【変身しない旅】福間健二 #k2fact263

福間健二 @acasaazul

死んでいく人のそばに置かれた影をはぎとる手が必要だ。影は落ちるだけでも大変なのに。暑い日。とくに、名前のないものに優しくない自然。石炭がまだ生産されていることから記憶の話になった。あまり知られないので忘れられるという感じもない。詩人って、そうですよね。（変身しない旅） #k2fact263

福間健二 @acasaazul

カチッとした造形にあこがれた。味方のいない夜。でも、記憶のなかの出発する人に励まされ、新しい世紀に入る。何度目だろう。機能力よりも錆びや汚れへの感受性がものを言う。光線を避けることも忘れて。つまり、急いで書いた。雑になったところはあとで直せばいい。（変身しない旅２） #k2fact263

福間健二 @acasaazul

無意味に濃いものを始末しながら。いや、体を動かさずに始末するのは大変だと思いながら新幹線の窓から富士山を見た。珍しくモスグリーン。日本一でも浮かれていない。そこにあるだけ。偉いと思った。弁当を食べる。おいしいけど、作る人がちょっと自信ありすぎかな。（変身しない旅３） #k2fact263

福間健二 @acasaazul

お帰りなさい。ただいま。ひとりで両方を言う。それを快活な芸にしていた男のことを聞かなくなっても、雨、西には西の濡れ方がある。困らないという顔。生きる。通りぬけた矛盾を吸収してどうなることなのか。用のある京都を通りこして大阪の十三に行き、淀川を見た。（変身しない旅４） #k2fact263

福間健二 @acasaazul

十三屋は次の楽しみにして、分別ある人と多感な人。そんな分類。雨が小降りになるまでの、むこう側とこちら側。人によって感じ方がちがうということでも、役割が報いられるかどうかでもなく、先に生まれた方が姉だ。非常階段に足音。だれだろう。何をしていたのだろう。（変身しない旅５） #k2fact263

福間健二 @acasaazul

何度かの危機。救われた思い出をもちながら、重力への抵抗の弱いところから壊れていく。存在し、部分的にやってくる疲労、説明できたりできなかったりだが、モノではない。踊らないときでも時間と正面を意識する。しないわけにはいかない。京都だ。枝を折らないように。（変身しない旅６） #k2fact263

福間健二 @acasaazul

さっき使ったパスワードと入りくむ道の記憶。ある事件の、見えていると思った結末。頭のなかにしかない。不安になるが、杖をつく人とすれちがう駅の出口。次に役立つものを拾った。雨がやみ、人と一緒に食べた肉そばがおいしくて、大阪の九条から神戸の元町へ。阪神電車。（変身しない旅８）#k2fact263

福間健二 @acasaazul

なんと、いま気づいたのですが、きのう、「変身しない旅７」を書いたのにツイートするのを忘れていました。これから入れます。みなさん、よい夜を！ #k2fact263

福間健二 @acasaazul

わけてもらえると期待したパン。結局、もらって食べる。期待したのとはちがう方向からで、その前に試練だったが、それも忘れさせる、雨の夜でも楽しい桝形商店街の出町座から四条木屋町のろくでなしまで。何人かの名前をまちがえたりしながら、さめてほしくない夢になる。（変身しない旅７）#k2fact263

福間健二 @acasaazul

バスで昼の月を見ながら出た梅田。梅三小路。完全禁煙のビルにタバコの吸える居酒屋があった。ひとりで泡盛飲む人。大臣だった人。だれかが他の連中をこきおろしながら、あなたのことはいい人だったと書いていた。だれとまちがえているのかな。ぼくの手は汚れているよ。（変身しない旅９）#k2fact263

福間健二 @acasaazul

財布を落とした。写真で見ていた三人が歩いてきてクランビンの曲が鳴った。キーが打てない。でも思うだけで画面に言葉が出る。いくら入ってますか。答えられなかったのに財布を渡してくれた新大阪の駅員さんの笑顔から夢の方向がわからなくなった。富士山、どっちだろう。（変身しない旅10）#k2fact263