2019年11月10日

押井守監督が語る「つげ義春」作品の魅力と本質

2019年11月8日(金)に開催された『「つげ義春大全」刊行決定 記念トークライブ』(東京シティビュー「つげプロジェクトVOL.1 『ねじ式』展」関連イベント)のまとめ。 日程:2019年11月8日(金) 19:00~20:30(開場:18:30) 会場:アカデミーヒルズ (東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階) 主催:つげプロジェクト委員会 続きを読む
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最中義裕 @monakayoshihiro

#つげプロ 2019年11月6日「つげ義春大全」刊行決定記念トークライブレポート(六本木ヒルズ森タワー) 登壇者:押井守(映画監督)、石川浩司(ミュージシャン/著述家) 司会:岩本薫(ひなびた温泉研究所ショチョー) (断片的なメモと記憶に頼っての書起こし故、内容の誤りや事実誤認の可能性あり) pic.twitter.com/UAgZZ938BB

2019-11-09 20:59:31
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最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:まずは、つげ作品との出会からお聞かせください 押井:僕は、高校生の頃「ガロ」からですね。僕にとってつげさんは「ガロの人」です つげ作品は「あの時代」抜きには語れない、「あの時代」だから成立した作品と言えるかもしれない #つげプロ pic.twitter.com/S1iGCarc8l

2019-11-09 21:02:01
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:妙に間延びした部分と、切迫した部分の同居、芸術的かと言うと必ずしもそうでもなく、逃避した気分。 白土三平作品とは違い、何を描いているのかがストレートには分からない。 僕自身、あの頃は学生運動をやっていて、半分はデモで政治参加、残り半分は現実逃避と言う生活でした #つげプロ

2019-11-09 21:03:07
最中義裕 @monakayoshihiro

押井:自分の中での置き場所が変わらない、もう40年以上経っているのに。作品論より作家の人、これは凄いことです。自分の中の定位置にある何かですね 岩本:押井さんにとっては、やはりガロ時代の作品? 押井:貸本時代はまだ、売れてる作家の模倣なんです。それがガロから変わってくる #つげプロ

2019-11-09 21:07:27
最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:石川さんは? 石川:中高生の頃、古本屋で出会いました。当時群馬に居てメジャー作家しか目に出来なかったんですが、偶然見つけて、これは自分にフィットすると思いました 岩本:どの辺りが? 石川:所謂アングラで親が見せてくれないものでしたから。大人達が子供に見せない陰の世界 #つげプロ pic.twitter.com/oRSrFfgkOr

2019-11-09 21:12:46
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最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:石川さんのランニング姿は山下清だと言われてますが、実は「紅い花」のマサジ少年だとか 石川:どっちも違います。演奏中に暑くなり結局裸になるんでこうしただけで、長髪から丸刈りにしたら山下清と言われるようになりました 岩本:じゃあ「紅い花」情報はガセですか 石川:ガセです #つげプロ pic.twitter.com/vtVffwarqa

2019-11-09 21:19:33
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最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:つげ作品の名脇役と言えば誰? 押井:これはもう、おかっぱ頭の女の子ですね。そもそもつげ作品は、主役が立たない 石川:基本的に主人公は、パッとしない男 押井:主人公は作者本人なんでしょう、だから「物語」とは違うんです。主人公はあくまでも案内役で、作品は「紀行」なんです #つげプロ pic.twitter.com/n67f12BYgp

2019-11-09 21:24:54
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:「紅い花」「もっきり屋の少女」「沼」あちこちに同じタイプの女の子が出てきて、これは他のキャラとは違う、つげ作品の中でも特別な存在じゃないかと。 実は、特異な存在が「少女の形」と言うのは、アニメ・映画等創作の伝統でもあるんですよね。 #つげプロ pic.twitter.com/RpjG3LBoKW

2019-11-09 21:29:09
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:「もっきり屋の少女」が成長したのが「長八の宿」のマリちゃんだなんて説もありますが、立ち位置が同じなんです。格好よく言えばアニマですね。 #つげプロ pic.twitter.com/nAGSkjt14D

2019-11-09 21:31:24
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:男が描くものは女性に対し公平ではないと思います。石森さんは途中まで全部、女性はお姉さんだったし、漫画家でもアニメーターでも、男の顔は色々描けるのに、女の子は3種類位しか描けないんですね 岩本:つげ作品の女性も極端に分かれてる感じがします。おかっぱ少女と肉感的な女性と #つげプロ

2019-11-09 21:35:15
最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:私のつげ初体験は小五で、ねじ式やゲンセンカン主人を読み「ヤバさ」を感じました 石川:作り物じゃないリアルさ 押井:芸術的なヌードとは違う、日常性がある生のエロス。 おかっぱ少女は、人間じゃない理想化された何かかもしれない。一方ちょっと太めの女性には生々しいエロスが #つげプロ pic.twitter.com/dkuW01gO2i

2019-11-09 21:41:44
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最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:押井さんにとって脇役作りとは? 押井:人間に対する興味がストレートに出ます。主役は類型的で良いから正直つまらない。善良な主人公なんてドラマチックの可能性ゼロですよ 石川:主役は替えが効く、普通の役者で良いし 押井:主役よりダーティな役がやりたいと言う役者も多いです #つげプロ

2019-11-09 21:49:45
最中義裕 @monakayoshihiro

押井:つげ作品はサイコパス的な非日常脇役がいなくて、日常にひょっこり、ちょっと変わった人が出て来る 石川:そう「あるある」みたいな感じの人が 岩本:押井さんは「チーコ」の女性が好きだとか 押井:例外的に気に入りました。おかっぱでもなく、肉感的でもなく、珍しいキャラですね #つげプロ pic.twitter.com/JnxWALrbSm

2019-11-09 21:54:57
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最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:(肉感的なキャラが好きな)石川さんは興味ないですよね? 石川:いや、実際に付き合うのならこういう人が良いんですけれど(笑) 押井:「もやしとソーセージ入っているからね」「いためるのよ」これが忘れ難い台詞です (この後暫く、貧乏食としてのもやし&魚肉ソーセージ談議に) #つげプロ

2019-11-09 21:56:54
最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:つげ作品は「さえない中年」が主人公という点で前代未聞だという見方も 押井:ただ、中年男じゃないと感じないリビドーがあることも事実。反面、死に向かう世界も描いている。有名な「いい感じよ」と言う場面、あっちの世界に行きかけている男を、こちら側から女性が眺めているんです #つげプロ pic.twitter.com/Tiz0Fweqvq

2019-11-09 22:00:16
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:僕には、温泉ものは淡々さを装っているだけで、その実内面は渦巻いているんじゃないかと思えます。 それで、夢の話シリーズだともう、そのリミッターが外れてしまって暴走する 石川:僕は、ほのぼのもリビドーもどちらも本当だと思う。作者の中で共存しているんだと #つげプロ

2019-11-09 22:01:33
最中義裕 @monakayoshihiro

押井:つげ作品は、他人を語っている時は安定しているんですよ、「李さん一家」とかね。自分は傷つかないし、誰も傷つけない。でもそこに留まれず、突然噴出してしまう自分の無意識、それを制御しようと闘っていたように思います。 #つげプロ pic.twitter.com/QXWAmnY8ER

2019-11-09 22:04:55
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最中義裕 @monakayoshihiro

岩本:押井さんは「うる星やつら」で「ねじ式」パロディをやられていますが、これはオマージュですか? 押井:僕自身は「引用」と呼んでいます。「ニルスのふしぎな旅」でも「エイリアン」のカット割りを引用しましたけれど、これは誰も気付いてくれなかった #つげプロ pic.twitter.com/iDYRcTWYVm

2019-11-09 22:07:40
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:そもそも映画作りは皆「引用」です、かつて見たものを使っているだけ。自分のはオリジナルだと思っている人がいたらそれは錯覚 石川:つげ作品自体、引用が多いですよね。眼医者のシーンも台湾の写真だし 押井:人間が見る夢も引用です。個人の創作は全て過去体験の引用だと言えます #つげプロ pic.twitter.com/kkjM53kvbt

2019-11-09 22:11:04
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:つげ義春と言えば「ねじ式」が代名詞で、物凄い数引用されていますけれど、この作品がダントツに優れているというわけではないと思う。 「ねじ式」は、夢をストレートに描いたんじゃなくてブリコラージュなんです。もともとが「引用」の寄せ集め、だから引用しやすいんです #つげプロ pic.twitter.com/VzwfVb8NBo

2019-11-09 22:13:21
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最中義裕 @monakayoshihiro

押井:代表作とは必ずしも質的な最高傑作ではなく、どれだけ引用され語られたか、その数で決まるとも言えるでしょう。 石川:ある種のポピュラリティがあると言うことですよね #つげプロ

2019-11-09 22:15:02
最中義裕 @monakayoshihiro

押井:「ねじ式」の凄さはイメージと言葉がセットになっているところだと僕は思います。 ただ、実は作者はそこまで(「ねじ式」を)高く評価してなかったんじゃないかなと。メタファーに見えて実はメタファーじゃない。支離滅裂でロジックがない。 #つげプロ

2019-11-09 22:17:17
最中義裕 @monakayoshihiro

押井:「ねじ式」にロジックを探す人がいるけど実はないんです、だから映画にならない…やった人はいますけど。 石川:実は、たまのヒット作「さよなら人類」、これも大した意味はないんです。でも凄い深読みする人がいて「世界の滅亡を予言している」とか。解釈って凄いけれど怖いですよね #つげプロ

2019-11-09 22:19:18
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