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ジャンルによる描写の違い、及び特殊な視点の使い方の事例

「五代ゆう先生の描写論、及び榊一郎先生によるネタ出し論 ー農業を例にー」 http://togetter.com/li/153469 に続き、両先生による描写の方法論。 前半は榊一郎先生による「現代物ラノベにおける描写の特性」論。「ファンタジー物」と「現代物」でどのように描写の方法が違ってくるかという具体例。 後半は五代ゆう先生による「特殊な視点の使い方による効果の事例」。 続きを読む
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榊一郎@「けいたん。」発売中です! @ichiro_sakaki

そーいえば。昨日の五代さんのツイートですが、アレは「見た事が無いものを描く」パターンでしたが。勿論、ラノベの場合、現代学園ものとかやったりする場合もある訳で。そういう場合のサンプル(実は数年前にある必要があってちゃちゃっと書いた出だし)。 #sousaku

2011-06-24 14:02:56
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偶然の出来事の大半が別に深い意味など無い様に――それもまた然したる意味は無かった。 遠い遠い遙か彼方の深淵から飛来した石ころが、それよりも大きな、同じ処をぐるぐる回っている石ころにぶつかっただけの話である。誰かが何かを目論んだ訳ではない。何かを希望した訳でもない。#sousaku

2011-06-24 14:03:51
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それはただそれだけの出来事。  勿論その石ころ同士には実に数百万倍の大きさの差は在って、片方は『惑星』と呼ばれていたり、片方は『隕石』と呼ばれていたりもしたが、そもそもその差ですらも然したる意味は無い。結果的にその惑星の大気圏に突入した隕石は、#sousaku

2011-06-24 14:04:25
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空気との摩擦熱でその大半を削り取られたりもしたが、やっぱりその事にはなーんの意味も無い。 隕石が降ったのも偶然なら、それが燃え残って惑星のとある部分に落下したのも偶然。 そしてその中に――その惑星には本来無かった何かが含まれていたのも偶然。 何もかも偶然。 #sousaku

2011-06-24 14:05:28
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けれども。  その石ころが落ちた時から数えて二十公転周期――もっと簡単に言えば二十年後。  色々な因果関係を経て一人の少女に起こった出来事は、それは偶然ではなく、あるいは必然であったのかもしれない。 #sousaku

2011-06-24 14:05:50
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 海老原家の朝はテレビの画像の歪みと共に始まる。  といっても海老原家の大黒柱――という建前の穀潰したる海老原啓介にとってはそれは昨晩の続きでしかない。 #sousaku

2011-06-24 14:06:58
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創作的文筆業、もっとぶっちゃけて言えば売れない作家なんかをしちゃってる彼は、しばしばネタに詰まったという事を理由に、仕事をサボって徹夜でDVDを見たりする。だから彼は未だ日付が変わる前から寝ていなかった。 #sousaku

2011-06-24 14:07:35
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「んー?」  啓介は顔をしかめて上の方が奇妙にゆがんでいる画面を眺め――ちなみに画面の中では鎧を着た金髪の少女が剣をぶん回している――ふと視線を頭上に転じた。 「ああ……もう朝か」 #sousaku

2011-06-24 14:08:20
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 頭上には地下室の天井が在るだけなのだが、まるでその向こうを見透かすかの様な眼で啓介は呟く。ちなみに彼の仕事部屋は地下に在るが、何故かその天井にはびっしりとアルミホイルが貼ってあったりする。#sousaku

2011-06-24 14:08:55
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余人が見れば何事かと思うだろうが、これは海老原家ではおなじみの室内風景ではあった。 「…………んー」  ぼりぼりと後頭部を掻きながら腰をあげる啓介。 #sousaku

2011-06-24 14:09:18
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 彼はあくびをかみ殺しながらパソコンだのAV機器だのの電源を全て落とすと、一階へと続く階段を上がっていった。#sousaku

2011-06-24 14:09:53
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――って全然学園でもなけりゃ美少女も出てこないのですがw<この後、ヒロインが出てくるんですけどね #sousaku

2011-06-24 14:10:35

解説:「現代物」と「ファンタジー」とで、どう描写が違ってくるか

榊一郎@「けいたん。」発売中です! @ichiro_sakaki

現代ものである場合、実は全ての事物を描写する必要がありません。例えば「トラックが突っ込んできた」のと「ドラゴンが突っ込んできた」では、ドラゴンの場合は大きさやら色やら何やら描写せんといけませんが、トラックの場合は、基本、その一語で読者の頭の中に #sousaku

2011-06-24 14:11:53
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生じるイメージで事足りる。という事は、むしろ小説としての冒頭部、出だしの描写などは、そうそう、情景描写に文字数を割かなくてもいい、という場合もある訳です。先のサンプルの場合、作家の部屋である事が示されているので、「最大公約数的な作家の部屋のイメージ」から#sousaku

2011-06-24 14:14:54
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明らかに違う部分だけをピックアップして特徴として描写する。更に言えばその特徴(天井のアルミホイル)こそが、後々の伏線として機能する、と。#sousaku

2011-06-24 14:15:45
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ついでに言うと、敢えて、軽い、間の抜けた語調を随所に使っていますが、「作家なんかをしちゃってる」「やっぱりその事にはなーんの意味も無い。」こうした文体は、当然、今から始まる作品が「鬱展開シリアスではないです、割と軽いコメディ系」という示唆になり、#sousaku

2011-06-24 14:19:03
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読み手の側の意識は「これはコメディだ」とうっすら認識しつつ、この先を読んでいく事になります。ついでに言えば、隕石だの、パソコンだの、DVDだの、という単語が普通に出てきているので、これが現代社会か、それに類する舞台である事は明白。#sousaku

2011-06-24 14:20:24
榊一郎@「けいたん。」発売中です! @ichiro_sakaki

現代もの、学園もの、というタイプの話は、逆に「誰も見た事の無いものを描写する」割合が、異世界ファンタジーとかに比べて著しく低いので、むしろ主人公達の内面描写やら何やらの描写に枚数が割けたりする。#sousaku

2011-06-24 14:23:01
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更に言えば、特定の単語からどんなイメージを他人が連想するか、というのは、比較的理解しやすい(「ぼりぼりと後頭部を掻きながら腰をあげる啓介。」この動作と表現だけで、啓介が、美形のスポーツマンタイプではないのは何となく分かる)#sousaku

2011-06-24 14:25:28
榊一郎@「けいたん。」発売中です! @ichiro_sakaki

つまり直接的な描写ではなく、連想に連想を繋げて読者の中のイメージを制御するという手法が、こういう現代ものでは使いやすい、という話#sousaku

2011-06-24 14:26:30
榊一郎@「けいたん。」発売中です! @ichiro_sakaki

ちと昼飯に呼ばれたので離席します。すまぬ。

2011-06-24 14:26:47

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