剣と魔法の世界にある学園都市でロリが大冒険するやつ4(#えるどれ)

今でも極制服がスケベなデザインになる理由がよく解ってない。
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帽子男 @alkali_acid

「なんと…では…いやだめだ!番長と水溶性繊維の関連が見いだせない。吾輩は何と応用に無能なのだ」 「カロザール先輩!元繊維の府付属中等部裏番の先輩にしかやつは止められねえっす」 「もちろん高等部の先輩に直接出てもらう訳にはいかねえっすけど…何とか先輩の繊維力(せんいぢから)で」

2020-04-29 22:11:50
帽子男 @alkali_acid

アンシオナがカロザールの白衣の腕に腕をからめて告げる。 「面白そうだね。見に行こうよ従兄さん。その番長狩りって」 「水溶性繊維の応用に役立つのか?」 「かもしれないよ」 「ではいこう」

2020-04-29 22:13:04
帽子男 @alkali_acid

ウィスティエは一連のやりとりをつぶさに見聞きし、どうやらかかわらない方がよいという結論にすでに達したので、小声で先んじて断った。 「あの…帰ります…」 「そうだ!紹介が遅れてた。この子は黒兎ちゃん。僕のお姫様だよ」 だがすらりとした上級生は空いた手で容赦なく下級生の腕をとる。

2020-04-29 22:15:08
帽子男 @alkali_acid

「…ん?どうぞよろしく。君は水溶性繊維の応用について何か意見はあるかね」 「え、ないです…」

2020-04-29 22:15:46
帽子男 @alkali_acid

繊維の府付属の中等部は高等部とつながった敷地にある。 すでに校庭には番長狩りなる人物が到着していた。 暗い膚に雲つく背丈。牙じみた歯のそろった口。黒い制服に金の釦。 すべてが怖い。

2020-04-29 22:17:55
帽子男 @alkali_acid

「君!他校の学生は…」 「るっせえ!どいてろ!」 巨躯の若者は、守衛をおしのけて進み出る。 「おら!ここにも番長ってのがいんだろうが!!とっとと出せや!もたもたすんならまとめて絶滅させんぞ!」

2020-04-29 22:19:33
帽子男 @alkali_acid

「番長って何?従兄さん」 「番長…うむ。何かだな」 面白がっているアンシオナに、カロザールは興味なさそうに答える。 「先輩そりゃないっすよ。元裏番じゃないっすか」 「…そうだったか…何かあった気がするが」 「うちの番長の繊維力じゃとても…」

2020-04-29 22:22:18
帽子男 @alkali_acid

繊維の府付属中等部の六年生があらわれる。背丈では劣るが横幅はしっかりある。 「お前が最近あちこちの学園を襲っちゃ番長を狩ってるっていうやつか…軍武の府付属も随分三下じみた真似するな」 「あ?うっせえんだよ。さっさと俺の下につくか死ぬか選べよ」 「ふ…見たとこ…改造なしの標準学生服」

2020-04-29 22:24:50
帽子男 @alkali_acid

繊維番長は上着の釦の一つを回す。たちまち制服が膨れ上がって、贅肉をむきむきの筋肉に変え、図体を二倍近く膨らせる。もはや番長狩りと体格差はない。いやむしろ繊維番長の方が上だ。 「俺の三つ星強化学生服に勝てるはずもなし!!!!死ねえ番長狩り!!」 「んだそりゃ」

2020-04-29 22:29:18
帽子男 @alkali_acid

番長狩りは繊維番長の顔面に打突を叩きこむ。だが強化学生服の袖が盾の如く防ぐ。 「きかんなあ!!よその学園はともかく、ここでは繊維力がすべて!お前のような繊維に愛されていないやつに!!!俺は倒せん」 「うぜえ…」 暗い膚に巨躯の学生は蹴と拳で猛攻をかけるが相手は耐えきり組み打つ。

2020-04-29 22:32:14
帽子男 @alkali_acid

「獲った!!!」 「あ?」 ぎしぎしと繊維番長は番長狩りの体を抱き潰すように閂を決める。 「んだ…てめっ…」 「このまま骨を折ってくれる!!」 「たかが…着るもんで…でけえ面しやがって…らああ!!!」 頭突き。

2020-04-29 22:33:50
帽子男 @alkali_acid

さらには剛腕が強化学生服の怪力を押し戻す。 「ぬうう!!」 「舐めてんじゃ…ねええええ!!!」 暗い膚の若者は相手の袖をつかむと、爪を立て、すさまじい力で引き裂いた。繊維がちぎれ、爆ぜ、火花さえ散らしながら破れると、急速に上下の衣装は縮み始める。

2020-04-29 22:36:11
帽子男 @alkali_acid

「ああん…」 もとのでぶに戻った繊維番長は身を縮めてうずくまる。 「俺の勝ちみてえだな…」 「く…カロザール先輩の繊維さえあれば…」 「るっせえ!負けてがたがたぬかすな!」

2020-04-29 22:37:43
帽子男 @alkali_acid

番長狩りは怒鳴りつけてから、繊維番長にびしっと指を突き付ける。 「負けた以上は俺の舎弟だ。だな!?」 「え、いや別にそういう仕組みは特に」 「舎弟だよな!?」 「は、はぃぃ…」 「よーし。んじゃ、この学園にウィストって女子がいるか探せ」 「え…うちに女子…?」

2020-04-29 22:39:38
帽子男 @alkali_acid

「あ?」 「いや…いなくも…ないけど…どういう」 「背が低い…」 「…いや、あんたに比べればだいたい皆低いんじゃ」 「すげえ低いんだよ!片手ですぽっと抱けるぐらいだよ」 「小動物?」 「んで、あー…素直だ」 「素直」 「あと怖がりだけど…そこが守ってやりたくなるっつーかな」

2020-04-29 22:41:37
帽子男 @alkali_acid

「はあ…」 「んで…顔は…なんつーか…がきだけど…悪くねえ…そらから…あと…痩せてる割に意外と尻が丸くて触り心地がいい」 「はあ…?」 「触ったら殺す」 「はあ……?」

2020-04-29 22:43:27
帽子男 @alkali_acid

「名前は変わってるかもしんねえけどな!探してこい!」 「え…今の情報で?」 「舎弟が逆らってんじゃねえ!!」 「な、なんなんだ…」

2020-04-29 22:44:18
帽子男 @alkali_acid

離れて見守るアンシオナは、ちらっと視線を落とすと、隣にいたはずのウィスティエはかなり遠くに離れて、耳当てを抑えて隠れ縮こまっている。 「お尻…丸いんだ」 「すばらしい…」 そばでカロザールが呟き、いきなり番長狩りに近づく。

2020-04-29 22:47:31
帽子男 @alkali_acid

「君!名前は!」 「んだてめえは!」 「吾輩はカロザール!繊維の府高等部の修士課程だ!興味深い!三つ星強化学生服を素手で拉ぐとは…君がはたして強化学生服をまとえばどうなるのか…試してみたい!」 「んだこいつ…ケログムの親戚か何かか?」 「博士の知り合いか?それなら話は早い!」

2020-04-29 22:49:59
帽子男 @alkali_acid

元繊維の府の裏番がまとわりついてくるのを、番長狩りはうっとうしそうに追い払おうとするが、相手はいざ関心を抱くとかなり執拗に食い下がってくる。 「ところで水に溶ける繊維に興味はあるかね?」 「ねえ!」 「そうか…」 「それよりウィストって女子を探せって言ってんだ」 「知らん」

2020-04-29 22:54:28
帽子男 @alkali_acid

「だったら死ね!」 番長狩りの鉄拳をいきなり枕のように膨らんだ布の塊が受け止め、爆ぜて衝撃を散らす。カロザールの護身用の道具のようだ。 「すばらしい威力だな。ところでそのウィストというのは何なのかね」 「俺の女衆…てめえらの言葉なら嫁だ。俺の嫁」 「学生結婚かね」 「あ?まあな」

2020-04-29 22:57:17
帽子男 @alkali_acid

「そろそろ子供作らせるとこだってのに臍まげてどっか行きやがって…」 「そうかそうか。恐らく強化学生服が問題を解決するはずだ」 「ああ?」 「任せてくれ。君の為に吾輩が最高の一着を用意しよう」

2020-04-29 22:59:13
帽子男 @alkali_acid

アンシオナはそっと従兄から間合いを空けつつ、校舎の影にうずくまっているウィスティエに近づいた。 「あれ恋人?」 「ちがいます…」 「そうだよね。ぜんぜん黒兎ちゃんの好みじゃなさそう」 「…好み…とかじゃなく…」

2020-04-29 23:01:16
帽子男 @alkali_acid

「大丈夫」 短い裳裾の四回生は急に王子様の表情になって、一回生の姫君に告げる。 「僕が守ってあげるよ。あんなけだものからはね」

2020-04-29 23:02:26
帽子男 @alkali_acid

明るい肌をした上級生の言葉に、暗い膚の下級生は小さく溜息を吐くしかなかった。

2020-04-29 23:03:42
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