D&D『高貴なる行ないの書』とゴブリンスレイヤーとファイティングファンタジー(D20ソーサリー版 魔の罠の都)

柳田真坂樹 @D16

これはD&D3.5版のサプリメントですが、そこでの善は「“善”とは思いやり、生命を尊ぶこと、知性ある存在の尊厳を重んじることを意味する。善のキャラクターは自分を犠牲にしても他人を助ける」というふうに書かれています。D&Dが志向するヒロイック・ファンタジーでは、そのように善は振舞うのです

柳田真坂樹 @D16

そして、ゲーム内での“善”について、重要と思われる“慈悲”についての記述。『悪の勢力を狩って殲滅するためにその一生を捧げている善のキャラクターたちにとって、悪が持つもっとも魅力的な誘惑は、慈悲の放棄かも知れない』。 #DNDJ #TRPG pic.twitter.com/8cLLhnntSl

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柳田真坂樹 @D16

『（前略）生命をまったく尊重しない敵が満ち満ちている世界においては、その敵が他者を遇したのと同様にその敵を遇してあげたい、無辜の民や仲間を殺害した者に同等の復讐をしてあげたい、助命を認めず無慈悲になりたい、という強い誘惑がありがちだ』

柳田真坂樹 @D16

『善のキャラクターはこの罠に屈してはならない。降服を受け入れ、慈悲を与えなければならない（後略）』これは“善”を大きく扱ったキャンペーンにおける指針でありますが、D&Dでの“善”は、このような考えがあると言えます。

柳田真坂樹 @D16

で、ここからが実社会とゲームとの違いであり、物語の救いでもあるところ。『一般的にいってDMは、敵に慈悲を与えたことによってプレイヤーたちがひどい目にあうと言った事態を避けるべきである。（中略）この種のいらいらがたまに発生する分には問題無いが、

柳田真坂樹 @D16

『毎回発生するとなると、プレイヤーたちは間違いなく諦めてしまうだろう』 キャンペーンのスタイルにもよりますが、プレイヤーの善意には基本、報いてあげようという指針を提示しています。この本、倫理の教科書ではなく、気持ちよく遊ぶための指針なんですね

柳田真坂樹 @D16

重ねて言いますが、『高貴なる行ないの書』は“善”がテーマとなる物語を遊ぶためのサプリメントで、記述やデータを取捨選択して自分のゲームを楽しくするための本です。そのために、「物語を直接共有・体験するTRPGセッションにおける倫理について」かなりの誌面を割いて論じています

柳田真坂樹 @D16

……このまま終わると良い話だけで終わるので、『高貴なる行ないの書』のデータの話をしよう。3.5版のデータなので今の5版ではそのまま使えはしないのだけど、コンセプトは移植できるはず。聖宝セインツ・サイボーン（聖人の大腿骨）は、ホーリィ・ディスラプション・ライト・メイスだ！ #DNDJ #TRPG pic.twitter.com/0KMqZQPOKO

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柳田真坂樹 @D16

セインツ・ベリアル・シュラウド（聖骸布）は善人の病気を治すけど、触れた悪人は無気力になるぞ。聖人の首を刎ねたエクスキューショーナーズ・アックスは常時刃から聖人の血を流す、ホーリィ・ヴォーパル・グレートアックスだ。善のクリーチャーだと使いにくい

柳田真坂樹 @D16

ブリーディング・スタチューは血の涙を流したり、聖痕から血を流すぞ！ その血を飲めばグレーター・レストレーションの効果があるぞ！ ほんとにこれでいいのか、善の奇蹟！ いや、僕は好きですけどね。聖人の大腿骨で殴るのとかカッコいい

小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

@D16 つまりこのようなものでは pic.twitter.com/7yStSjYouU

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柳田真坂樹 @D16

そしてこちらが、D&D3.5版の上級クラスの中でも気合の入った必要条件だったリズン・マーター（蘇った殉教者）。ゲームの中で殉教したあと死から蘇って来る必要がある。まあ、殉教したあとレイズデッドでOKじゃなかったかな。ただ、レベルが最大になると昇天してゲームからいなくなる pic.twitter.com/wHmygVpEy5

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柳田真坂樹 @D16

『モルデンカイネンの敵対者大全』ではデーモン・ロードが紹介されたので、『高貴なる行ないの書』から、七つの層なす天界山セレスティア、第4階層水晶天ソーラニアの統治者、ピスティス・ソフィーア。セレスチャル・パラゴンの中でも綺麗どころを選びました。 #DNDJ #TRPG pic.twitter.com/VC8aKEWXk3

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柳田真坂樹 @D16

日本語の過去製品がPDF販売できると、この辺のおもしろいところがみんなも読めるんで、紹介しやすいんですけどねえ。ホビージャパンに『高貴なる行ないの書』の紹介ページが残ってたので、最後にリンク張っておきます。前書きも転載されてます #DNDj #TRPG hobbyjapan.co.jp/dd_old/news/bo…

柳田真坂樹 @D16

この『高貴なる行ないの書』は善をテーマとしたゲームを行なう為のサプリメントですが、おびただしい悪をテーマとして、それに立ち向かうゲームを遊ぶ為のサプリメントが『不浄なる暗黒の書』です。 hobbyjapan.co.jp/dd_old/product… #DNDJ #TRPG twitter.com/D16/status/122…

柳田真坂樹 @D16

D&Dでの“善と悪”は、“背景世界・物語の中での一貫性”と“ゲームを遊ぶ＝物語を共有する、ために倫理を尊重する”ところの真摯なせめぎ合いを続けてきた。と、ぼくは思ってて、このサプリメントはそこに多くを述べています ＃DNDJ ＃TRPG twitter.com/u_kodachi/stat…

2020-02-07 02:13:46

柳田真坂樹 @D16

デーモン・ロードやアーチデヴィルの情報、奇怪なアイテムやおぞましい魔法、悪徳とされる行為、悪役のメンタリティ、造形ほか。それらをゲームでどのように導入し、冒険のテーマとするかに詳細かつ慎重に記されています。この慎重に、というのが本当に大事。

柳田真坂樹 @D16

その後4版、5版でこちらの方に踏み込んだ製品は出ていないので、やっぱり扱いが難しかったのかな、と僕は思っています。

黒野 @kurono42

はじめて『高貴なる行いの書』を読んだ時は大変感動したんざますのよ。 「これで全てのアライメント論争がなくなる！」とまで思った。流石にそんなことはなかったですが、なんか色々スッキリしたのよね。 あとデータがね…腰抜かすほど強くて… 宇宙の天秤がド派手に「秩序にして善」側に傾くくらい…

黒野 @kurono42

あの本が出てしばらく我々のプレイグループ内は グッド属性のPCで溢れた。 おお恐るべき成聖呪文！ 全身から光輝を放って悪の目をくらまし、実質的にACを4くらい跳ね上げる「ルーマナスアーマー」！ 使い魔と自分に同時にかけることで毎ラウンド24点のダメージを確約する目からビーム！（呪文名忘れた

小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

@kurono42 僕はもうすべての私有財産を放棄したモンクにメロメロでしたわ……。物質的な富などいらない……栄光も不要……拙僧が求めるのはアホみたいに上がるＡＣのみ……

黒野 @kurono42

清貧の誓いもヤバかったですね！ 財産を捨てるだけでACが上がる……（聖なる力に溺れたマン） twitter.com/u_kodachi/stat…

黒野 @kurono42

石を聖別し、悪を焼く光を放つ用にするヤバ呪文。 高貴なるクレリック達が毎日この呪文で作った石を下層次元界に投げ込むことで九層地獄が滅びるとまで言われたデンジャラススペル！！ ネット上で先達達がそのヤバさを警告していたので発売と同時に我々の間でも紳士協定が結ばれて使用禁止になった。

黒野 @kurono42

4レベル分くらいの成長と引き換えに聖人になる セイントテンプレートも凄かった。 電撃とか冷気とか物理とかにみるみる完全耐性が生えて 究極生物に近づく。この上清貧の誓いを立てれば生半可な攻撃では傷一つつかぬ。 そしてぶっちぎりで頭がおかしい「聖毒」ルール！