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近現代美術史・キャラクター表現論を研究。京都精華大学マンガ学部マンガ学科/大学院マンガ研究科准教授。著書に『ヘンリー・フューズリの画法 物語とキャラクター表現の革新』(三元社)。シラスチャンネル「松下哲也のアート講釈日本地」にて動画配信中!
なんで石膏デッサンに物申したくなるかっていうと、本当はあれって漢字の書取り帳みたいな教科書があって、最初はそれを模写させてから実物を書かせるのね。この部位とこの部位は何対何という比率まで書いてある。かたや日本の画塾は汗と涙の根性論が大好きなので、いきなり立体描かせるのね。
2020-05-11 18:00:10どう考えてもそんなものいきなり描けるわけないわけですけど、まず最初に初心者を圧倒的に打ちのめすことを通じて体育会系的な主従関係を叩き込むのね。これはカルト宗教やブラック企業の洗脳と同じ手法です。だから心の底から嫌う人間が多い反面、その環境に過剰適応する人も出てくる。
2020-05-11 18:00:11なので、受験生の皆さんは予備校にある合格者の参考作品を模写しましょう。石膏像なんか見て描くのは描けるようになってからでいいです。
2020-05-11 18:02:56一番有名な教科書(漢字の書き取り帳のようなもの)はシャルル・バルグの本だけど、こういう本は19世紀ごろからいっぱい出てんのよ。そういう本を模写してれば対象の比率の計測の方法や面や陰影の分割のしかたがわかるようになるし、大学受験の傾向と対策がいらないのであれば家で独学できますよ。
2020-05-11 18:15:02@pinetree1981 えー、石膏デッサンは、形を見る目を付ける練習なんで、本来、こうかけ、この比率が正しいなんてのは意味がないです。動いてる人間の形をじっと見るのは難しいんで、動かない造形物で代用してるのです。大事なのは立体物を平面に切り替える「眼」の訓練なんで、描くほうは二の次です。
2020-05-11 19:40:11@pinetree1981 これは物真似芸なんかにも言えることで、普通の人は、関根勤さんの演じる物真似の物真似は出来ても、まだ誰も物真似をしていない人の物真似を魅力的に組み上げることは出来ない。浦辺粂子さんが片岡鶴太郎さんに凝視されるのが困ると言ってた、ああいう技能を鍛えないと出来ないことです。
2020-05-11 20:21:17ピカソの早熟
たとえばピカソは早熟の天才だという話が好きな人は多いと思う(し実際に天才的な画家だとは思う)けど、彼が子供の頃に描いた「天才的な」デッサンって『シャルル・バルグのドローイングコース』という本の模写ですよ。 amzn.to/3bj2MsZ
2020-05-11 20:29:21左がお手本で右がピカソの模写ね。こうしてみると早熟とはいえ子供の絵でしょう? pic.twitter.com/NbUHZGxPPf
2020-05-11 20:35:13忍たまはいいぞ
@pinetree1981 わかる…。平面トレス→見ながら(平面)模写→見ながら(立体)模写ってやるのがいいって、忍たまの色塗り本も似たようなこと言ってる。
2020-05-12 00:26:35@pinetree1981 ちなみにこちらです。(忍たまはいいぞ!!) pic.twitter.com/roAQhElBkK
2020-05-12 00:44:47