【守るのではなく】福間健二 #k2fact344

福間健二 @acasaazul

見える地上の半分は森、半分は草原。日本にこんなところあるんだと驚きながら空を舞って、落ちない帽子はチャンピオンのニット。その色とか基礎疾患あるとかないとか、書きたくないことは書かない。当たり前ですよね。聞きたい人がいるはずだと信じて明るい声で言った。（守るのではなく１）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

太陽による点火で息づく。生きものばかりか、朝になるとバタンとなにか閉じてきのうの事件を思い出している社会。徐々に、ちょっと調子はずれに、色を出すものはそうなのだ。不行。だめ。不是。ちがう。ぼくもだれかのために立ち上がりたい。みんなが笑うのは別のこと。（守るのではなく２）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

きのうは弦を弾いた指。きょうは歌から動く軸、もういらないのではと思う。東久留米のおじいちゃんおばあちゃんの体操の時間におじゃました。少しやって、水分補給して、また少し。御成橋をとおって武蔵小金井に出るバスでも、永遠との会話。素直な指にバトンをわたす。（守るのではなく３）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

武蔵小金井駅北口。北に少し歩くとタバコの吸える場所がある。飲料の自販機とベンチがある。屋根はない。太陽の下、灰皿スタンドのくすぶる吸殻に持ってきたペットボトルの水をかけている男がよかった。一回では消えない。二回目、ご苦労さまと彼に言った男もよかった。（守るのではなく４）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

太陽から生まれ、いつか、だれも行かない場所の、空でも海でもない青のなかに見すてられ、灰と化す。結晶体も分子構造もさまざまの切断を見るためだから、同族、異族、うねるのはどちらでもない。多摩川を渡るバス。聖蹟桜ヶ丘に着いた。道を横切る人をもう分解するな。（守るのではなく５）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

課題の九月は終わり、桜ヶ丘名物のムクドリがうるさく鳴いて、こうして人間、従来的密度。立っている自分をもうひとりの自分が眺めているような。ラモーナ、この感じだろう。消費、流動、運転、光の作用に逆らわない窓ガラス。割れなくてよかった。でも、それだけでは。（守るのではなく６）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

眼前に倒れている動物。胸から流れている血。その血に反応する使者の起伏を太陽は照らさないのだ。倒れている動物、三十五頭。みんな死ぬのだ。急な寒さで、止まらない血は解釈学の十字路に行きつき、罵声をあびる七十三歳の男の目に涙があふれた。二〇二二年に日本で。（守るのではなく７）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

【訂正】 使者の起伏 ↓ 人間の起伏 （守るのではなく７）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

九州の小さな田舎町からの、赤い柚子胡椒。その効果はわかるが、オレゴン州の大きな田舎町が発する光る文字と振動は、昼も夜も対話拒否。保持、持続、それですむと思わないなら渦巻構造を発生させろ。侵略的外来種ランタナが咲いて、地元のない老人は、することがない。（守るのではなく８）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

トカゲはだれの離乳食か。予行演習の晩年の町でラジオが言った気がする。その町が、その町でなくてはならない、それだけができる安全装置の裏切り方があることにも涙が出そうだ。死者でかつ生者のきみがきて、閉めた水門をこえる波の話をするのにふさわしい秋の日だが。（守るのではなく９）#k2fact344

福間健二 @acasaazul

森と草原も人間の介入が必要なときがある。守らない。でも、勝手にしろじゃないのだ。ひとりでいても自分のなかに彼や彼女がいて議論している。なにかおこりそうな日の、濡れている階段の下の地球。それを捨てなかったらそれに捨てられないってせっちゃんも言ってるよ。（守るのではなく10）#k2fact344