『僕の妹は漢字が読める』はベタでもメタでもいいこと言ってる(1)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/kanji/ この本は、「表現」というものをやさしく肯定している。寝るのでつづきはこんど。
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料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

地の文の文末がいちばん注目すべきだと思う。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:22:06
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

つまり、文末はつっこみのことばだったり(「やばっ」「←だめっこ」「きよしっこ てれっこ」)、擬態語だったり(「おぱんちゅ きらり☆」、「おなのこ びっくり」)するが、そうでない場合、終助詞が用いられている。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:26:17
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

終助詞とは、文末に「の」とか「よ」とか「だよ」とかつくやつ。「きよしっこはひとりっこよ? いもうとなしにょ」、「きよしっこ ぺろぺろしたいの←かんがえちゅ◎」などだ。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:28:46
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

地の文に積極的に語り手の声が介入する。しかもその語り手は、「主人公」ではなく、おそらくメタの位置に立つ書き手なのだ。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:31:06
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

二度めに出てくるオオダイラ文を引用すると、「キンはしんだ←プw」や「クロヒャはしんだ←プw」(185ページ)。これは地の文である。少し説明がいるだろう。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:33:10
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

主人公はクロセ・ギン(17)、上の妹はクロハ(16)、下の妹はミル(10)。そして引用した小説を書いたのはオオダイラ・ガイだ。彼は重度のロリコンである。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:35:27
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

オオダイラ先生は、クロセ・ギンとクロハの下の妹ミルちゃんに「お兄ちゃん」と呼ばれたいが、実の兄姉の存在がじゃまなので、そのことについて小説で書いているのである。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:36:41
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

オオダイラの書いたその小説では、キンつまりギンと、クロヒャすなわちクロハが死ぬ。だから、書き手であるオオダイラ先生が、地の文を通してかれらがしんだ事を嘲笑している。そういったシーンだ。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:37:48
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

これが、「キンはしんだ←プw」「クロヒャはしんだ←プw」という地の文の意味。そして、ざまみろというすべての表現を「プw」ということばが担っている。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:39:21
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

地の文において、時制や客観性をになう「だった」「のだ」「だろう」などの文末が採用されず、端的なことばが放り出されている。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:41:45
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

つまり、この地の文が確定的でもないし、なんだか語り手がいいたいことだけをばらばらにほうり出しているようにしか見えないのである。そして、読者への状況の報告よりも、自分の気持ちを優先して投げ出しているのである。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:43:22
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

これがオオダイラ文体。では「かじいたかし」という作者が実際に本編で描いている物語はどんな話をしているのか、はこんど書きます。ネルので。#kanji_yomeru

2011-07-06 01:44:24
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

オタクなら、「もってけ!セーラーふく」の影響を自然に受けてる、あるいはその表現を積極的に反映させてるのは当然といえる。 #kanji_yomeru

2011-07-06 01:46:27
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

僕が重点をおいて語りたいのは、そのもってけ!セーラーふく的な表現の形態に、そしてその表現がなす意味の体系に、この本が肯定的な価値をはっきりと与えようとしているということだが寝る。 #kanji_yomeru

2011-07-06 01:48:18