剣と魔法の世界にある学園都市でロリが大冒険するやつ2（#えるどれ）

帽子男 @alkali_acid

アケノホシはすぐにうずくまり、ついでごろりと転がって腹を見せた。そこにホウキボシがのっかって、くちばしでつつきまわす。 「アウン！アウン！クーン…」 「ピョロロロ！アケノホシ！」 「ワウン…」 「ウィスト！」 だがすぐ飽きたのか、また幼い娘の頭に飛び移る。 「カワイイジャン！」

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「キ」 続いて蝙蝠が少女の左肩に乗っかる。 「ワフ」 犬は右から足にくっつく。

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猫は団子になった仲間を一瞥してから、ちぎれ尻尾を波打たせ、破れ耳をぴくんと動かすと、ぷいとそっぽを向いて遠ざかり、すみっこまで行くと、座って毛づくろいを始めた。 「…あれ…待って…」

帽子男 @alkali_acid

ウィスティエはまとわりついてくる黒き獣や鳥の首にそれぞれ細鎖につながった指輪がぶらさがっているのを確かめ、あどけない容貌にゆっくり不吉の色を広げる。 昼間にリンディーレ教授から聞いた話を反芻する。 「はち…八匹いるの…全部で…」

帽子男 @alkali_acid

三匹と一羽は一斉にあさってを向いてそれぞれ勝手に囀ったりもぞついたりし始める。 「九匹…九匹かも…？…あの…」 無駄と知りつつ尋ねてみる。 「全部で…なんびき…」 なおも皆は知らんぷりだ。 少女はとてもつらい気持ちになったので、考えるのをやめて寝台に戻り、妖精の書を開く。

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「りゅうの、はき、てんにみちたり…」 朗読してからふと口ごもる。 「竜は、いない…？」 念の為確認する。

帽子男 @alkali_acid

猫、小鳥、蝙蝠、犬はそれぞれくつろぎの休憩場所からてこでも動かず、返事もしない。まるで自分達はそろってたいした知恵のない生きものと言わんばかり。 「竜…困る…」 せめてもそう断っておく。無駄かもしれないが。

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さて「ウィストの狭の大地っちこっち」シリーズ、 次回は「皆さん。転校生のウィスティエさんを紹介します。今日から学園で一緒に勉強するのですから、お互い仲良くして下さいね。さ、では一時限目は水泳です。すぐ着替えて下さい」 乞うご期待。