【東久留米まで】福間健二 #k2fact240
テレビのついている場所。嘘ばっかりとか思いながらよそ見をしたくなるところだ。きのうは、まだよかった。自分は悪くないと言いたい人たちと一緒ではなかったから。かわりに、到着と同時に死んでいる人。目が天井を睨み、「ここに来るまで」の物語が海の音のように。(東久留米まで1)#k2fact240
2019-11-21 10:03:58苦悩、断片、波、正解に向かうことの不安。共感力、整理能力、ある程度あるからこその行きどまり。隙間あかないのだ、この感受性。ドアが悲鳴をあげている。ごめん、ぼくは外に出て移動する。若者たちがたくさんいる吉祥寺を通過。「落葉よ、落葉よ、もみくちゃの生よ」。(東久留米まで2)#k2fact240
2019-11-22 11:47:46大きな字で、いい夫婦の日。老いて、という注釈で金具がいくつも揺れる。アジャスト、急に訪れたものに対してだけでなく、当然、三鷹でも矛盾しあう現在の諸要素。だれを、何を、追いつめきれない構造なのかということ。わかった。「すーさんち」か「やまちゃん」で飲む。(東久留米まで3)#k2fact240
2019-11-23 10:55:42北か南か。問題よりも寒い絵に、勤労感謝の日の、人の声。小さな声こそが。ときたまの恋をかぶせて、いまはどういう状態だろう。死んでいてもふしぎじゃなかったモーターが動いて、結局、南。「すーさんち」の天ぷら。半熟卵、魚肉ソーセージ、オリーブ。どれも一三〇円。(東久留米まで4)#k2fact240
2019-11-24 10:23:45では、風のなか、何が問題だったろう。歩き方、笑い方、飲み方。九月になれば、と思った。十月になったら、と思った。物語を書きかえる。世界の、日本の、昔ばなしから最新トピックまで。十一月、もう思わないが、いくつもの終わりに追い抜かれる途中の夢に光をそそぐ。(東久留米まで5)#k2fact240
2019-11-25 08:29:58武蔵境からの二人。たぶん看護人と患者だが、どっちがどっちかわからない。いいなと思っているうちに西国分寺。あやうく降りそこなうところだった。緑と赤と黄色。曲線、三角、夜の骨の、何を破っていいかわからないおねえさんたち。そうだ、腰の回転もっとスムーズに。(東久留米まで6)#k2fact240
2019-11-26 08:07:43忘れものをした。見つかったけど、少しはあった気がするドルと円の札は消えている。すまんがね、この大将の夢はさっさと片づけて、方角のわかる図形を用意してくれないか。はい、ではないが、谷を意識させる武蔵野線で北にあがる。新小平、新秋津。なにかガラガラと。(東久留米まで7)#k2fact240
2019-11-27 09:55:54JRの新秋津と西武線の秋津、二つの駅のあいだの愉快さについては、F塾のH・Kさん、飲まない人が書いて自分を鬼にしている。そこに出てきたサラリーマン(店名)の記憶と出てこなかったカカオ八六パーセントのチョコレート効果(商品名)。何が足りないかと問うな。(東久留米まで8)#k2fact240
2019-11-28 10:17:22秋津からは西武池袋線。清瀬、可愛い毒草のソロも毒虫飼育のデュエットも回避して、ありがとうと言われる理由、わかるか。死んで到着する人。何に依存しすぎだったとしても、許す、許さない、の問題じゃない。つまり、人工じゃないまつ毛に見とれているうちに東久留米だ。(東久留米まで9)#k2fact240
2019-11-29 10:03:52アではじまるものに依存しない。人も、国も、そこからだと思う。市役所、イトーヨーカドー、そして見える人にしか見えない共和国をすぎて、最初の、押さえても飛びだすものには気づかないふりをする。進路を西に。すぐに「佳辰」という店。タバコを吸ってから入る。(東久留米まで10)#k2fact240
2019-11-30 12:27:03