2020-08-17のまとめ
我が国の現金流通高は一貫して明確な増加基調を示しており、直近2020年7月の流通高は119兆円と20年前の約2倍に達している
2020-08-17 00:42:42紙幣(日本銀行券)では一万円札、五千円札、千円札ともに増加基調にあるが、とりわけ最高額紙幣である一万円札の増加ペースが著しい(図表3)。
2020-08-17 00:42:44(´ω`) 直近7月の一万円札発行高は106兆円と、20年前の2.1倍に達している。額面の大きい一万円札は現金流通高総額の9割近くを占めるため、一万円札の増加が現金流通高増加の主因になっている。
2020-08-17 00:42:44我が国の預金金利は長期にわたって低迷し、預金しても金利が殆ど得られない状況が続いているため、自宅等での現金貯蔵、いわゆる「タンス預金」化が進んだとみられる。
2020-08-17 00:44:03硬貨(貨幣)流通高の長期トレンドを確認すると(図表6)、五百円玉の増加が著しい。直近7月の五百円玉流通高は20年前の1.6倍強に達し、他の硬貨はもとより千円札の伸び(約1.4倍)も上回っている。この主たる要因も高額紙幣同様、自宅などにおける貯蔵と推察される。
2020-08-17 00:44:05今年の4月には新型コロナ拡大に伴う緊急事態宣言の発令によって経済活動が急激に縮小したため伸び率が急低下した。特に五千円札と千円札は飲食店などのつり銭需要急減のあおりを受けたとみられ、伸び率がマイナス圏にまで急低下した。
2020-08-17 00:44:07硬貨のうち、五百円玉から十円玉の流通高の伸び率は(図表8)、紙幣同様、昨年前半に10連休を控えた預金の引き出しによって一時上昇したが、今年の4月には新型コロナ拡大に伴う緊急事態宣言の発令によって大きく低下し、緊急事態宣言解除後は持ち直しに転じている。
2020-08-17 00:45:30五円玉と一円玉の伸び率はこの間小動きが続いている(図表9)。存在感が小さいことから需要の短期的な変動が起きにくいためか、もともと少額硬貨の流通高は紙幣などに比べて変動が小さいことが影響している可能性がある(図表10)。
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