「『風立ちぬ』は右翼の洗脳映画だった?」という呟きから、@t15_05_07_15000さんの零戦と大戦機の防弾装備の小話

宮崎駿監督も、左翼扱いされたり右翼よばりされたり大変だ。
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高村駿明 @tounan_hokushin

F6F(1942年6月初飛行)の同世代機って、例えばMe262(1942年7月初飛行)なんだけど、滅茶苦茶乗り手を選んだし、新米殺しもいいところなんだけど、これは欠陥兵器なのか、ということよ。零戦も隼も、登場時に対戦した同世代機の中では、充分に戦果を残した方で、欠陥機呼ばわりは事実ではない。

2020-03-12 19:21:00
高村駿明 @tounan_hokushin

防御がないことをもって欠陥機とするなら、名前を出している隼は最初から7.7mm対応の防御があり、二型では12.7mm対応になって連合軍からも「防御が強い」と認められているのだから、「新米殺し」と、いかなる基準で決めつけているのか、という話だ。「防御が強いが鈍重な零戦」だったら評価するの?

2020-03-12 19:24:48
高村駿明 @tounan_hokushin

1941年の日本軍戦闘機が、第二次世界大戦最高戦闘機のP51Dだったとしても、戦争の結果は一緒だっただろう。新米が乗るP51は物量に勝る連合軍にいいように翻弄され、格闘戦と防御に弱い欠点を突かれて「新米殺し」になったに違いない。だから「欠陥機」なのかと言えば、違うとしか言いようがない

2020-03-12 19:31:44
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦の部隊配備は1940年7月。F4F-3は同年12月とほぼ同世代機だけど、その時の零戦の発動機は940馬力。F4F-3は1200馬力。28%も出力が強い発動機が使える相手に、同じコンセプトの機体を作れば、単なる劣化版になる。F6Fは最大2110馬力。「対抗不可能なレベルの相手によくやった」と認識してほしい所だ

2020-03-12 20:00:30
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦、鐘馗、飛燕、疾風など、日本機は主翼内燃料タンクの機種が多い。F4FやF6Fや雷電は、ほぼ胴体部でやや主翼の付け根にはみ出ているような構造で、防御がしやすい。F6Fなどは操縦席の後ろまで胴体があり、不恰好だが「燃料タンクの縦幅を確保できる」という利点があり、あれは合理的なのである。

2020-03-12 21:24:48
高村駿明 @tounan_hokushin

ちなみに、英国のハリケーン、タイフーン、テンペストや、米国でもP51は主翼内燃料タンクを採用しており、日本が人命軽視だったわけではない。一番危険なのは零戦……ではなく、恐らくは彩雲で、零戦や天山(P51も)は翼面積の1/5ほどが燃料タンクだが、彩雲は3/5ほどが燃料タンクである。

2020-03-12 21:52:16