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AWsツイッター連載小説「聞き逃して資料課」【完結済み】
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#AWsTwitter小説 (2020/3/31 - 5) ——そう来ると思った! 伸びたところに剣でとどめをさす。笑ってしまうくらい単純な作戦だ。 俺はそのまま横に転がり、その剣を避ける。あの程度で伸びるほど、俺も弱くはないのさ。 そして、地面に刺さった剣を掴み、そして抜いた。
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#AWsTwitter小説 (2020/3/31 - 6) 「形勢逆転だ」 剣を構える。流石に剣を持った男に勝つのは難しかろう。 と、思ったのだが、どう言うわけか、犯人は糸の切れた人形のように倒れてしまった。 俺は首を傾げつつ、剣が逃げないようにしっかりと握って他の面々の到着を待った。 to be continued
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 0) ここまでのキャラクター紹介 pic.twitter.com/6r8eTkCxVL
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 1) 「今日は新年号発表の日ですね! みんな何になると思います?」 なんて話題を用意して資料2係の扉を抜けた俺は、いつもより慌ただしいその部屋に迎えられた。 「あ、中国くん、早速出るよ! なんたって今日は、GH案件が日本一多い、エイプリルフールだからね!」
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 2) 剣と自衛官を確保し、自衛官とコートの男を送検し、剣を然るべき機関に預けた後は、GH案件らしき事件もなく普通に資料係らしい仕事ばかりだったのだが。 鈴木巡査が「騒動ってのは突然やってくるものなんですよ」と諦め顔で苦笑していた意味が分かった気がする。
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 3) 「それじゃ、道すがら説明するね。嘘から出た真って言葉は知ってる?」 中島巡査部長が説明を始める。新元号は何になるんだろうか、気になる。 ついスマホでまだかな? などと見てしまう。時間は決まっているのにな。 「ほい、ついたよ。じゃ手筈通り行こうか」
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 4) ——え、やべ、説明聞いてなかった 見ればそこはアパートだ。中島巡査部長が階段を登っている。 ——聞き込みか? 俺は下かな。 何を聞き込めば良いのかすら分からないが、それがバレたらまずい。動いてるフリをしよう。 一階の適当な部屋をノックする。
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 5) 「はーい」 と、扉が開く。 「うわぁぁぁぁぉ!!」 思わず絶叫する。そこにいたのは、大きな口を持つ化け物だった。 「下だったか! ナイス、中国くん!」 中島巡査部長が小刀を抜いて飛び降りてくる。 ——び、びっくり箱を開けた気分だぜ
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#AWsTwitter小説 (2020/4/1 - 6) 流石は資料2係最強と言われる中島巡査部長だ。あっさりと巨大な口の化け物を倒してしまった。 「ふぅ。はい、これでどんな感じかわかったよね。じゃ、ここからは、一人でよろしく」 カラン、と。俺の目の前に刀を投げられる。 ——へ? to be continued……
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#AWsTwitter小説 (2020/4/2 - 1) 「これは?」 目の前に投げ出された刀に困惑する。 「ニッカリ青江の写しの一つだよ。神秘としてはボチボチだけど、幽霊系にはよく効く。まぁ今回は意味ないけど」 「えっと、そうではなく……」 なぜそれがここに投げ出されたのか、という事だ。
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#AWsTwitter小説 (2020/4/2 - 2) 「そんなのこれから君の武器になるからに決まってるでしょ。このアパートのロアは君一人でよろしく! 期待してるよ!」 言うが早いか、中島巡査部長は即座に車に乗り、走り去っていった。 ——マジ? たっぷり10分呆然としたのち、恐る恐る刀を手に取る。
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#AWsTwitter小説 (2020/4/2 - 3) ——マジ? 何度考えてもそれ以外の感想が浮かばない。 刀は使えるか使えないかで言えば、使えるとは思う。これでも剣道をやっていた。ただ、剣道と剣術は違う。まして実戦はもっと違うだろう。 相手は礼なんてしてくれないし、一本取ったから終わりでもない。
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#AWsTwitter小説 (2020/4/2 - 4) とはいえ、GH案件と呼ばれるそれは明確に人に仇をなすものだ。対処しない理由はない。 「やるしかないか。よろしく——」 ニッカリ青江、と呼ぼうとして、これは写しだからそれは本歌の名前だと思い当たる。銘はないのだろうか 「ま、生きて帰れたら聞いてみるか」
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#AWsTwitter小説 (2020/4/2 - 5) 刀を抜く。見事な反りの美しい刀だ。日本刀は美術品としての価値から戦後、返却を勝ち取った言うエピソードがあるが、この美しさを見ると納得する。 鞘にしまう。よく見ると、鞘に札が貼ってある。例の認識阻害、と言うやつか。 改めて、次の扉をノックする。
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#AWsTwitter小説 (2020/4/2 - 6) 「はぁい」 よかった、女性の声だ。 扉が開かれる。 ——そうきたか そこにいたのは、ながーい首を持つ美女、いわゆるところのろくろ首、と呼ばれる妖怪のような女性だった。 to be continued…
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#AWsTwitter小説(2020/4/3 - 1) しばらく世間話をした事で分かったが、ここは妖怪アパートと呼ばれているらしい。 エイプリルフールと妖怪の関係は分からないが、妖怪と言えばオカルト、GH案件と考えて良さそうだ。 さて、では、全く無害そうなこのろくろ首を俺はどうすれば良いのだろうか。
2020-04-03 19:43:00![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
#AWsTwitter小説(2020/04/03 - 2 世間話をして分かったが、彼女には確固たる自我がある。 自我がある存在をGH案件であるという理由だけで逮捕して良いのだろうか。 それとも人間に害を成すGH案件のみを取り締まれば良いのだろうか。 確認するのが一番早いが、既に説明済みだとクビがピンチだ
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#AWsTwitter小説(2020/04/03 - 3) そして、何がGH案件で何がGH案件でないかは、仕事の基本中の基本。まさか説明されてないとは思えない。 こういう時はどちらの方がリスクが低いかを考えるんだ。 ——逮捕してしまうと、不味かった場合言い訳が効かない。見逃した場合なら言い訳のやりようはある
2020-04-03 19:43:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
#AWsTwitter小説(2020/04/03 - 4) 心は決まった。話をしてみて人畜無害そうなら逮捕はしないことにしよう。 「ご協力ありがとうございました」 ろくろ首のお姉さんに頭を下げて、次の部屋に向かう。 ノックをしても返事がない。 「このアパートの部屋には必ず誰かしらいるって話だったが」
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#AWsTwitter小説(2020/04/03 - 5) ドアノブを回してみると、どうやら鍵はかかっていないらしい。 「すみませーん」 扉を開ける。 誰もいない。 いや、風呂場の方から水滴の落ちる音がする。 「入りますよー?」 部屋に踏み入る。ワンルームの部屋だ。見渡していない以上、考えられるのは。
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#AWsTwitter小説(2020/04/03 - 6) 風呂場に入る。ユニットバスだが、湯船にはお湯が張ってある。 「いない……?」 出直すしかないか。湯船に背を向けた瞬間、突然、足を掴まれた。 「なんだ!?」 ——湯船に、引きずり込まれる!? to be continued……
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#AWsTwitter小説(2020/04/04 -1) ——この湯船、こんな深かったか? 完全に体が水の中に沈み、ようやく正気に戻った時に思ったのは、そんな言葉だった。 ——まずい 息が出来ない。 腰に下げていた脇差、ニッカリ青江の写しを抜刀し、俺の足を掴んでいる腕(?)を斬り付ける。
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#AWsTwitter小説(2020/04/04 -2) 皺々の細い腕のクセして、刀の一撃で切り落とす事は出来ない。なんなんだこいつ。 息が苦しい。 ——このっ! 水で勢いを殺されているのだと理解して、より全力で刀を振るが、その程度で水の外のような勢いが出るわけがない。
2020-04-04 19:42:00![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
#AWsTwitter小説(2020/04/04 -3) 脳が酸素を欲している。 まずい、正常な判断力を失いかけている。 そうだ、刀というのは引く事で相手を切断すると聞いた事がある。 だったら。 腕に刀を当てのこぎりの要領でギコギコと刀を引く。 ——よし、刃が入った!
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#AWsTwitter小説(2020/04/04 -4) 痛みによってか、足が手放される。 「ぷはっ」 急いで浮上し、息を吸い込む。 肺にようやく新鮮な酸素が取り込まれる。しかし、安心はしていられない。 すぐに足が掴まれ、また水中へと逆戻りさせられる。 ——次は本体を叩く!
2020-04-04 19:42:00