稲川淳二の『つぶやき怪談』(2020.01.28)

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稲川淳二 @Junji_Inagawa

ところが、そうなると、 帰るのに結構、大回りすることになっちゃう。

2020-01-28 22:03:57
稲川淳二 @Junji_Inagawa

なにしろ朝から思い自転車をこぎっぱなしで、 足がえらく疲れてたんで、早く帰りたい。

2020-01-28 22:04:23
稲川淳二 @Junji_Inagawa

じゃあ、近道はっていうと、 山間を抜ける道があるにはあるんですが-------。

2020-01-28 22:04:39
稲川淳二 @Junji_Inagawa

ただ、この道だと、 ところどころ舗装されていない部分があるし----。

2020-01-28 22:05:04
稲川淳二 @Junji_Inagawa

まったく明かりがない。 -----周囲にも、人家がない。

2020-01-28 22:05:31
稲川淳二 @Junji_Inagawa

うっそうとした木々の間を通っていく、 怖い道なんですよ----。

2020-01-28 22:05:57
稲川淳二 @Junji_Inagawa

この道には、途中に谷があって。 その谷には、気味の悪い小さな橋がかかってる。

2020-01-28 22:06:46
稲川淳二 @Junji_Inagawa

橋に名前はないんですが、 土地の人が、昔から、この橋を、

2020-01-28 22:07:15
稲川淳二 @Junji_Inagawa

“骨鳴りのつり橋” と呼んでいる。

2020-01-28 22:07:44
稲川淳二 @Junji_Inagawa

なんで、骨鳴りのつり橋かっていうと----。 戦国の時代に、ここには山城があって。

2020-01-28 22:08:20
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこに奇襲をかけようと、敵の兵が、こっそりやってきた。 ところが、逆にこの橋のところで待ち伏せされて-------。

2020-01-28 22:09:11
稲川淳二 @Junji_Inagawa

全員が討死したそうです-------。

2020-01-28 22:09:35
稲川淳二 @Junji_Inagawa

その屍は、山城の当主の命令で、 見せしめのために橋から吊り下げられたことから、

2020-01-28 22:09:59
稲川淳二 @Junji_Inagawa

“吊り橋” といわれるようになって--------。

2020-01-28 22:10:23
稲川淳二 @Junji_Inagawa

さすがに恐ろしくて、土地の者は誰一人近づこうとしない。

2020-01-28 22:10:53
稲川淳二 @Junji_Inagawa

死体をそのまんま。いつまでも、 ぶらん、ぶらんと橋からぶら下がったまんま、放置されてった。

2020-01-28 22:11:22
稲川淳二 @Junji_Inagawa

日が経つと------。 肉も、血も腐って。

2020-01-28 22:11:44
稲川淳二 @Junji_Inagawa

ものすごい悪臭が四里四方の村にまで匂ったというんです。

2020-01-28 22:12:08
稲川淳二 @Junji_Inagawa

やがて屍の、肉がとけて、なくなって。骨が装束の中に残った。

2020-01-28 22:12:33
稲川淳二 @Junji_Inagawa

これが谷を吹き抜ける風に、 こーーん、こーん ガラガラガラ こーん、こーーーーん ガラガラガラ

2020-01-28 22:13:02
稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、音を立てて鳴ったことから、 “骨鳴りのつり橋” って言われるようになった-----。

2020-01-28 22:13:32
稲川淳二 @Junji_Inagawa

なんとも気味悪い話なんですが。

2020-01-28 22:13:46
稲川淳二 @Junji_Inagawa

さて、時代が変わって太平洋戦争中の戦争中のこと。

2020-01-28 22:14:08
稲川淳二 @Junji_Inagawa

この山城のあった跡に、 陸軍か何かの弾薬庫だか、弾薬を作る工場があったそうで。

2020-01-28 22:14:38
稲川淳二 @Junji_Inagawa

それが、爆発事故、起こして------。 人が亡くなってる。

2020-01-28 22:15:00
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