茂木健一郎 感性

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茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(1)鈴木芳雄さん( @fukuhen)と、パウル・クレーについてのトークをした。その中で改めて思ったこと。芸術とは、感性である。だからこそ、素晴らしい。当たり前のようだが、感性を生きることは厳しく、嬉しいんだな、これが!

2011-06-25 07:07:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(2)感性とは何か。ある作品を前にして、良いと思う、凄い、惹き付けられる、それが全て。その作品が有名だとか、大作家によるものだとか、値段が高いとか、そういうことはどうでもいい。ただ、自分の心が動かされてしまうこと。その理由は、決してわからない!

2011-06-25 07:07:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(3)世間で大作家とほめられている人の作品でも、一向にぴんと来ないことがある。「甘いな」と思うことがある。それでいいんだ。その君の感性は、ひょっとしたら間違っているかもしれない。でも、それが君のありったけ。感性を信じるということは、リスクをとるということなんだ。

2011-06-25 07:09:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(4)今、国立近代美術館でやってるパウル・クレー展。会場に行ったら、一つひとつの作品の前に立って、自分という楽器を共鳴させてほしい。どれがいいと思うか。ぼくは「おばけ」と「のぞいている人」が良かったな。どれだって? 行けばわかる。自分の感性がどれを拾うか!

2011-06-25 07:10:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(5)クレー展の横で、岸田劉生の『切通し』が展示されている。これが凄い絵なんだ。土の塊がわーっと迫ってきて。普通の風景のはずなのに、尋常じゃない! なんで岸田劉生が凄いのか。感じるしかない。方程式なんてないよ。何を感じることができるかの真剣勝負。

2011-06-25 07:13:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(6)東京芸術大学は、美大で入るのが一番難しいと言われている。でも、どうやって実技で決めているのかな? 感性しかないでしょ。二つの絵を比べて、どっちを入れるか。偏差値などない。それで油絵科なんて何十倍になるんだから、凄まじい話じゃないかね、君!

2011-06-25 07:14:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(7)誰かがお墨付きしてくれるとか、画商が号いくらと値付けしてくれるとか、そういう世界でいる限り、自分の感性は動き始めない。とにかく信じるしかないんだよ。託す。間違うかもしれないが、信じる。これができると、自分というコマがぐるぐるまわり始める。回ってナンボだ。

2011-06-25 07:15:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(8)つまり、感性というのは、アナーキーであり、下克上なんだ。同時代にちやほやされ、先生先生と言われている画家だって、そんなもんオレにとってはケ! と言っていいんだよ。感性というのは、それくらい、自分の身体と一体となって、「今、ここ」で生きるということなんだ。

2011-06-25 07:16:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

感性(9)感性は、芸術のことだけじゃないよ。生きる現場の全てにおいて。権威や、点数や、評価や、肩書きや、そんなもんを信じて自分の感性を質入れしていちゃだめだ。正解のない世界で、必死に探し回り、動き、見つけ、寄り添う。そんな生き方は、実に素晴らしくないかね、諸君!

2011-06-25 07:17:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「感性」についての連続ツイートでした!

2011-06-25 07:17:48