茂木健一郎さん連続ツイート2011年6月

「東大とハーバード(はと)」「常道」「はやくとゆっくり」「パターナリズム(父権主義)」「恥ずかしいこと」「たま」「いのち」「ルール」「制服の風景」「恐山」「丸山健二さん」「英語の能力」「ネイティヴ」「不得意」「和仁陽」「国破山河在」「首輪」「無政」「景気」「堀江貴文さん」「集中と切り替え」「ベストエフォート」「タイムプレッシャー」「ばか」「感性」「欠点」「他人のために」「音楽」「負け組」「脱藩」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(1)昨日の東浩紀さんとの対談は面白かった。東さんが、日本の知的状況に深く絶望しているということがよくわかった。ぼくも同じだが、抵抗して、一人空気清浄機としてがんばりたいと思う。諦めたら、おしまいだと思うからである。

2011-06-01 07:58:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(2)日本人は、論理や言葉では動かない、説得されないと東さんは言った。ぼくも実はそのような実感を持っている。それでも、諦めずに、理を尽くし、説き続けるしかないと思う。東さんには「政治的に正しいなあ」と言われてしまったけれども、私はあくまでも正攻法でいきたい。

2011-06-01 08:00:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(3)東さんは本当に頭のいい人で、日本の非常に困った状況が見えてしまっているのだと思う。それで、東京大学の話になった。私は、東大を解体的に改革するか、ハーバード日本校のような強力なライバルを作るしか、日本再生への道はないと思っている。ここの議論が面白かった。

2011-06-01 08:02:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(4)東大に入る人は、受験の偏差値エリートである。しかし、そのことと、独創的なことをやる「才能」はほとんど関係がない。東さんは、「それはそうだ」と認めた上で、「しかし、東大生は事務処理能力が高い」と言った。確かに、テクノクラートとしてはすぐれているのだろう。

2011-06-01 08:03:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(5)東大とハーバードの差は何か? 東大は、ペーパーテストの結果だけで序列をつけて合否を出している。ハーバードは、学力だけでなく、全人格的能力を見る。この価値観の差が、子どもたちの教育や国の成り立ちにも広く影響を及ぼす。ハーバードの方が、才能を見いだしやすい。

2011-06-01 08:05:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(6)私の尊敬する友人の白洲信哉や市川海老蔵は、あまり勉強をがしがしやるタイプではないから、東大には入らないだろう。しかし、ハーバードには入るかもしれない。そのような大学があり、子どもたちが幼少期からそんな環境で育つことが、アメリカの文化の底力となる。

2011-06-01 08:07:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(7)白洲信哉や市川海老蔵は、ハーバードには入るかもしれないが、東大には入らない。この差異は東大や日本の将来にとって致命的である。東さんの言うように、事務処理能力の高いテクノクラートを生み出すことはできる。しかし、そんな人たちだけでこれからの世界を切り開けるのか?

2011-06-01 08:08:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(8)東浩紀さんは、友の会の運営などにおいて、高い事務処理能力を持つ。私が見ている前で、ぱっぱと指示を出しているその姿は、まさにCEOだった。一方、類希な才能も持っている。しかし、才能の方は、東さんが東大に行ったことと、おそらくは全く関係ない。

2011-06-01 08:10:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

はと(9)才能は個性であり、生態学的地位である。みんな違ってみんないい。一方東大入試の基準は画一的で個性を圧殺する。そこを目指して子どもの頃から塾通いするんだから、救いがたい。ハーバード日本校を作って、別の基準を示すしか、この国の教育を再生する道はないとぼくは思う。

2011-06-01 08:12:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

東大に、英語ベースのリベラル・アーツ・カレッジをつくってハーバード的なアドミッションをすることでもいいけど(http://bit.ly/bRzbez )、とにかく何か始めませんか? 以上、東大とハーバードの差異についての連続ツイートでした。

2011-06-01 08:14:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(1)本日の衆議院本会議における不信任案は、可決されるべきである。その場合、菅直人首相は衆議院を解散すべきではない。総辞職すべきである。あるいは、採決を待たずして、自ら辞任されるべきである。

2011-06-02 07:08:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(2)そもそも、菅直人さんは、数々の判断ミスに固執してきている。小沢一郎氏の「政治資金」の問題が、原理原則から見て本質的ではないにもかかわらず、自らの地位の保全と小沢氏に対する反発心から、党員資格停止という処分にこだわった。この時点で、良識ある人の心は菅さんから離れた。

2011-06-02 07:10:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(3)震災対応をめぐっても、昨日の谷垣さんの指摘にもあったように、周囲にどなり散らし、萎縮させ、必要な情報が上がらない状況にした。そして、場当たり的な選択を繰り返し、状況の本質に対する真摯な向き合いをしてこなかった。

2011-06-02 07:11:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(4)被災地のことを考えたら、決議案を提出するべきではないという議論がある。しかし、そうではないだろう。むしろ、迅速にリーダーを交代させて必要ならば大連立をして対応を進めるべきだ。菅さんが首相をやるかぎり、自民党は大連立に応じない。

2011-06-02 07:13:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(5)鳩山由紀夫さんは、決して自分の主張を一方的に述べる人ではなく、じっくりと意見に耳を傾ける方である。その鳩山さんが、決議案の賛成に回った意味合いは大きい。菅さんは、鳩山さんの決断の重みを、真摯に受け止めるべきだろう。

2011-06-02 07:14:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(6)現職の首相に党内から離反するのならば、民主党を離党してから、という人がいるかもしれない。しかし話は逆だろう。菅さんが、自らの保身と誤った判断への固執によって、民主党を機能不全にしてしまった。出ていくとしたら、菅さんの方であって、鳩山さんや小沢さんの方ではない。

2011-06-02 07:16:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(7)被災地が大変なことは、みんな重々わかっている。それでも多くの議員が今回の不信任案提出に賛同するのは、菅さんのリーダーシップ不全についての強い思いがあるから。マスメディアも、従来のパターン化した報道ではなく、「本当のこと」を報じていただきたい。

2011-06-02 07:18:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(8)一個人としての菅直人さんに対して、悪く思うはずがない。しかし、一国の首相というのは、一度に一人しかできない仕事。潔く退いていただいて、ひとりの人間として幸せに暮らしていただけたらと思う。それが、この国のためである。自らの権力欲よりも、国益を優先してほしい。

2011-06-02 07:19:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

常道(9)菅さんが、ここまで信頼を失っているにもかかわらず、今なお不信任案の反対する姿勢を見せている民主党議員には、選択の結果をよく考えてもらいたい。現職の大臣だからといって、地位を守るために反対票を投じるのは愚かである。自分の利益ではなく、憲政の常道について考えてほしい。

2011-06-02 07:22:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、本日の衆議院本会議における内閣不信任案採決についての連続ツイートでした。

2011-06-02 07:22:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

はゆ(1)子どもの頃から、蝶を追いかける中で、体験的に気付くことがあった。その飛び方のクセのようなものである。「蝶道」といって、ある一定のルートを通る蝶も多い。クロアゲハなど、待っていると10分くらいで再びやってきた。

2011-06-03 07:14:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

はゆ(2)日高敏隆先生の名著『チョウはなぜ飛ぶか』を読んで、どのように飛ぶかということが動物行動学の研究対象になると知ったときには、うれしかった。子どもの頃から慣れ親しんだ蝶の行動から、科学への道筋が見えたからである。

2011-06-03 07:16:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

はゆ(3)蝶の命は短い。羽もどんどん傷付いてぼろくなる。そんな中、この地上に与えられた時間を最大に使おうと、懸命に花の蜜を吸い、仲間を追いかけている。そんな飛び方の機微を、蝶のはばたきを見ながら心で受け止めてきた。

2011-06-03 07:17:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

はゆ(4)一つ気付いたのは、環境によって飛ぶスピードが異なるということである。緑あふれる草原をゆっくりと飛んでいた蝶が、コンクリートの道の上に来ると、急に速く飛び始める。バタバタと別種のように飛び続けて、再び緑に包まれると、ほっとしたようにまたゆっくり飛んだ。

2011-06-03 07:19:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

はゆ(5)なぜ、コンクリートの上では速く飛ぶのか? そこには、生活にとって意味のある情報がないから。なぜ緑の中ではゆっくり飛ぶのか? 生きる上で関わりのあるものがたくさんあるから。速くとゆっくりの緩急自在。気付くと、自分も生きる上でそんなリズムをきざんでいる。

2011-06-03 07:20:57
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