ダンテ『神曲 地獄篇』一人読書会(2020年3月14日〜3月19日)

原基晶訳(Kindle版)で読んでいます。原文はKindleで100円で売っていた(笑)廉価版。煉獄篇→天国篇も読み切りたいです。なお、ツイートの順番は適宜アレンジしてあります。
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齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第28歌25-27。グロがあった。日本語訳は引用しない。 tra le gambe pendevan le minugia; la corata pareva e ’l tristo sacco che merda fa di quel che si trangugia.

2020-03-16 11:21:41
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第30歌124-129。注22によれば、贋金作りが語るナルキッソスのエピソード(神話起源で高尚)は、コミカルで卑俗な文で表現されている。→アウエルバッハはここについては何か言っていたか、あとで確認。

2020-03-16 12:37:14
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第33歌75。飢餓状態の父と子供3人。やがてこうなる。 poscia, piú che ’l dolor, poté’l digiuno». その後で、悲しみに、飢えが勝った。」

2020-03-17 08:34:22
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第34歌22-24。 Com’io divenni allor gelato e fioco, nol dimandar, lettor, ch’i’ non lo scrivo, però ch’ogni parlar sarebbe poco.

2020-03-17 09:09:39
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

原訳を引用。 「私がどれほどその時に凍りつき声がかすれたか、 聞かないでくれ、読者よ、私がそれを書くことはないのだ、 なぜならどのように表現しようとも筆舌に尽くしがたいからだ。」 ここは原典が結構わかって(レベルは超低いけど)ちょっと嬉しい。

2020-03-17 09:11:06
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

第34歌139。 e quindi uscimmo a riveder le stelle. le stelle、やっと星々が見えた!地獄篇、おしまい。

2020-03-17 09:39:50
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

原先生の長い「解説」。地獄篇冒頭、ダンテは個人的救済を求めていたのではなく、全人類の救済という気概を持っていたと解釈するという。

2020-03-17 09:50:29
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

ダンテ(35歳)は「神与の必然的運命に応えて、死後の世界へ旅立ったとする」でした。

2020-03-17 09:54:23
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」521頁。第2歌→「文体的には、この歌の後半に置かれたベアトリーチェの言葉は、ダンテの属していた清新体(ドルチェ・スティル・ヌオヴォ)の影響や、先行する俗語文学、宮廷恋愛詩の影響を強く受けている。『神曲』が詩的言語としてのオリジナリティを発揮するのはこの先のこととなる。」

2020-03-18 07:50:54
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」521。第3歌→「冒頭の地獄門に刻まれた九行は、新たな文体、新たな文学、新たな世界の宣言ともとれる。それはリアリズムへの意志だ。天国という救済を描くためには、その前に、現実世界の悲惨を徹底的にリアリズムで描き切らなければならない。」(続く)

2020-03-18 08:02:36
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

(承前)「ダンテを取り巻く現実の悲惨は、地獄という永遠の位相の中に定着されることになる。」→アウエルバッハのリアリズム論は何度でも読み直さないといかんなあ。

2020-03-18 08:05:09
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

俺は宮廷恋愛詩についてはC・S・ルイス『愛とアレゴリー』(1936年)を玉泉先生の翻訳でしか読んでいないからな…。『神曲』のオリジナリティについては隔靴掻痒なのであります。

2020-03-18 07:56:56
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

参考。第3歌冒頭九行。 PER ME SI VA NELLA CITTÀ DOLENTE, PER ME SI VA NELL’ETTERNO DOLORE, PER ME SI VA TRA LA PERDUTA GENTE. (続く)

2020-03-18 08:13:46
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

(承前) GIUSTIZIA MOSSE IL MIO ALTO FATTORE: FECEMI LA DIVINA POTESTATE, LA SOMMA SAPÏENZA E ’L PRIMO AMORE. DINANZI A ME NON FUOR COSE CREATE SE NON ETTERNE, E IO ETTERNA DURO. LASCIATE OGNI SPERANZA, VOI CH’ENTRATE.

2020-03-18 08:15:05
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」545頁。ダンテの地獄めぐり。これは、ムハンマドの死後世界巡りを記した『階段の書』が八世紀に成立、1264年にカスティーリャでラテン語訳され、フィレンツェにも持ち込まれていたはずで、これと関係がある可能性があるという。この説、別の本でも読んだことがあるような。

2020-03-17 10:48:25
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」第28歌(597頁)。「イスラームは異教であり、キリスト教からして信者を奪った訳でもない。しかし西欧ではキリスト教以外の宗教を認めようとせず、歴史もキリストによる救済を中心に宇宙論的に構成されている。(続く)

2020-03-18 08:51:10
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

(承前)ダンテの歴史観も、思想的には、リンボに住むギリシャ・ローマの詩人、哲学者達、イスラームの哲学者達などを経て、天国のキリスト教詩人、神学者、哲学者達に到達し、(続く)

2020-03-18 08:54:04
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

(承前)政治的には、リンボに住むアエネーアースを始点に、帝政ローマの皇帝達、天国のキリスト教の皇帝達を経て世界平和に至るというものである。」『神曲』の構想と構造のまとめとして分かりやすいと思ったので引用。

2020-03-18 08:56:48
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」第30歌。三位一体の3等々の象徴的な数字ではなく、「旅の時間が人間に支配できる具体的かつ計測可能な形で表現されている。」「煉獄篇」でもそうだと。これは宗教ではなく商取引や生産に関わる純粋な数字である、と。(これもリアリズムということでいいのかな。)

2020-03-18 09:38:17
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」605頁は、マレボルジェの全十巣窟のまとめが書いてあって便利。ここには書かない。

2020-03-18 09:41:39
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

政争や暴力、悪徳。これらをリアリズムで描く。つまり13世紀の『仁義なき戦い』(原作含む)。ダンテ先生はこの「戦い」の中で「仁義」(国権や教皇権を超えた皇帝権)を求めて言葉を紡いでいるんじゃないかな…いい加減なたとえで、あとから訂正するかもしれないけど、思いついたからメモしておく。

2020-03-18 13:56:16
齋藤 一 (Hajime Saito) @hspstcl

「解説」第33歌610頁。原文の引用だけしたグロ場面、ウゴリーノが息子の骸を(たぶん)食べたというのは、これは最後の晩餐の反転であり、つまりウゴリーノはここで人間であることをやめた、と。なるほどなあ、たしかに次にルシフェルも罪人を喰らっているしなあ。

2020-03-18 14:01:21