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いっさ @m__issa
@fetus_hina タイトル【恋の交換日記】 ひないっさ夕陽は仲良し高校生三人組。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 高校生活も終盤を迎えていたある日、いっさから『図書室に交換日記がある』ということを聞かされる夕陽。生徒達からは【恋の交換日記】と呼ばれ、文字通りその交換日記を使用した男女は結ばれるのだと言う。
いっさ @m__issa
@fetus_hina そして、ひなもその日記を使っていることを聞いた夕陽は、次の日の放課後に図書室へと向かった。いっさから聞いた通り、人目のつかない図書室の隅にその日記はあった。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 誰も借りそうにない分厚い本と本の合間に挟まっていたそれは、どう見ても最近購入したとしか思えない真新しい普通のノートであったが、中には確かに沢山の書き込みがされていた。
いっさ @m__issa
@fetus_hina その内容に統一性はなく、ただ日常を書き連ねているものから、交換日記としての用途を間違えずにコメントのやり取りをしているものまで多種多様である。そして最後のページ、夕陽は『ひな』の文字を見つける。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 他の生徒は名前のイニシャルだけを使用している中、彼女はフルネームであった。『本当にあったんですね、この日記』内容はそれだけであり、その後に名前が小さく添えられている。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 女の子らしい丸っこい文字であったため、自分のがさつな字でコメントをするのは少々気が引けた夕陽であったが、『そうですね Y』とだけ付け加えた。そうして、交換日記が数週間と続いたある日。教室でひなが夕陽に直接問う。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「Yって、夕陽くんのこと?」明らかにしてしまおうかとも思ったが、ひなとの交換日記を楽しんでいた夕陽はそれを白状せず有耶無耶に誤魔化した。
いっさ @m__issa
@fetus_hina そしてその日、帰宅準備をしていた夕陽は机の中に一通の手紙が入っていることに気付く。それは、ひなからのラブレターであった。内容は単純であり、Yが夕陽だと今日の会話で確信したこと。誤魔化そうとしても顔に書いてあったなど。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 日記と同じ丸っこい文字が書き連ねられており、最後に『付き合って下さい』という一節。そして高校生活最後の日。卒業式を終えた夕陽は屋上に来ていた。ラブレターをもらった日からも交換日記は続いたが、Yが誰なのかは明らかにしなかった。
いっさ @m__issa
@fetus_hina それでも、今日はそれをはっきりとさせ、ひなに告白するつもりであった。その内容と一緒に、交換日記はこれで最後にすることを書き添えておいた。そのため屋上に来ていたのだが、いくら待ってもひなは屋上に現れない。
いっさ @m__issa
@fetus_hina だがやがて、いっさが屋上へと現れた。その手に、二冊の交換日記らしきものを持って――「おまえ、それって……」「おれとひなは付き合うことになった」ゆうひの言葉を遮り、いっさは言う。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「ここに、おまえも知っている【恋の交換日記】が二冊ある。こっちが、おまえが使っていたノート。そしてこっちが、ひなが使っていたノートだ」これだけ言えば分かるだろ――そう言って口を閉じたいっさ。
いっさ @m__issa
@fetus_hina つまりは、全ていっさが仕組んでいたのである。そもそも【恋の交換日記】など存在せず、ひなと偽って夕陽とやり取りをしていたのはいっさ。そして夕陽と偽ってひなとやり取りをしていたのもいっさであった。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「大変だったぞ。女子独特の丸文字を習得するのは。おれもおまえと一緒で、お世辞にも奇麗とは言えないがさつな文字だったからな」薄らと笑ういっさ。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「だから、ひなに説明するとすんなり信じてくれたさ。Yという頭文字以外、おれはなにも嘘を吐いていなかったからな」事実、いっさはひなに【恋の交換日記】があるとしか教えておらず、『夕陽もそれを行っている』とは言っていなかった。
いっさ @m__issa
@fetus_hina ひなの名前がイニシャルでなかったのは、夕陽の目にすぐ止まるように。交換日記として使用されたノートが真新しいのは、いっさ本人が購入したノートであるから。なるべく筆記の癖を消して、沢山の生徒が書いたように見せかけたのもいっさ。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 唯一、二人が図書室に現れる時間だけが気がかりであったものの、幸いなことに二人は必ず決まった時間に図書室へと現れた。夕陽は放課後、ひなは早朝に。「なんで、こんなことを……」唇を噛み締めて問う夕陽に、いっさは答えた。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「さっきも言っただろ。おれはひなと付き合うことになった。――好きだったんだよ、おれも、ひなのことが。おまえとひなが良い雰囲気なのは、いつも一緒にいたおれが一番知っていたからな。だからその仲を引き裂いてやろうと思ったし、こんな真似が出来たんだ」
いっさ @m__issa
@fetus_hina そう言って、ノートを振ってみせるいっさ。夕陽はその嘘の日記を見つめて、はたと気づく。「なら、この手紙もおまえが書いたのか?」それは、ひなからのラブレター。ずっと手に持っていたそれをいっさに見せる。「手紙? なんだそれは」
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「これはひなからのラブレターだ。おまえが知らないってことは、これは本物か……。今からひなにこれを見せて、今度はおれからあいつに告白してくる」そう言っていっさの横を通り過ぎようとする夕陽であったが、肩をつかまれてその足を止める。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 「そんなこと、させると思ってるのか? おれだってあいつのことが好きなのは同じだ。だからその手紙を、寄こせ!」殴られる夕陽。「ふざけんな! 絶対に渡すかよ!」屋上にて、一枚の手紙をかけて派手にけんかする二人。
いっさ @m__issa
@fetus_hina その頃。ひなは校門のところで一人佇んでいた。卒業式を終え、既に一時間は経っている。当然それには理由があった。交換日記に書いてあったのだ。Yと名乗る相手は、卒業式の後に必ずここに来るので待っていてくださいと。
いっさ @m__issa
@fetus_hina まるで第三者のような物言いが気になったが、それよりも更に妙な言葉を書き添えていた。『ありがとう』それは様々な意味に受け取ることが出来た。交換日記に対して。或いは学校への気持ち。もしくは、ラブレター。
いっさ @m__issa
@fetus_hina 交換日記では触れることのなかったラブレターの内容ではあるが、本当は夕陽の答えが気になっていた。Yが夕陽だと確信したあの日、伝えたはずの気持ちに返事はまだない。もしも答えを聞いてしまったら、あの交換日記の必要性はなくなってしまう。
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