【逃走の青空】福間健二 #k2fact276

11月15日から24日まで。今回にかぎらず、書き方、もっとバラバラになってもいいと思うのだが、なかなかそうは行かない。結局、自分とここまでやってきたことから逃げられないのだ。ジル・ドゥルーズ的「逃走」にそのことを合わせて考えた。3を二回やってしまい、4がない。十一月にしては暖かい日がつづき、最後に青空を出そうと思ったところで曇りの日。寒くなった。 音楽は、Billie Eilish の「Therefore I Am 」。デカルトの「われ思うゆえにわれあり」をやっている。 https://www.youtube.com/watch?v=soCmD9b4ros
0
福間健二 @acasaazul

救わない。退屈な人、悲しい人、不幸な人、病気の人、虫になった人、捨てられた人、追われた人、死んだ人を救わない。散歩する能力のある人、ない人、どちらも。そして忘れられた人もだけど、いちばん大事なのはぼくときみを救わないこと。この逃走。十一月、風は冷たい。(逃走の青空1)#k2fact276

2020-11-15 10:21:17
福間健二 @acasaazul

こうもり、蛇、なめくじ。人は、自分が何になろうとしたかを忘れないが、幸いなことに自分の姿は見えない。何をしたのかも赤い目が語る程度にしかわからないまま食べていることがある。フラッシュ撮影。回答と署名。涙の対面。できればしたくないのですが、と言いながら。(逃走の青空2)#k2fact276

2020-11-16 17:11:08
福間健二 @acasaazul

ブリジット、ララ、ジーナ。名前を呼ぶ自転車からの、歌う材料とひとりでは作れない複数のリズム。偶然の産物が怠けっぱなしのくすり指を鍛えてくれた。さよならならいつでも言える。でもさ、新しい傷口の血から生まれる透明な花と盲目の秋。もう少しつきあってください。(逃走の青空3)#k2fact276

2020-11-17 09:43:19
福間健二 @acasaazul

友人、恋人、婚約者。姿はわからなくても、蜜の匂いのなかに不満の音楽がひびく。その人にとってのナンバー3。短時間の片足でもせめてそのくらいになれたら。目が悪いわけじゃない。拡張感覚が来ないだけだ。しし座流星群、朝四時に起きたのに空が曇っていて見えなかった。(逃走の青空3)#k2fact276

2020-11-18 12:12:43
福間健二 @acasaazul

感情、階段、活動。蓋をしたがる将軍、蓋がしまらないバッドガール、蓋があかない泥棒。もうそんな人たちはいなくなったと思ったが、どっこい、口で言うだけの正論とデータのごまかしとか、司令部、心臓部、情報部、まだ動かされて自分で動いたと思う蓋が生きのびている。(逃走の青空5)#k2fact276

2020-11-19 10:02:19
福間健二 @acasaazul

登録解消、常套のジョーク、テープの声。ここにも盲目の秋だが、だれが行動するのだろう。いるのだとしてその胸中の、ノスタルジーの刺繍をおいた小さな台。顔にも体にもムダのない奇跡の存在を構成するものすべてを有効にするために彼がいままで使っていたハサミの話だ。(逃走の青空6)#k2fact276

2020-11-20 11:56:31
福間健二 @acasaazul

切るものを手前に動かす。ハサミを閉じきるまえに開き、閉じきるまえに開き、と切っていく。だれでも知ることをやっとおぼえて追った。甘いジュースを飲みながら。今度はいままで会っていた人の話。聞いていると浮かんだその特徴は彼自身とほぼ同じ。そういう構造の逃走だ。(逃走の青空7)#k2fact276

2020-11-21 09:20:29
福間健二 @acasaazul

蓋とハサミ。引き算、引き算、引き算の末に地図から消えた国の、元衛生管理官の思い出。ある勢力の、地形に応じた潜在の方法。「影に運ばれる」ように移動する。それを思いながら、地面を動きまわる一匹のアリを見ていた。アリさん、よかったね。黒い実の粒々が落ちている。(逃走の青空8)#k2fact276

2020-11-22 14:11:24
福間健二 @acasaazul

半月の夜。莢のなかに眠る豆たちのように静かに考える。表情わかりにくいマスクの顔。目が穴を掘っていない。さあ、高い位置から降りてきてそうじゃないふりする「信じる人」とのたたかいだ。経験からの「信じない」では通じない。新しい穴を掘る「信じる」を見つけるのだ。(逃走の青空9)#k2fact276

2020-11-23 10:14:32
福間健二 @acasaazul

逃走。動かなくてもいい、とジルは言った。きょうも頭の中は地獄だが、三冊一〇〇円のノートに文字を書き、線を引く。ある勢力の、地面の使い方。迷路を作り、見上げる青空に自分たちの顔をほどいていく。罠にかかるネギのようにその青空に入っていくことを恐れない。(逃走の青空10)#k2fact276

2020-11-24 14:23:37