これが読めるか勇者よ- / -

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

/私を抱きにくいから？/ 〈君が抱いてくれるのだろう？〉 /ほんと、あなたが本当に普通の男だったら良かったのに…/ 〈…ふ、そう望まれたのだ。仕方あるまいよ。だが、私は望まれた王子ではなく、私自身が望む新王になるのだ。そうでなければ、この呪われた身、幾度棄てようかと思ったか…〉 /新王/

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

〈…なんだ？〉 /私は、本当は普通の幸せを望みたいわ/ 〈そうか〉 /勿論、あなたの幸せもよ？/ 〈…この呪われた身では、不要なものだ。他者の幸せさえ薪にする如き野望に身を焦がす、怪物にはな〉 /そ、残念ね。でも、約束した以上はどこまでも付き合ってあげるわ/ 〈それでこそ、私の巫女だ〉

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

#これが読めるか勇者よ　栞🔖

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

[…ぐぬ…ここは…？] |おや、向かいの爺さん、目が覚めたかい？| […あ、あぁ。頭がまだぐわんぐわんするが…ここは？] |知らないのか？ここは泣く子も黙る地獄の門さぁ| [ふむ…そうか、牢獄、しかも深いところ、か] |なんでぇ、知っているじゃないの。前にもいた？| [う、まぁ、そんなところかの]

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

|なんでぇ勿体無い、出戻りか？もう二度目はもうねぇだろうなぁ…| [そうであろうな。ここは一度放り込まれれば、太陽も月も見れぬ地の底…] |前の王の時は恩赦で何人か出してもらえて、だいぶすっからかんだったんだが、今の王になってまた使いだしたみたいでさぁ。この前はそこに元貴族どもが居たな|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

[因みにそやつらは？] |ある日、いきなり連れていかれたな。たぶん処刑されんじゃねーの？| [そうか…。ところでお主は？] |つまらない罪で長いこと放り込まれている名もないヤツでさぁ。最近、まともな話し相手もいなくて困ってたんだよなぁ| [そうか。爺さんでは残念であったろう] |まぁね、正直|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

[正直者じゃな] |お陰でこのザマさぁ。しかし、爺さん、何して放り込まれた？どうせ二度と出られないことだし、聞かせてくれよ。退屈で死にそう| […なに、息子に目障りと放り込まれた、そんなところじゃて] |なんでぇ、貴族様のいざこざか。やだねぇ、そんなんでこんなとこ放り込まれて。同情するよ|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

[お主は？] |まぁ、なんてーか、ちょいとな、秘密にしろと言われていた事をうっかり喋ってしまってさぁ。ま、それで放り込まれてさて何年か…命はとられないところを見ると、利用価値があるのか…| [結構大物じゃの？] |まぁね。何せ、王族の秘密ってやつでさぁ| [王族の？それは、如何なるものじゃ？]

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

|王族の跡継ぎに関して、でさぁ| [王子…いや、新王かの？] |当たり。ただし、話は複雑でさぁ。実は生まれた王子は偽者の赤子にすり替えられ、本物の赤子は闇に葬られた…と| [！…ま、まことか！？それは！] |ど、どうしたよ、爺さん！？急に？| [大事な話なんじゃ！本当の話か！？] |あ、あぁ…|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

[つまり、今の新王は王族の血筋でないと！？] |俺が現場で直接関わった訳じゃない。だが、手引きした一味つぅか…| [そ、それで、闇に葬られた赤子はどこに！？] |それに関しちゃ俺はあやふやな事しか聞かされてないが…| [それでも構わぬ！聞かせてくれ！] |よくわからないが、何か研究に回すとか…|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

[…もしや、それは…] |それ以上は俺も知らされてないから分からない。で、長らく黙っていたが、ある日ぽろっと…まぁ、うっかり…って、爺さん？どした？苦しいのか？お、おぃ| […知らなかった…わしは何も知らなかった…よもや…まさか…う、うぉおお…あんまりじゃ…！だとしたら、わしは…！]

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

#これが読めるか勇者よ　🔖❗

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

「うむ、朝か…皆の者、集え！」 《ぎゃお！》 【はい、魔王様】 「うむ…即席の玉座であるが、これより作戦会議を行う…っつても、まぁこの数では大したことないけど」 【まぁ、それ相応の形は大事かと】 《ぎゃう》 「では、気分だけでも悪の大魔王とその幹部みたいな雰囲気でいこうか」 《ぎゃお》

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

「では、最初に…拠点統率サーバントよ、勇者の負傷はどうだ？」 【ほぼ癒えたかと】 「ならばよし。だが、まだ出すな。我が命あるまで隠し通せ。必ずな。その拠点統率の名に懸けてな」 【はい、承りましたわ】 《ぎゃお》 「精霊獣は我と共に敵を最大限引き付けろ。かなり過酷な役目となるであろう」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

《ぎゃお！》 「うむ。これが最後の契約となる。すまぬが、耐えてくれ」 《ぎゃうぎゃう》 「それと、拠点統率サーバント…いや、大地神よ、これが最後のお願いである」 【はい】 「分体にて軍団の誘導をお願いしたい」 【それが最後の願いでよろしいのですね？】 「どうか頼みます」 【わかりました】

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

「軍団を統率している王子、そして共にいるあちらの勇者が最大の障害となる。特にあの王子が何を仕掛けてくるか、正直そっちが今一番怖い…」 【あれが、ですか？】 「とんだ怪物かもしれんよ。だが、王があちらにいれば多少の押さえにはなってくれる…と、いいなぁ」 【そこは観測的希望なのですか】

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

「侮っていた訳じゃないが、やはりアレは魔王とか勇者とか関係なしに厄介なのよな。非力なわりには」 【魔王様と同類、と】 「うええ、それなんかヤダなぁ、我は」 《ぎゃう》 【同類は嫌い憎みあうものですものね】 「ま、似た者同士、互いの嫌なものを思い起こすのだ。気が合えば友と言えるのだが」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

【そんな気はない御様子ですが？】 「…所詮、魔王は魔王。孤独の頂点よ」 【最弱ですが？】 「う、うむ、確かに頂点…かな」 《ぎゃぉ…》 「精霊獣まで…酷っ！」 【ともかく、最も注意すべきは王子、それでよろしいのですね？】 「あっちの勇者は異常な力押しだが、それは何とでもなる、が…」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

【油断ならぬは王子、と】 「正直、貧弱、根性無し、尊大なイメージだったが、王がいなくなった途端にあの行動力、そして用意周到さ。苦手なのよな、あまりにも弱さを知るからこその徹底した対応」 《ぎゃう》 【それは勇者の最大の障害でありうると】 「なりうる。学の差、経験の差。そこが特にな」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

《ぎゃうー》 「故に、勇者には相性最悪とも言える。あらゆる手で巧みに翻弄されて、そこを向こうの勇者に攻撃されたら最悪だ」 【そうですか…】 「故に、我があやつらに立ち向かわねばならん。どうせ、戦わねばならん相手。やれ、策をあれこれ仕掛けて、仕掛けられて千日手。決着もつけねばなぁ…」

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

#これが読めるか勇者よ　🔖栞🔖

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

|全軍、展開終りました！後は新王様の号令を待つばかりです！| <御苦労。全軍に通達、これより魔王を討伐する。新時代の対魔王同盟は必ずや悪しき魔王を討つだろう。そう、諸君らこそが皆全てが勇者である！> |おおっ！| |我が主の仇を討つ！| |いざゆかん！悪を滅ぼせ！| |我ら兄弟の力を見せる時！|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

<作戦至ってシンプルだ。魔王の潜む拠点を完全包囲し、魔王を叩く！恐らく魔王の軍団が待ち構えているであろうが、我等の方が圧倒的に数が多い！何も恐れるものは無い！征くぞ！今日にて魔王の名は消える日だ！巫女よ、祝福を！> /勇者達に神の祝福あれ、魔王に天罰あれ/ |巫女だ！これで勝つるぞ！|

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

<進軍開始！続け！> |新王様、御出陣！| <…さて、先手は仕掛けたぞ、魔王。どう出る？手札は此方が多い、そちらは少ない…どうやってこれを退けてくれる？むしろ処理する？ふふふ…> /予定通りかしら？/ <まぁな。だがこのまま圧し潰すのは最もつまらん。適度に皆を削って貰わねば> /酷い王様だこと/

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

<否応にも彼等は自ら望み死ぬ事も躊躇わぬ。理由があるからな。だからこそ、小細工が必要だった訳だが。どちらにせよ、今後の為にも弱って貰う。大儀を抱いた勇者として、な> /神がいたら天罰下しそうね。そう思わない？/ ｛・？・｝ <はは、分からないか。そういう所が姫は可愛いな、と思うよボクは>