普段はロリだが変身するとムキムキ爆乳ボディになる女鍛冶屋がえっちな活躍をする話1（#えるどれ）

帽子男 @alkali_acid

たちまち周囲の白い肌の男達が殺気だち、幾人かが掴みかかって抑えつけようとする。 「はっ！なんだそりゃ」 若者は拳で一人を殴り飛ばし、もう一人を掴んで別の一人と頭同士をぶつけあわせ、背ろから襲ってきた一人を槍めいた後ろ蹴りで吹き飛ばす。

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すぐに人だかりができるが、面子を潰された制服の群は収まらず、次々に同輩を呼び寄せてはしゃかりきにかかってくる。 「雑魚が何匹来ようが同じだろうが！」 東夷と呼ばれた暗い膚の丈夫はちぎっては投げちぎっては投げという勢いで叩き伏せていく。

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とうとう鷲の腕章と胸甲をつけ、武装した一隊がやってきて、野次馬を追いやり、暴れ続ける若者を扇状に取り巻いた。 「おとなしくしろ」 隊長らしき人物が警告する。

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だが血に猛った東夷は、額に青筋を立てたまま、じろっと一瞥しただけだ。 「おいおい憲兵の装備がその旧式銃かよ…伝説の銃工がいるにしちゃごみみてえな…」 指揮官が合図すると、銃口が一斉に標的の胸や頭を捉える。 「次は撃つぞ」

帽子男 @alkali_acid

暗い膚の丈夫の口元に歪んだ笑みが浮かぶ。 「てめらこそ…街ごと…絶滅させてほしいらし…」 明るい肌の隊長が射撃を命じる刹那、あたりに多彩の光の花が咲き乱れ、憲兵の注意をそらした。 ぽかんとする若者の血まみれの手を、小さくやわらかな手がそっとつまむ。 「こ、こっち」

帽子男 @alkali_acid

ウィストは、獣じみた男をひっぱって、大通りから連れ出し、闇雲に小路のひとつにもぐりこんだ。 「おい…おい」 「逃げなきゃ…じゅ、銃で…撃たれ…」 「おい」 「ゲラや…ヂップみたいに…」 「止まれ」

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若者は逆に少女の手首をつかんで引っ張りよせると、じっと覗き込んだ。 「なんだてめえは」 「と、とおりすがりです」 「あのきらきらしたのはてめえがやったのか？」 「…き、きのせい」 「遺物かてめえ」

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びくっとなったウィストはあらためて見上げてから、ぞわっとうなじの毛を逆立てる。 しまった。 前に会った際、微妙に印象が薄かったので気づかなかったが、相手は世界を超常の災厄から守る秘密結社、財団の職員だった人物だ。

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ウィストが仲間の黒猫と騒ぎを引き起こした際、止めようとして巻き添えをくらったかわいそうなごく普通の若者だ。取り乱してまた巻き込んでしまった。 「ごめ…なさ…」 「顔隠してんじゃねえ！」 男はいらついたようすで、いきなり娘の頭巾をひんむき、ぎょっとなる。 「ダリュ…ーテ？」 「え？」

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「んな…訳ねえか…なんだこの耳は」 若者がさっと指を伸ばして少女の尖り耳をつまむと、たちまち裏返った悲鳴とともに矮躯がくたっと腰を抜かす。

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「キーッ！」 頭巾の中からやっともがき出た蝙蝠が怒って左右非対称の翼をばたつかせ、とびかかるが、ウィストはかすれた喉でしかる。 「だ…め…ふつうの…ひと…きずつけ…ちゃ…」

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「…んだよ…がきが…お前の方がよっぽど死にそうにひょろひょろじゃねえか…よっ」 若者はぐったりした少女を横抱きにする。 「…ま、お前みたいな弱っちい遺物がいるはずねえか。おい。ちび。俺は牙の部族ガウドビギダブグ。てめえは？」 「あ…ぅ…」 「答えろや」 「あ…クレ…ノニジ…」

帽子男 @alkali_acid

「クレノニジ…ふん。きれいな名前じゃねえか。とりあえず俺のねぐらに連れてってやる。あ？うっせえな食うぞバタバタ野郎！」 ガウドなる若者が脅すと、周囲を飛び回っていた蝙蝠は一瞬、左右非対称の翼を開いたまま硬直させた。たちまち低い地鳴りが起き、石と砂漿（モルタル）造りの建物が震える。

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だが逞しい腕に抱きとられた少女が弱々しくまた首を振ると、蝙蝠は建物の吐水口の影に退き、街の振動は止む。 「ったく。おら、行くぞクレノニジ」

帽子男 @alkali_acid

さっき命を救ってもらったことなどもう忘れたかのように、暗い膚の丈夫は同じ色の娘に恩着せがましく呼び捨てて、さっさと持ち帰りの構えになる。 「ふん…においまでダリューテに似てやがる」 女ってものはがきでも良い匂いがするんだなと益体もないことを考えながら。

帽子男 @alkali_acid

次回「ウィストの狭の大地あっちこっち」シリーズは、 「クク…お兄さん。そんなに雌になりたいの？いいよ。すぐに変えてあげる」 乞うご期待。