緊急取材30キロ圏病院の72時間ルール
- toshihiro36
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寺崎:続きましては、福島第一原発から30キロ圏内に残る病院で、72時間で退院というルールがありまして・・・これが悲劇を生んでいます。苦悩する医師と住民を緊急取材しました。
2011-06-10 01:43:40VTRが流れます
リポーター:自衛隊の車。ドライバーはやはり防護服に身を固めています。ここは福島県の南相馬市。ここから先は福島第一原発から20キロ圏内。立ち入り禁止の警戒区域。そしてここは緊急時避難準備区域になります。
2011-06-10 01:49:36<ナレーション> 原発事故で一時ゴーストタウン化した南相馬市。少しづつ人々が戻りつつあるこの被災地に、いま医療の根幹を揺るがすある問題が。
2011-06-10 01:52:10<ナレーション> 再開したにもかかわらず、入院患者を受け入れることができないという病院。いったい、なぜ・・・。 原発から30キロ圏の地域に設定された“入院72時間ルール”。その規制が被災地の医療現場にもたらした、驚くべき影響とは?
2011-06-10 01:58:45CMが入ります
リポーター:福島第一原発から25キロ。南相馬市の中心部です。ここはいま緊急時避難準備区域に指定されています。震災前は人口7万1千人の街でしたが、いま通りは歩く人もほとんどなく閑散としています。
2011-06-10 02:05:06<ナレーション> 原発事故直後、およそ7万人の人口が一時1万人まで減少した南相馬市。現在4万人以上の住民が戻ってきたのだが、この街の医療にある問題が浮かび上がってきている。地域医療の中核を担う大町病院を訪ねると・・・
2011-06-10 02:08:52<ナレーション> この病院は緊急時に避難できるよう準備を行う、緊急時避難準備区域にしていされている。本来は子供や妊婦さらに入院患者などは入れない地区なのだが、住民が4万人以上戻っている状況から福島県は病院と協議し緊急時避難準備区域に限ってあるルールを設定した。 (続く
2011-06-10 02:22:23<ナレーション> それが・・・“入院時72時間ルール” これまで緊急時避難準備区域では入院患者を受け入れることはできなかったのだが、南相馬市では2か所の病院に限り入院を5床ずつ3日(72時間)程度ということで認められたのだ。しかし・・・
2011-06-10 02:26:19リポーター:ここは地域の拠点病院のひとつ市立総合病院です。入院患者さんは5人・72時間。このルールによってこの病院はこれまで6人の患者さんを別の病院に搬送しました。そして、これは・・因果関係ははっきりしないんですが・・搬送された90代の患者さんは、搬送先で命を落としたそうです。
2011-06-10 02:31:06<ナレーション> 緊急時避難準備区域で生活せざるを得ない住民たちは、身近な病院に入院できないことへの不安をこう口にする。
2011-06-10 02:32:35住民:妻ががんの手術をして抗がん剤で治療していたけれど、入院することもできないから治療も中断している。結局、治療ができないということ・・・
2011-06-10 02:35:38<ナレーション> 76歳の井戸川さんはこれまで治療時には入院し投薬を受けていたのだが、入院患者の受け入れが困難になったため投薬治療そのものがストップしているという。
2011-06-10 02:38:27<ナレーション> 当初は避難を見こして、適切に行われるはずだったルール。しかし、被災地に戻り始めた住民の動きに適応できていないのが実情だ。患者と向き合う立場の医師は・・・
2011-06-10 02:41:05リポーター:例えば200ベッドがある病院でも、(入院患者受け入れは)原則5人までと聞いているんですが、そういう状況ですか?
2011-06-10 02:45:09医師:病院も機能できる状態にありながら、決められたから(患者を)受け入れられないというのは・・やっぱり町として機能している以上は何とかしてもらえないかなと・・我々も思うし、患者さんも思うだろうし、実際に働いている先生方や医療スタッフもそう思っていると思います。
2011-06-10 02:49:42高橋:ベッド数を増やして欲しいのと・・1~2週間で治る病気なんて、そんなにないですよ。肺炎だってひどい肺炎だと2~3週間かかる。高齢者だと。
2011-06-10 02:53:30<ナレーション> 医師会では福島県に対し、現在認められている5床ずつの入院の拡大と、3日程度とされている入院制限の延長を要請しているという。これに対し、福島県の担当者は・・・
2011-06-10 02:56:18