140字描写企画

主催:@mikotomikotan 様 / 写真提供:@yatsukami 様 / タグ:#tn_by 同じお題(写真)を物書きさんに140字(タグ込み)で描写していただき、並べて違いを楽しもう!という趣味企画です。 ・お題は二種類(両方での参加も可能) ・お題1の時は「①」を、お題2の時は「②」を文頭に入れてください(タグも忘れずに!) ・質問・要望などありましたら@mikotomikotanにリプを。 続きを読む
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2018年夏劇場版K7storys @rokurouza

2、無数に並ぶ鳥居の向こう側を目指し、ひた歩く。朽ちはじめた朱の柱がこちらを見ていた。樹の息吹きを感じる。ここは彼岸、神の社へと導く道。落ちた陽光と影が石畳の上でじゃれている。これから私は、神の花嫁になる。 #tn_by

2011-06-26 20:46:08
はるの @LittleLessLeast

②並ぶ鳥居の影のしまもようはどこか透きとおっている。射す木漏れ日が溶かしているからだ。少女は思う、これは足をひたすことができれば水のように軽やかではないかしら、と。うつむいて考える彼女をよぶ声がした。見れば褪せた朱色の向こうで友が待ちかねている。もう行かなくちゃ。 #tn_by

2011-06-26 21:18:33
こうと @kousukekouto

②連続して並ぶ鳥居。それだけで格式の高さを感じる。いったいどんな神様を奉ったというんだか。実際のところ今の世は、こちら側が神様を見捨てたようにさえ思える。ほとんどが信じる余裕もない生活を続けてる。そんな中、目の前の女は何を思ってここにいるんだろう。あぁ、俺もか。#tn_by

2011-06-26 21:19:06
伊西 殻 @nankara_tr

②足元の石畳を見る。連なる鳥居によって光が分断されているのか、影が分断されているのか、わからない。本来あるのはどちらで、それを断ち切っているのはどちらなのだろう。鳥居の朱色は視界の端にちらちらとしているだけだ。日が沈んだら、ここに見るべきものはあるのだろうか。 #tn_by

2011-06-26 21:25:38
みこと @mikotomikotan1

②爛れるような真紅の鳥居が、音も無く立ち並んでいた。幾数ものそれらはぐるりと巡り、神のおわす通路を作る。――こちらよ。誘われるように足を踏み出すと、身体を包んでいた濃い湿気も、肌を焼く射光も、拭うように消え去った。石畳に縞模様の影が揺らぐ。――こちらよ。娘が微笑う。#tn_by

2011-06-26 21:26:56
浅木 @assi15

@ ②整然と並ぶ朱色の門に私は息をつまらせた。神の道に続く参道に這う影は自然の彩りのようだった。合間合間にさす日は明るさをたたえ、光と朱色に暗さを加える影は美しい。静謐さを孕んだその風景の一部に私はこれから足を踏み入れるのだ。それこそ、神の道の中に。 #tn_by

2011-06-26 21:30:16
こうと @kousukekouto

もう一個。②これだけ並んでいると……、柱の土台に足をかけた。赤い柱に両手をかけた。両手両足でしがみついて、筋肉を使ってよじ登る。そして鳥居のアーチの縁に手をかけ、身体を揺らしてその次の鳥居へ……、落っこちたイメージが頭をよぎって気分が悪くなった。#tn_by #sasuke

2011-06-26 21:39:05
Hrathnir @Hrathnir1

②一面の紅。 僕の喉から迸る鮮血が鳥居を紅く染め上げる。 「あたしね」 「子供の頃からこの参堂の鳥居が大好きで、色が褪せる度に塗りなおすの」 「色んな染料を試したけど、一番合うのは人の血だったわ」 僕が最後に見た光景は、彼女の素敵な笑顔と、眼前に迫る鉈の光だった。 #tn_by

2011-06-26 21:49:47
@TyP1

②参道の両脇に延々と立ち並ぶ朱塗りの柱。こちらとあちらを繋ぐ幽玄のトンネルに、彼女の後姿が呑まれてゆく。ひとつ、ひとつ、彼女が鳥居をくぐるたびに、小さな背中が闇と光とを行き来する。彼はごくりと唾を呑み込み、そっと一歩を踏み出した。彼女の言う「秘密」を共有するために。 #tn_by

2011-06-26 22:06:23
小高まあな◎11/11文フリさ-03〜04 @kmaana

②とっとっとっと。規則的に、跳ねる様にして少女が横を通った。とっとっとっと。影だけを選んで歩いている。規則的に並んだ鳥居と同じリズムで、とっとっとっと。私にも覚えがある。でも、あの頃より伸びた足は、苦労することなく次の影に届き、少し淋しくなる。もう跳ねることはない。#tn_by

2011-06-26 22:18:52
@panorama201

②ずらりと並ぶ鳥居の先には、空気の色も、手触りも、においも、温度さえも違う場所があり、わたしはどうしてかその場所に焦がれる。真ん中を歩いてはいけないよ、端をお歩き。朱く色づいた風が囁く。あるいはそれは、ただの葉ずれか。 #tn_by

2011-06-26 22:24:16
こうと @kousukekouto

②幾重にも鳥居の連なる神社。身を隠すにはちょうどよさそうだ……「あの、どうかされましたか?」 女の子に声をかけられ、ついつい気を緩めて口を開こうとして、後ろに気配……やべえっ!!!! 『見つかった……』#tn_by #runformoney

2011-06-26 23:29:08
こうやまゆたか @whatakiadia

②鳥居の外から射す光も吹く風も鳥の声も、先程の眺望の名残りだ。奉じられた朱色の柱に刻まれる「初午」の文字を見ては、気候のいい時期を択んだ自分に後ろめたさを感じた。歩むたび開いてゆく前を行く少女との距離には、不甲斐なさを。ゆるやかな下り坂に導かれ、粛々と外界へむかう。 #tn_by

2011-06-26 23:58:16
尚🌸 @saclaughingman

②朱塗りの門をくぐる。長く伸びた己の影は連なるそれに千切りにされ、最早人影とは呼べまい。踏み出す度に細切れひとつ。まるで裸体を晒す気分に陥るが留まりはしない。剥けるものなら剥いてみるがいい。呟きもまた剥かれるであろう建前。さて、本音に出会えるかどうか。神のみぞ知る。#tn_by

2011-06-27 01:40:17
植栖価値 戯書465 @lost_taboo

②「鳥居は神さまの世界への門なんだよ」って誰かが云ってた。だけどどうして沢山あるのかな?一個じゃダメなのかな?鳥居って不思議。沢山あるから不思議。沢山くぐっていっぱいくぐって、神さまの所へ行けるのかな?行けたら良いな。行けますようにって、神さまにお願いしてみようっと。#tn_by

2011-06-27 03:36:32
柚原紗希*Suzuki Yuzuhara @yu2u_l4qz

②さわさわと辺りの木々の葉が涼しげな音を立ててその身を震わせる。道標をも兼ねる朱色の鳥居の群れは訪れるものを本殿ではなく異世界へと導いているかのように錯覚させ、背筋が薄ら寒くなるような畏れを抱かせる。そんな感情を受け流し、幻想的な空気を纏った小道は奥へ続いている。#tn_by

2011-06-27 08:21:58
Hrathnir @Hrathnir1

②稲荷神社に参拝し、学校に向かういつもの朝。鳥居が並ぶ参道を抜け、出口が近づいた辺りで…突風!?否、女の子と思しき影が、脇を疾風の如く駆け抜けたのだ!制服姿の背を向け、彼女は出口の手前でぴたりと止まった。ゆっくりこちらを向く彼女。その口は何かを咥えていて…油揚げ? #tn_by

2011-06-27 21:30:57
深森浅羽 @mimori_asaha

②おきつねさま。おきつねさま。黒髪をなびかせ、紺のスカートをひらめかせながら、朱い鳥居の、想い人に繋がる道を少女は走る。蝉の声。竹林の匂い。金色の光さす、緑の苔むす石畳の上を駆け抜ける。朱い鳥居の先に、恋しい狐の影が踊る。どうか、連れて行って。あの鳥居の向こう側へ。#tn_by

2011-06-28 01:05:02
蟻川史子 @ari_humi

@sousakuTL ②歩いているうちに、不意に小さな神社に出た。木々に囲まれたこの場所は、町の喧騒を遮って、どことなく遠い世界を感じさせる。懐かしいな。このあたりは昔から蝉と木漏れ日の住処だった。学生だった頃、夏の日差しを避けて歩いた石畳を、十年越しに踏みしめた。#tn_by

2011-06-28 01:36:05
@tkuszono

#tn_by お題②迷宮のようだと私は思った。赤と、その赤を際立たせるように合間に差し込む白い光。落ちた鳥居の影たちが、もう一つの回廊を作る。潜り抜けた先にあるのは、本当に出口なのだろうか。先に見える人型の影が正しく待人であるか確かめるには、閉じ込められた石畳を踏むよりない。

2011-06-28 14:56:30
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