映画批評家 服部弘一郎氏によるハリウッドにおける西部劇・戦争もの・冒険活劇ジャンルの盛衰のお話
@nakaura831 @Calcijp 西部劇は今でも時々作られてますが、『ダンス・ウィズ・ウルヴス』と『許されざる者』の後に、誰もが話題にする大ヒット作というのがないですね。『レヴェナント: 蘇えりし者』とか『ジャンゴ 繋がれざる者』などもありましたけど……。
2021-01-02 10:36:28西部劇や戦争映画というのはジャンル映画でプログラムピクチャなので、映画会社がほどほどの予算で5本とか10本とか作っていると、その中の1〜2本がバカ当たりするというものだったんですね。(例外的な大作というのもありますけど。)
2021-01-02 10:41:45プログラムピクチャは安価に大量生産するものなので、映画会社はこれらの映画を作るため、専門の脚本家、演出家、大道具小道具、主演スターに敵役、仕出しのエキストラまで全部自前で揃えてました。映画会社は「夢の工場」で、次から次に映画を量産していたんです。
2021-01-02 10:47:06ところが映画スタジオは1950年代からテレビに対抗して大作路線に向かい、「テレビじゃ絶対見られない豪華絢爛なスターの顔合わせとゴージャスな美術」を売りにし始める。これは高いコストをかけて高い配当を狙う危険なギャンブルです。結局これが映画会社の体力を奪いました。
2021-01-02 10:54:27ハリウッド映画の歴史を見ると、ハリウッド創成期に誕生したメジャースタジオの多くが、1950年代以降に潰れたり身売りしたりしてる。ハリウッド映画黄金期のビッグ5、リトル3で、今でもそのまま残っている会社なんて存在しない。ほとんどの会社が、大作主義に押しつぶされたのです。
2021-01-02 11:00:06@yt00k ソニーのコロンビア買収は当時大ニュースでしたね。 最近になってディズニーがフォックスを買ったのは、1990年代以降のメディア再編(大手メディアのコングロマリット化)の流れの話。これは1950年代以降のスタジオ身売りとは、少し性質が異なると思います。
2021-01-02 11:44:32@yt00k ディズニーはフォックスを買ったことより、90年代にABCテレビを買収したことの方が大きいと思います。(まあフォックス買収もすごいけど。)ABCはディズニーが経営危機にあった時、「ディズニーランド」を放送して助けたテレビ局でもありました。
2021-01-02 11:48:49@eigakawaraban @Calcijp 西部劇は馬に乗れる俳優が減ったなんて話もあったような。 数年前に流行ったララランドとかは?
2021-01-01 17:14:01@45Awqgy3ReV8Wcf @Calcijp 日本も同じですが、馬に乗れる俳優は減りましたね。昔は俳優の基礎的なスキルとして、馬に乗れるというのがあったようです。三船敏郎などの世代だと、オフの日にせっせと馬の稽古をしたそうです。ただこれは「時代劇の仕事が多いから馬の稽古をする」というのが本来の順序だと思います。
2021-01-01 19:20:59@45Awqgy3ReV8Wcf @Calcijp 西部劇が衰退した一番の理由は、お金がかかる割にはお客が入らなくなったからでしょう。ですからあまりお金をかけないテレビ西部劇やマカロニウェスタンは、その後も10年ぐらい生き延びたのです。でもこれもやがて、飽きられてしまいました。マカロニも大作路線になって、すぐ採算が合わなくなった。
2021-01-01 19:24:21@45Awqgy3ReV8Wcf @Calcijp ミュージカルの栄枯盛衰は『ザッツ・エンタテインメント』の三部作を見ればわかりますが、全盛時代にはメジャースタジオが毎年毎年、規模の大小合わせて何十本ものミュージカル映画を作っていました。これが1960年代にはパッタリと止まります。全盛時代に比べると、今はほぼ滅んだジャンルです。
2021-01-01 19:27:33@45Awqgy3ReV8Wcf @Calcijp 西部劇でも戦争映画でも冒険活劇でもミュージカルでも、好きな人は好きですから最近になっても時々作られますし、その中から大ヒット作も生まれたりします。でも後が続かない。10年前に『アーティスト』というサイレント映画が作られてヒットしても、後が続かなかったのと同じです。
2021-01-01 19:32:41@45Awqgy3ReV8Wcf @Calcijp 西部劇は今でもアメリカで時々作られていますが、日本では劇場公開されなかったり、されても公開規模が小さくて目につかなかったりです。Amazonの配信リストなどを見ていると、「こんな映画があったのか!」という最近の西部劇が見つかったりします。
2021-01-01 19:38:31これ、中小俳優さんで、大河ドラマの雑兵とかその他大勢で呼ばれる可能性があるから、乗馬の訓練を続けてる、というのはその訓練を続けてるご本人から聞いたことがある。 twitter.com/eigakawaraban/…
2021-01-02 03:36:25@s_vjsl 今でも殺陣専門の俳優グループがありますよね。久世七曜会とか○○剣友会のたぐいで、こうしたグループの中で日々立ち回りや乗馬の稽古をしているアクション俳優やスタントマンがいないと、大河ドラマも民放の時代劇もスーパー戦隊シリーズも作れません。
2021-01-02 05:54:49吉良上野介を単純に悪役に出来なくなった結果、忠臣蔵やりにくくなったのにも、さも似たり? twitter.com/eigakawaraban/…
2021-01-02 13:35:02@itu_wan3781 @Calcijp まあ塾の先生は映画の専門家ではないので、しょうがない面もありますけどね。公民権運の結果として、西部劇でアメリカ先住民(インディアン)を単純な悪役として描けなくなったのは事実なので、それとの混同があるのかもしれません。『駅馬車』みたいな映画はもう作れません。
2021-01-01 19:47:30@takeyas2000 忠臣蔵の場合はキャスティングが困難になったのも大きいでしょうね。昔は俳優が映画会社の専属でしたから、会社が「出ろ」と言えば、どんなに小さい役にでも有名俳優をキャスティングできたし、スケジュールも空けられました。でもフリー契約の俳優が増えると、それが不可能になっちゃいました。
2021-01-02 13:39:15ずいぶん前に作った「映画史本を作る準備のためのメモ」が出てきたので、noteにさらしときます。映画専門学校の講師も辞めちゃったし、結局この映画史の本は作ってませんし、原稿もほとんど書いてませんけどね。 映画史についてのメモ|服部 弘一郎 @eigakawaraban #note note.com/eigakawaraban/…
2021-01-04 09:00:07昨日から映画史関連の話題を少しずつツイートしてるけど、僕は現在帰省中なので、特になんの資料も持たずに記憶だけで書いてます。ところどころに間違いがあるかもしれませんが、それはご勘弁を。
2021-01-03 09:02:16映画史にまつわる概略的な知識というのは、昔の映画ファンにとっては「映画を語る上での常識」として受け入れられてたと思う。もちろんそうした知識がなくても映画は観られるし、面白い映画は理屈抜きに面白いわけですが、知識があって映画を見ていると、より面白くなる部分もあります。
2021-01-03 09:05:01僕は「映画の中」と「映画の外」という言い方をしますけど、映画によっては作品中にあるものだけでは評価できず、映画に含まれていない知識を動員しないと理解できない作品があるわけです。『鬼滅の刃 無限列車編』だって、映画だけでは理解できないですよね。
2021-01-03 09:09:00『鬼滅の刃』はわかりやすい特殊な例かもしれませんが、どんな映画も、そこに直接描かれていない「映画の外」の事柄を知ることで、より深く理解できることがあります。例えば町山智浩さんの映画評論は、まさにそういうものですよね。映画作品を通して、映画の外にあるいろいろなことを教えてくれる。
2021-01-03 16:45:23映画史の知識というのは、映画ファンが共有している「映画の外」の知識。専門的に勉強しなくても、好きな監督の過去の作品とか、ひいき俳優の過去の出演作品なども、映画史につながって行きます。例えばスピルバーグの主要作品を一通り見ておけば、過去半世紀のハリウッド映画史がわかります。
2021-01-03 16:49:58