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普段はロリだが変身するとムキムキ爆乳ボディになる女鍛冶屋がえっちな活躍をする話1(#えるどれ)

情報量が多すぎる 「#えるどれ
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帽子男 @alkali_acid

「それがなんだってんだい!ああ!あんたって人は!いいかい!あの悪魔の娘っこを捕まえときゃ、あたし達は皇帝陛下みたいな暮らしができたんだよ!この狭い地所にしがみついて一生どこへも行けないで終わるあたしらが!」 「欲をかきすぎりゃあ、妬みも招くしよ…」 「馬鹿!」

2020-04-10 21:48:45
帽子男 @alkali_acid

妻は地団駄を踏む。 「たった一度きりの魔法だったんだ!たった一度きりの!例えどんな目に会おうと、最後ま離しちゃいけなかったんだよ!」 そうしておいおいと泣き出した。夫はいつも気の強い伴侶の取り乱しように慌ててから肩を抱く。 「よせやい。え?下の娘だって奉公から戻るしよ」

2020-04-10 21:50:39
帽子男 @alkali_acid

「ああ…悔しいねえ…悔しい…」 「おい…じゃあ呼び戻す方法を考えようや」 「できっこないよ!ああ…いいさ。下の娘が帰ってきたら、干しブドウ入りの麺麭を焼こうね…酒に漬けて戻したやつでさ…」 「おう。そうしようさ」 「よそにゃあ何にもなかったふりをするんだよ。いいね」

2020-04-10 21:52:44
帽子男 @alkali_acid

結局、皇帝陛下のようにとはいかないが、黒の乗り手を泊めた農家の暮らし向きはぐっとよくなった。だが特に怪異と呼ぶほどのことでもない。したがって教会や役所はもちろん、世界にあらわれる超常の存在を監視する秘密結社、財団の注意も惹きはしなかった。

2020-04-10 21:55:09
帽子男 @alkali_acid

一方の少女と蝙蝠はまたてくてくと道を往く。 「え?ちがう?こっちじゃない?」 頭巾の娘が迷子になりそうになるたび、相棒がかそけく啼いて引き戻す。 「…ごめ…」 「キーキキ」 「うん…そうなんだ…」 「キキ」 「面白いね…おっきな工場もあってさ…流れ作業?っていうので」

2020-04-10 21:57:09
帽子男 @alkali_acid

とりあえず正しい進路と思しき方向へ行きつつ、ウィストは以前より饒舌に、チノホシと対話を続ける。 「うん…いろいろ…わかって…よかった?」 「キキー」 「今の人間は、昔のどわーふ?と同じ?ぐらい?ほんと?」 「キキッ」 「そうじゃないけど、もっとすごいとこもある?」 「キー」 「そっか」

2020-04-10 21:59:53
帽子男 @alkali_acid

農道から街道に出ると、少女は途中でさすらいの民の馬車に追いつかれ、しばらく迷ったが符丁をかわして相乗りさせてもらうことにした。 「お嬢ちゃんどこのもんだ?親は」 「占い女ゲラと車牽きヂップに育ててもらった」 「そうかい。俺は皮なめしのドニフの甥の香水売りメニカ」

2020-04-10 22:04:06
帽子男 @alkali_acid

メニカは色々噂を知っていて、ウィストと話を交換したがった。 「三日月の帝国と双頭の鷲の帝国はまた小競り合いさ。今度は共和国の軍船が南から入ってくるとよ。霧連山の向こうからも…」 「あの…」 「大丈夫大丈夫。うちの馬は俺が何もしなくても道は知ってるのさ」 「あの…やっ…」

2020-04-10 22:07:01
帽子男 @alkali_acid

ただ香水売りは悪気なく頭巾の娘の尻を揉んだ。 「んっ…ぁっ…」 「うちの馬車は空きがある。俺の女房にならんか?」 「…えっ…や…もうおりま…」 「ちょいと小さいが、飯を食えばでかくなるだろ。尻は安産型だし、珍しく男をはねつけないし、気に入った」

2020-04-10 22:10:34
帽子男 @alkali_acid

「ぁぅっ…ぁっ…んっ…」 「近頃の女はひどいもんだぜ。この前の祭りでも、俺の友達はつけ爪で顔をひっかかれてさ。あとで化膿して死ぬとこだったよ。痕がまたひどい。おちびさんは西方人の金持ちの娘みたいにおとなしいな」

2020-04-10 22:12:49
帽子男 @alkali_acid

多少の不遇には慣れたウィストだが、片手で手綱を操りながら片手で尻を揉むという曲芸をこなす男は初めてで、しかも向こうがやたらもの慣れているのでどうしたらいいか解らない。 「あ…ひっ」 「とりあえず子供ができりゃ気持ちも決まるだろ。いま血の溢れの時期か?」 「ひっ」 「違いそうだな」

2020-04-10 22:15:26
帽子男 @alkali_acid

女童は焦燥に駆られあたりを眺め渡したが、やがて積み荷の見本らしき万華鏡に夢中になっている蝙蝠を視界に入れる。 「ち、チノホシ」 「キキィ…キィ…」 「チノホシぃ…っ…たすけ…て」 「キ、キキキ…」 聞こえていない。

2020-04-10 22:18:04
帽子男 @alkali_acid

せっぱつまったウィストはメニカを振り返り、涙目で訴える。 「あ、あの…やめて…ください」 「え?」 「やめ…」 「何だ。乗り気じゃないのか」 すっと手が引く。 「先に言ってくれよ」 「えっ…」 「ま、もうちょっと大きくなってからの方がいい」

2020-04-10 22:19:59
帽子男 @alkali_acid

「…え?え?」 「もっと食えよ。尻はよかったけどほかはやせすぎじゃないのか?」 「ご…ごめ…なさ…い?」 「気をつけてくれよ?産む子の健やかさにもかかわるんだぞ」 「子…」

2020-04-10 22:21:20
帽子男 @alkali_acid

ともかく香水売りのおかげで町には早めに到着できた。 「学問の都はまだ随分あるけどな。例の鉄道ってやつがあればあっという間なんだろうけど。まあ俺はこっから東だからな。年頃になったらまたな」 「…は、はえ…?ひうっ」 餞別代りに尻を鷲掴みにしてからさすらいの民の青年は去って行った。

2020-04-10 22:26:00
帽子男 @alkali_acid

土産に万華鏡の見本をくれた。 チノホシはまだ夢中だ。 「あの…」 「キー」 「単純な作りだけど、見事?…そう…」 まだ疼く腰をさすりながら、ウィストは市壁の方へ向かう。だが途中でぎょっと足を止める。 道の先の検問所に鷲の印の旗が翻っていた。

2020-04-10 22:30:49
帽子男 @alkali_acid

ひどく嫌な記憶が脳裏をかすめ、少女は縮こまる。竦む肩にしがみつく蝙蝠はしばらく鳴き声もさせずにおとなしくしていたが、やがてまた接吻を求めた。 「だめだよ…」 「キー」 「噴火はだめ…」 「キキ!」 「ちがうの?」

2020-04-10 22:34:48
帽子男 @alkali_acid

一人と一匹の影が溶けあい、傴僂の鍛冶があらわれる。 たわわな乳房をゆすると、万華鏡を掴んで道をそれ、野に分け入っていった。

2020-04-10 22:36:43
帽子男 @alkali_acid

しばらくすると、また蝙蝠と少女が戻ってくる。手には例の鏡を仕込んだ小筒を握っているが、どこか形が変わっている。 気の進まぬげに検問所へ近づくと、歩哨が気づくのと同時に、さっと指に掴んだ品を差し出す。

2020-04-10 22:40:03
帽子男 @alkali_acid

夕暮れの前の危うい黄金の陽射しが万華鏡に触れると、屈折した多彩な光の花があたりにあふれ、すっぽりと一人と一匹をおおいかくし、さらに広がって検問所まで到達する。 兵士がぼんやりと無数の対称形でおりなされた幻像に魅入っている間に、少女と飛獣は足早に脇をすり抜けていった。

2020-04-10 22:43:39
帽子男 @alkali_acid

万華鏡をしまうと、絢爛の虚影は消える。 頭巾の娘はいそいそと道のわきによって、さも市内へ戻る途中の使い走りのようにふるまおうとする。ぎこちないが、まだ周囲の人々は軍民とも酔ったようなようすのままだ。 「これ…噴火より…よくないんじゃ…」 「キキー」 「チノホシ…」

2020-04-10 22:46:24
帽子男 @alkali_acid

ひょっとして新たに友達になった黒蝙蝠は、もっと古い馴染の黒猫や黒歌鳥よりも、さらに危なっかしいのではないか。 ウィストは一瞬そう考えたが、どんどんつらくなってくるのでやめた。

2020-04-10 22:48:04
帽子男 @alkali_acid

とりあえず真新しい城塁をくぐって、ごったがえす馬車や荷役に轢かれたり潰されたりしないように必死になって進む。 「ごはんと…あと…」 「どけ!暗肌!」 不意に聞こえた西方人の罵倒語にぎくっとなって頭巾を抑え、できるだけ建物の壁に寄って小さくなろうとする。

2020-04-10 22:51:44
帽子男 @alkali_acid

「あ?なんつったてめえ」 だがすぐに喚き返す声がする。訛りのないきれいな西方語、双頭の鷲の帝国の共通語だ。 蝙蝠がもぞつくのて仕方なく振り返ると、浅黒く丈高い若者が、ずっと背の低い、といっても西方人としては並の大きさの兵士の胸倉をつかんで宙に釣り上げている。

2020-04-10 22:54:26
帽子男 @alkali_acid

「きさまあ!東夷が皇帝陛下の兵に手を触れるかあ!」 「はっ…じゃあ手じゃなくて、頭にしといてやる、よ!!」 若者が思い切り頭突きをくれると、即座に相手は額が割れて血が噴き出し、泡を吹き白目を剥いて気絶する。

2020-04-10 22:56:21