ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ #1

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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第二話「キョート殺伐都市」より:「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」#1
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「制圧!」「ロウワーフロアは制圧完了です!」武装ビークル「ハニワ」上で陣頭指揮を取るノボセ老のもとへケンドー機動隊長が馳せ参じ、最敬礼オジギした。「アッパーフロアへの突入を開始しました」「よいぞ!」ノボセは激励した。起動隊長が言う「しかし、内乱でもあったのでしょうかね?あの有様」
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「……実際、何かが起こったのであろうな」ノボセ老は顎をさすり、独りごちた。正面ロビーにはクローンヤクザの死体が溢れんばかりで、まずマッポの度肝が抜かれた。他エリアにおいても警戒していたニンジャの反撃は無い。居たとしてもデッカーガンやケンドーケンの一斉攻撃で殲滅可能な弱敵だった。
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「アイエエエエ、アイエエエエ、こんなの違うよお……」子供じみた泣き声が聞こえ、そちらをノボセが見やると、芋蔓めいた連結式の手錠ロープで護送車両へ今まさに連行されんとするネコソギ・ファンド社員の列である。
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「急反発するんだからぁ……成せばなるんだからぁ……」「ブーッ!ブーッ!」先頭を泣きながら失禁して歩くクルーカットの若いサラリマンへ太った中年男性がまとわりつき、ブーイングし続ける。「ブーッ!ブーッ!」「ヤメナサイ!」デッカーが叱責し引き剥がす。「ザマアミロ!ザマアミロ!ブーッ!」
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「ナムアミダブツ……なんたるマッポー様相……!」ノボセは嘆かわしげに首を振った。「突入開始!」「ハシゴ展開!」インカムから突入部隊の状況報告が聞こえてくる。やはりハシゴが要ったか。アッパーフロアは一筋縄では行くまい。
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ファンファンファン!電子チョウチンをサイレンとともに回転させ、デッカー・ビークルが包囲網に入ってきた。「ノボセ=サン!」中から転がるように降りてきたデッカーは青ざめてノボセへ走り近づく。「どうした」デッカーは息を切らし、「ひ、非常事態です……連続同時テロ……!」「何だと?」
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ドオン!それを説明するかのように、トコロザワ・ピラー前のノボセに近場で発せられた爆発音が届いた。「どういう事だ」「どうもそれが、ネコソギの息のかかった企業ブランチばかりが標的になっているよう……」ドオン!「暴動か?あのリーク放送で失望でもしたか」「確認中……」ドオン!
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「ラオモト・カン、死してなお人心を安らわせず…か……!」ノボセは拳を固め、「外して保持」と書かれたテープで囲まれたミヤモト・マサシ像の残骸と、そこに散らばる肉塊を睨みつけた。
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ソウカイ・ニンジャ「ソーンヴァイン」はススにまみれた痛々しい有様でよろめき、心身ともに限界のていで、廃テンプル敷地内へ踏み込んだ。彼が待機していたネコソギファンドのカスガ・ブランチが何の予兆もなく爆破され、彼はブザマに投げ出された。メンターとのIRCセッションも途絶えたままだ。
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「まず安全を確保……安全を……」ソーンヴァインはトレーニングで叩き込まれたメソッドをウワゴトめいて繰り返し、幾度も背後を振り返りながら廃テンプルを目指す。「どういう事なんだこれは……」ソーンヴァインは呟いた。覆面抜き打ちテストか?だとすればこれは不合格か?ケジメ?「アイエエ……」
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なにしろソーンヴァインは昨日トレーニングを終えたばかりのニュービー・ニンジャなのだ。このような不測の事態に居合わせた事は彼の不幸と言わざるを得ない。爆発で屋外へ転がり出た彼を待ち構えていたのは気味の悪いメンポを装着した見知らぬニンジャで、モスキートと名乗った。
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ヌルヌルとしたモスキートのオジギ動作、嘲るような名乗り声を思い出すだけで、ソーンヴァインは恐怖に失禁しそうになる。有無を言わさず襲いかかってきたモスキートめがけ、ソーンヴァインは自慢のバイオ鞭を繰り出した。わずかな足止めと引き換えに鞭は奪われ、ソーンヴァインは必死で逃走した。
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それから走りに走って、ようやく追跡を撒いたソーンヴァインの前に現れたのは、ヤンク時代に仲間と集まって笑気ガスを吸うのに使っていた地元の廃テンプルだった。なんたる奇遇!「なんでニンジャが……畜生……」恐怖と懐かしさがごっちゃになって、ソーンヴァインは涙を飲んだ。
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ニンジャになれば市民やヤクザなどアゴで使えるバラ色の生活。ソーンヴァインはそう信じていた。ニンジャとは同僚であり上司。ネオサイタマを支配するソウカイ・シンジケートに敵対ニンジャがいるはずなど無い、ただ一人、噂に聞くニンジャスレイヤーとやらを除けば……なんたる想定外……
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「ウオー!こんなはずじゃねえんだ!」ソーンヴァインは衝動に駆られて廃テンプルのエンガワへジャンプして登り、祠の戸口を蹴り開けた。「ウオーッ!畜生!こんなのねえぞ!ウオーッ!お、俺は、ア?……アイエエエエエエ!?」ソーンヴァインは室内で彼を出迎えたニンジャを前に、もはや失禁した!
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「フーン!フーンク!」鉄仮面めいて顔全体を覆うメンポを装着したニンジャが足早に躍り出た。コワイ!彼は唸りながらソーンヴァインにオジギした。「フーンク!」「アイエエエエ!」アイサツ返しすら忘れ、ソーンヴァインは失禁しながら後ずさりした。しかも奥にはさらにもう一人ニンジャがいる!
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どうして!どうしてここにニンジャが!こんなところに!「……客人か」奥のニンジャは気だるげに立ち上がり、オジギした。「ドーモ……私はアンバサダー……彼はインペイルメント。インペイルメント=サンは喋れないのだ。名乗れないが許してほしい」「フーンク!フーンク!」「アイエエエエ!」
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ソーンヴァインは二人のニンジャが放つ圧力に打たれて逃げる気力もなく、力なく室内を見渡した。カエル・セラピー状態だ。奥の壁には禍々しいマンダラ・ペンタクルが直描きされている。紫色に脈打つそれは何かのジツなのだろうか?傍らに立つあのアンバサダーとかいうニンジャが何かするのか……
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「フーンク!」インペイルメントが進み出た。彼が背中に負ったロングニンジャソードの異様さにソーンヴァインは初めて思い至った。長すぎる。長すぎるためか、カタナ上下が逆さである。柄頭が下にくるようになっており、異様な長さの鞘は肩の斜め上に真っ直ぐ伸びている。なんだ、これは?
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応戦!応戦しろ!ソーンヴァインは震えながらカラテを構えた。バイオ鞭はもう無い。カラテだ!カラテがニンジャの身を守る!いや待て、アイサツがまだだ!「ド、ドーモ、ソーンヴァインです……」「フーンク!」インペイルメントの鞘がエンドウ豆のサヤめいて展開、抜き身のロングソードが放たれる!
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「アイエ……ウ、ウオー!」アイキドー・シャウトを繰り出して威嚇しつつ、ソーンヴァインはインペイルメントが長大なカタナを構える隙を伺った。「……弱敵だ、時間をかけずに片付けてくれ」アンバザダーが気だるげに言った。「フーンク!」「まだ数人来る。邪魔になる」「フーンク!」
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「ウオーッ!見ろ!来たら、こうだ!」カラテ素振りでソーンヴァインは威嚇!「イヤーッ!イヤーッ!」「フーンク」インペイルメントは首をかしげた。その奥の壁のマンダラ・ペンタクルがひときわ明るく脈打つ!ソーンヴァインは気を取られた。何だ、あれは?
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00101110。白黒のモザイク模様が蜃気楼めいてマンダラ・ペンタクルの前にわだかまったかと思うと、あっという間にそれが生きたニンジャの形を取った。「アイエエ……」もはやソーンヴァインの現実認識はキャパシティを超えている。彼はインペイルメントを威嚇しながら他人事のように見守った。
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011年6月4日
ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ #2 http://togetter.com/li/144137
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