【報道と論文・データベース】喘息(ぜんそく)と新型コロナウイルス重症化の関係について(2020.4.20作成)

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内田 @uchida_kawasaki

Does asthma affect morbidity or severity of Covid-19? - Journal of Allergy and Clinical Immunology jacionline.org/article/S0091-…

2020-06-02 20:34:33

2020.9.2追加

influenzer @influenzer3

●喘息患者はCOVID-19に罹患しにくく重症化もしにくい →呼吸器系の疾患なのでリスク因子になりそうですが、メタ解析では異なる結果となっています。 吸入ステロイドの免疫抑制活性の影響か、吸入ステロイドがACE2の発現に影響するのか?

2020-08-26 20:25:32
influenzer @influenzer3

あるいはアレルギー体質という免疫応答の傾向が、重症化と関連する免疫応答を起こしにくいのか? Does asthma affect morbidity or severity of COVID-19? jacionline.org/article/S0091-…

2020-08-26 20:25:32

Does asthma affect morbidity or severity of COVID-19? - Journal of Allergy and Clinical Immunology https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(20)30736-3/fulltext

喘息はCOVID-19の罹患率または重症度に影響しますか?

influenzer @influenzer3

----- ・複数の地域の17,000人以上の患者を含む8つの報告を解析。 ・喘息患者のCOVID-19患者に占める割合は、地域の有病率よりも有意に低かった。 ・2つの研究ではCOPDが重症化傾向があることを示したが、喘息は重症化傾向はなかった。 ----

2020-08-26 20:25:33
influenzer @influenzer3

・8つの検討のCOVID-19患者中の喘息患者の割合と地域の喘息有病率  数値上、地域の有病率よりもCOVID-19における喘息患者の割合が多かったのは2報のみ。  全体では8% vs 5.3%(p<0.0001)で喘息患者はCOVID-19に有意に罹患しにくいという結果。 pic.twitter.com/29Cp086eZB

2020-08-26 20:25:33
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influenzer @influenzer3

・重症化リスクを評価した2報  中等症あるいは重症患者中の各疾患の頻度は  COPDが1.5%→6.5%(p=0.000)、DMが6.7%→25.0%(p=0.000)と重症化と関連あり。  喘息では4.1%→5.5%(p=0.111)と有意差なし。 pic.twitter.com/DXa9Q7WbNn

2020-08-26 20:25:33
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influenzer @influenzer3

●喘息患者の気道細胞上のACE2等の発現は吸入ステロイドにより減少する →昨日、喘息患者がCOVID-19の罹患率が低く、重症化率も低いというメタ解析を紹介しました。 以下は吸入ステロイドがACE2とTMPRSS2の発現を用量依存性に減少させるという報告です。

2020-08-27 20:39:51
influenzer @influenzer3

喘息患者がCOVID-19を発症しにくいメカニズムの一つになりうるかと。 COVID-19–related Genes in Sputum Cells in Asthma. Relationship to Demographic Features and Corticosteroids atsjournals.org/doi/10.1164/rc…

2020-08-27 20:39:51

COVID-19–related Genes in Sputum Cells in Asthma. Relationship to Demographic Features and Corticosteroids | American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.202003-0821OC

喘息の喀痰細胞におけるCOVID-19関連遺伝子。 人口統計学的特徴およびコルチコステロイドとの関係

influenzer @influenzer3

---- ・SARS-CoV-2は宿主細胞上のACE2とTMPRSS2を介して感染する。  喘息患者における喀痰細胞上のこれらの発現量の違いを検討することにより、COVID-19罹患リスクの高いサブグループを特定しようと試みた。

2020-08-27 20:39:52
influenzer @influenzer3

・SARP-3 (Severe Asthma Research Program-3) に参加している喘息患者330人と非喘息健常対照79人を対象とした。  喀痰中のACE2とTMPRSS2、ICAM-1(風邪を起こすライノウイルスの感染に関連)の発現量(mRNA)を検討した。

2020-08-27 20:39:52
influenzer @influenzer3

・喀痰採取は生理食塩水を12分間ネブライザー吸入して行った。2分ごとに吸入を中断して唾液を吐き出させたあとに、喀痰を採取した。 (結果) ・ACE2の遺伝子発現はTMPRSS2よりも低かった。両遺伝子の発現は喘息患者と健常人で同程度だった。

2020-08-27 20:39:52
influenzer @influenzer3

・喘息患者の中では、男性、アフリカ系アメリカ人、糖尿病歴がACE2およびTMPRSS2の発現量が高かった。  吸入ステロイド(ICS)の使用はACE2およびTMPRSS2の発現量低下と関連していたが、トリアムシノロンによる治療はいずれの発現も低下させなかった。

2020-08-27 20:39:53
influenzer @influenzer3

・ICAM-1の発現は喘息患者で一貫して上昇しており、性別、人種、ICSの使用も無関係だった。 ----- ・検討症例の患者背景。  年齢は平均年齢40代の成人です。 pic.twitter.com/GlVcdUEMKx

2020-08-27 20:39:53
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influenzer @influenzer3

・喘息患者と非喘息健常人の喀痰中の遺伝子発現量の比較  両群ではICAM-1の発現量に差があり、喘息患者では風邪を引きやすい可能性がある?? pic.twitter.com/Z0jlrnHpmn

2020-08-27 20:39:54
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influenzer @influenzer3

・ACE2とTMPRSS2の発現量の相関  両群とも両者の遺伝子発現量は強い相関を示しています。  論文内ではこれは両遺伝子が同じ細胞上で発現していることを示しているとしています。  まあ妥当な推定かと思います。 pic.twitter.com/sf6kk5PPU4

2020-08-27 20:39:54
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influenzer @influenzer3

・サブグループ毎の各遺伝子発現の違い  男性は3つすべての発現量が多いです。  男性、黒人はACE2, TMPRSS2の両者とも、糖尿病歴はACE2の発現が有意に高いという結果 pic.twitter.com/Dl6kf7RECG

2020-08-27 20:39:54
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influenzer @influenzer3

・吸入ステロイドは用量依存性にACE2およびTMPRESS2の発現を減少  一方でICAM-1の発現は全く影響を受けていません。  非常に興味深いです。  降圧剤のACEIやARBの内服については、関連は見られなかったと本文に記載があります。 pic.twitter.com/ZU8jJ0AeA0

2020-08-27 20:39:55
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influenzer @influenzer3

・しかし持続型ステロイドのトリアムシノロンを筋注しても2週間後の遺伝子発現に変化なし  ステロイドの種類により作用が異なるのか、あるいは吸入による局所での高濃度が関連しているのか? pic.twitter.com/MHA9bCVqyM

2020-08-27 20:39:55
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influenzer @influenzer3

●喘息はCOVID-19の重症化率および予後には関連しない →ニューヨーク市での入院例を対象とした検討。 年齢別に解析しても、喘息患者は非喘息患者と比べ、重症化率も死亡率も変わらなかったという結果です。

2020-09-01 21:21:31