穆「その勝負にはのらん」 陳「臆したか、北風」 穆「お前の熱さで、あの旅人は間違いなく着物を脱ぐ」 陳「ならばお前は、着物を吹き飛ばせば良いではないか」 穆「ならそういうお前は、旅人に着物を着せる事ができるのか?」 陳「それは」 穆「するならば、もっと公正な勝負を選べ、太陽」 陳「…」

2019-11-15 07:54:16
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進「!」 陳「!?」 穆「なぜ脱いだ、旅人」 史「…」 陳「我らの勝負に水を差すとは許せぬ」 穆「懲らしめてやろう」 李雲「何を揉めている、太陽、北風」 晁蓋(新キャラが) 穆「おう、雲ではないか」 陳「雲も力を貸してくれ」 穆「あの旅人を懲らしめるのだ」 李「任せろ」 史「…」

2019-11-15 07:54:16
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進…第二部に続く。 陳達…太陽。ノリで決まった。 穆春…北風。言動が寒いから。 李雲…雲。キャストの増員に伴い出演。 晁蓋…何が始まるのだ… 宋江…施恩がいない… 呉用…確かに、太陽だけが有利な戦いはおかしいですね。

2019-11-15 07:54:20
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

施恩「…」 宋江(施恩が) 李雲「!」 史「…」 施「雨ニモ負ケズ」 穆春「!」 史「…」 施「風ニモ負ケズ」 李「!」 陳達「!」 史「…」 施「雪ニモ夏ノ暑さニモ負ケヌ」 史「…」 施「丈夫ナ体ヲ持チ」 呉用(ほどがある…) 晁(凄いセットだ) 施「欲ハ無ク決シテ怒ラズイツモ静カニ笑ッテイル」

2019-11-15 18:04:05
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史「!」 施「一日ニ麦四合ト饅頭ト多クノ肉ヲタベ」 晁(これでこそ史進) 史「…」 施「ジブンヲカンジョウニ入レズニヨクミキキシワカリソシテワスレズ」 呉(施恩の朗読はさすがだな) 史「…」 施「野原ノ松ノ林ノ蔭ノ小サナ萱ブキノ小屋ニイテ」 鮑旭(…) 武松(子午山が見える…)

2019-11-15 18:04:06
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史「!」 晁(客席に) 施「東ニ病気ノチシグンアレバ行ッテ看病シテヤリ」 史「…」 楊雄「…」 施「西ニツカレタ母アレバ行ッテソノキノコノ籠ヲ負ヒ」 史「…」 馬麟「…」

2019-11-15 18:04:06
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施「南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテ」 史「コハガラナクテモイヽ」 施「トイヒ」 金大堅「…」 施「北ニケンクヮヤソショウガアレバ」 史「ツマラナイカラヤメロ」 施「トイヒ」 林冲「…」 公孫勝「…」

2019-11-15 18:04:06
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

陳「!」 史「…」 施「ヒドリノトキハナミダヲナガシ」 穆「!」 史「…」 施「サムサノナツハオロオロアルキ」 史「!」 施「ミンナニ」 陳・穆・李「スッパダカ」 施「トヨバレ」

2019-11-15 18:04:07
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史「…」 施「ホメラレモセズ」 宋(誰もほめん) 施「クニモサレズ」 晁(いい加減尻がクドイ) 史「サウイフモノニオレハナリタイ」

2019-11-15 18:04:07
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

史進…子午山の麓の童歌が元ネタ。 陳達…この設備投資は大変だったぞ。 穆春…俺も寒かった。 李雲…味のある歌だな。 施恩…一行一行噛みしめながら読んでた。 晁蓋…史進の生き様だな。 宋江…今回裸になる必要性は感じられなかった。 呉用…また新しい方向性を打ち出しましたな。

2019-11-15 18:06:13
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

鮑旭…子午山の唄をこう使うとは… 武松…酒が進んだ。 楊雄…上手く使われた気がした。 馬麟…なぜ知っている、史進。 金大堅…まだまだ現役だ! 林冲…お前のことだな、ウスノロ。 公孫勝…おまえのことだ、馬鹿。

2019-11-15 18:06:13
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

楊志「…」 楊令「♪」 白嵐「!!」 済仁美「…旦那様?」 志「愉しそうだな」 済「一人と一匹ではなく、二人、ですね」 志「二人か」 令「♪」 白「!!」 志「私はずっと一人だった」 済「…私も」 志「こんな幸せは、本当にあるのだな」 済「…旦那様」 志「仁美?」 済「怖く、ないですか?」

2019-11-16 09:18:10
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

志「なにがだ?」 済「…幸せが」 志「幸せが、怖い?」 済「いつか恐ろしいことが起こるから、ほんの少しの間だけ、こんな幸せが許されるのだ、と思ってしまう自分がいるのです」 志「…」 済「だから私は、幸せが、怖い」 志「幸せが溢れてしまうのだな、仁美は」 済「どうすれば良いのでしょうか」

2019-11-16 09:18:11
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

志「幸せは目に見えんからな」 済「…そうですね」 志「しかし、仁美には令と白嵐がいて」 済「…」 志「私がいるだろう?」 済「…はい」 志「私も初めは戸惑っていた」 済「…」 志「だが、仁美が私を包んでくれた」 済「旦那様…」 志「ならば次は、私が仁美を包む番かな?」 済「…お願いします」

2019-11-16 09:18:11
すいこばなし(北方水滸伝・楊令伝小噺集) @suikobanashi108

楊志…もう、大丈夫だからな。 済仁美…もう少しだけ、包んでください。 楊令…今日は母上が父上に甘える日だぞ、白嵐。 白嵐…そんな日もあるのだ、楊令。

2019-11-16 09:18:17