【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第283話「名医華陀」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」01】 第283話です。曹操が頭痛を訴えてから寝込むことが増えました。見舞いに訪れた華歆(かきん)。今日のところは少し気分がよい、という曹操に、華歆は一度華陀に見てもらってはいかがかと持ちかけます。

2020-06-18 13:39:47
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」02】 天下の名医と噂の高い華陀の名は曹操も知っていした。華歆は華陀の手にかかって治らない病人はいない、と補足説明。内蔵を患い腹中を腐らしたような重病人も、麻肺湯(まはいとう)、つまり麻酔薬を飲ますと昏睡し、仮死の状態にして手術して治すことも。

2020-06-18 13:43:21
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」03】 当時としては考えられない荒療治。曹操もにわかに信じられないという表情ですが、華歆曰く、20日もすると元気になった者は数多くいるとのこと。外科手術の腕は確かなようです。曹操は、侍医の薬だけでは効き目はないと、その華陀を呼ぶように言います。

2020-06-18 13:51:06
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」04】 ほどなくして曹操のもとにやってきた華陀。曹操は、ひどい時は数日飲食もできなくなるほどの頭痛の症状を訴えます。診察した華陀は脳に病巣があると言います。脳外科の知識もあるようです。脳に!と驚く曹操に、ゆえに薬を飲んでも病に効果がないと断言。

2020-06-18 13:53:32
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」05】 この病は不治の病か、という曹操に対し、華陀は方法は一つ、と言います。麻肺湯を飲んで仮死状態にし、脳袋を切り開き病巣を斬り除くと治療方針を伝えます。

2020-06-18 13:54:56
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」06】 それで治るか、と曹操。十中、八、九は治るという華陀の答えに、それでは十中の一でもうまくいかなかったらなんとする、と曹操。おそれながら、ご命数と諦めてくださいと答える華陀。要するに手術して死んでもそれが曹操の寿命だと。

2020-06-18 13:56:59
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」07】 これに怒りの表情を浮かべる曹操。自分の命を医刀の試みに用いるつもりか、と激怒します。自分を人体実験の道具にするなと。華陀は、あえて謙遜して言ったまでで、自分は自信があると言います。

2020-06-18 13:58:48
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」08】 かつて荊州の関羽が腕に矢を当て、そこに毒がたまった時、その腕を切り、骨を削って毒を取り除き全治させたことがあります。曹操ともあろう方がそれしきの手術を恐れられまするか、と言う華陀。

2020-06-18 14:00:22
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」09】 曹操は、腕と脳と同じにいえるか、とさらに激怒します。さすがに、華陀の言い方も乱暴ですね。自信があるのはわかりますが、この時代、頭を切り開くと言われて素直にやってくれと患者がいるかというと…。

2020-06-18 14:02:36
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」10】 さらに関羽の話を持ち出したのもまずかった。曹操は関羽と親しかった華陀が、自分の病気を絶好の機会と近づき、関羽の仇を討とうと考えたな、と言い出します。ついには曹操、華陀を捕らえて獄に放り込め、と命令します。

2020-06-18 14:04:04
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」11】 華陀にしてみたら、病気だから呼び出されて、診察して治療方針を伝えたのにも関わらず、勝手に暗殺者扱いされて投獄されるというのは理不尽な話です。曹操も、華陀の言う通りの手術をすれば、あるいはもっと長生きできたかもしれません。

2020-06-18 14:05:25
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」12】 華陀は投獄され、曹操は自ら自分の生命を縮めてしまったようなものでした。 牢屋に入った華陀は忸怩たる思いでしたでしょうが、一人の牢番がたびたび差し入れに入るようになりました。

2020-06-18 14:06:51
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」13】 この牢番の行動、上司に知られたらたちまち免職となる違法行為です。しかし、牢番は、もし華陀に罪があるならば、このようなことはしないが、自分が呉にいた時から華陀の人格と医学を深く敬慕していると言います。

2020-06-18 14:08:41
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」14】 呉の生まれと聞いてこの牢番に興味を持った華陀。牢番は、呉押獄(ごおうごく)と名乗り、昔は医者の書生となって勉強をしていたと言います。さあさあ人が来るといけないから早く食べてくれと食べ物を進める呉押獄。

2020-06-18 14:10:39
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」15】 感謝の意を持った華陀は、呉押獄に秘伝の医書を譲ることにします。郷土の家人に書簡を書くから、我が家まで行ってその医書をもらってくるといいと言います。貴重な医書ですが、誰かに役立ててもらわねばと華陀。

2020-06-18 14:12:29
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」16】 呉押獄はすぐに紙と筆を持ってくるといい、一旦退出します。華陀は、あの医書が世に伝わり、多くの病人が救われるならば、思い残すことはない、と言います。これまで弟子を育ててはいなかった模様。

2020-06-18 14:13:44
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」17】 ほどなくして戻ってきた呉押獄。華陀は手紙を書きながら、医書の名は「青嚢(せいのう)の書」と説明します。長年の体験と勉強でありとあらゆる病気の治療法を示した秘伝の書で、今まで誰にも見せたことのないもの、と言います。

2020-06-18 14:16:55
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」18】 この手紙を持っていけば、家人は素直に渡してくれるだろう、と手紙を呉押獄に託します。受け取った呉押獄は華陀からもらった手紙を深く肌身に隠し、それからも華陀をかばい続けました。おかげで華陀は他の受刑者と比べて良い扱いで獄中生活を送れました。

2020-06-18 14:19:14
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」19】 しかし、それから数日後、役人が数人やってきて、呉押獄に曹操の命令で扉を開けろと言います。不安な顔を隠せない呉押獄。牢屋に入った役人は黙って刀を抜きます。すでに覚悟を決めていたかのような表情の華陀を、ドシッと斬ります。

2020-06-18 14:21:21
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」20】 驚く呉押獄に、曹操の命令で華陀を成敗した。あいつめが毎晩のように夢の中に現れるゆえ斬殺してこいとの命令によってだ、と説明。死体はお前が始末しろと言い残します。

2020-06-18 14:22:51
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」21】 短い期間でしたが、師弟関係であった華陀と呉押獄。師匠の無残な死に、涙を流しながら墓を作って弔います。 しばらくして我が家に帰ってきた呉押獄。急に帰ってきた夫の姿に驚く夫人に対し、呉押獄は牢番をやめて帰ってきたと言います。

2020-06-18 14:24:52
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」22】 牢番をやめて無職になって、これからどうするつもりなのか、と尋ねる夫人。呉押獄は、まあ酒でも出してくれ、と言います。そして、華陀からもらった「青嚢の書」を見せます。

2020-06-18 14:26:00
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」23】 かくかくしかじか、華陀から秘伝の書を譲り受けた経緯を説明。これを読み学べば、自分はたちどころに天下の名医となれると言います。お前もこれから名医の妻だ、新しい門出を祝おうと、もっと酒を出してくれと言います。

2020-06-18 14:27:19
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」24】 このあと呉押獄はしこたま酒を飲んだようで、すっかり眠りこけてしまいます。まだ酒が残っている状態で起きた呉押獄。見ると、妻が何やら燃やしています。なんということでしょう。華陀からもらった「青嚢の書」が燃やされています。

2020-06-18 14:29:05
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【横山光輝「三国志」講座283「名医華陀」25】 あわてて、炎の中から書を取り出そうとする呉押獄。しかし、熱くてとても触れたものではありません。ついに灰と化してしまいました。当然烈火のごとく怒る呉押獄。これがどれほど大切な書物か教えただろう、と。

2020-06-18 14:30:37