中国空母への対抗のため日本も空母保有を…、という素人論を批判する

産経新聞長野支局長が「22DDHは計画を白紙撤回し、空母を建造すべきだ」との記事を書いているが(http://bit.ly/ogUlcz)、軍事の観点からはトンだ素人論で箸にも棒にも掛からない。相手への対抗のため相手と同じものを持たねばという艦隊決戦的発想がまず誤謬である。海上における空母など本来脆弱な存在で、非対称な対抗措置が幾らでもある。こういう軍事の素人の議論に振り舞わされてはいけない。
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fj197099 @fj197099

22DDHは計画を白紙撤回し、空母を建造すべきだ(http://t.co/sNg6856)…こういうちょっと軍事をお勉強してわかったつもりになっている人が実は一番危うい。我々は反戦平和の脱軍事主義とは対決しなければならないが同時にこうした軍事の素人論も徹底的に排除する必要がある。

2011-07-23 17:27:17
fj197099 @fj197099

この著者、そも大前提からして空母に対抗するのは空母しかないと錯覚している所がまずおかしい。相手が空母を持つからこっちも空母を…という発想は単純な思考停止そのものだ。兵器というのは相手の弱点を突き効果を最大にする目的で持つものであって、相手と同じものを持てばいいという話でない。

2011-07-23 17:29:09
fj197099 @fj197099

22DDHは全通甲板を持つから如何にも「空母」らしく見えるが、固定翼機を搭載する計画もなくそも空母として運用が予定される艦ではない。あくまで「ヘリ搭載護衛艦」に過ぎない。水陸両用作戦の予定もない自衛隊としてはこうした艦を中国との戦闘で使う、というシナリオそのものがまずあり得ない。

2011-07-23 17:31:11
fj197099 @fj197099

南西諸島方面における航空優勢確保の可能性を高めたいなら、日本が空母を持つ必要性は極めて乏しい。それこそ沖縄でも下地島でも馬毛島でも陸上にある滑走路を幾らでも有効活用できるからだ。移動可能な空母を攻撃できるASBMが実用化されれば結局空母の脆弱性は高まる。陸上基地の方がより堅牢だ。

2011-07-23 17:33:45
fj197099 @fj197099

相手と戦うに相手と同じものを持たねば、というのは艦隊決戦を主とするマハン的発想である。しかしマハンの議論は実は米国の海軍戦略にさほど反映されていない。実際に反映されているのは海上における優勢は艦隊決戦のような明確な戦闘で決まるものではない、という英の戦略家コルベットの議論である。

2011-07-23 17:37:09
fj197099 @fj197099

すなわち比喩的に言えば、海上におけるゲリラ戦の類推が適用可能であるということだ。軍事的に劣弱な勢力でも相手の弱点をつき反復攻撃を仕掛けるならば相手の海上優勢を拒否できる。中国はまさに米国にそれをやろうとしている。中国に対する日本の立場もこれに似ている。弱いなりの戦闘方法がある。

2011-07-23 17:38:49
fj197099 @fj197099

中国の空母に対抗するのに一番よいのはこちらも空母を持つことではない。魚雷と対艦ミサイルによる攻撃能力を高めるのが一番だ。潜水艦を増やしその生存能力を高める。(超音速)巡航ミサイルを開発し先制攻撃に対する生存性の高い基地に配備する。そしてミサイル誘導に不可欠なISRを強化する。

2011-07-23 17:41:09
fj197099 @fj197099

米国の某専門家が指摘しているが(http://t.co/fURzgSN)、海上における空母など極めて劣弱な存在に過ぎない。防御力が低く動きも鈍足、海上における位置の補足もやりやすい。充実した護衛艦隊があって初めて使い物になるシロモノ。当分は中国空母など軍事的には恐れるに足らない。

2011-07-23 17:44:36
fj197099 @fj197099

中国空母でさえそうなのに日本が自前で空母を作ったって使い物になるはずがない。日本の虎の子のイージス艦は数が少なく弾道ミサイル防衛や他艦の防護で空母護衛まで手が回らない。開戦初頭に直ちに敵攻撃の餌食になって終わるだけだろう。この記者はそういう事情を把握していない。軍事の素人である。

2011-07-23 17:46:28
fj197099 @fj197099

まあオタク的技術論というのか、空母という先進技術の塊に魅せられるのは分かるが、それをどう運用上使うかという肝心要な部分がまっさらである。22DDHで中国空母に対抗するという発想それ自体がかなりトンデモな話であるが、こういう見当違いは一般に多いのだろうか。だとすれば危惧される。

2011-07-23 17:50:30
fj197099 @fj197099

ところで中国空母を巡ってはひとつ疑問があるが、大連で整備中の「ワリャーグ」については「施琅(しらん)」と命名されるとの観測が一般的なようだ。これは外国メディアでもよく見かけるのでそういう発想はかなり流布しているのだと思うが、よく考えればこういう命名がなされるのはおかしいと思う。

2011-07-23 17:52:13
fj197099 @fj197099

施琅とは台湾平定の功績で知られる清朝初期の軍人の名前だが、だとすれば空母に「施琅」と命名する中国の意図はこれを台湾解放に使う目的があるということになる。だが先述したようにそれは米国との戦争を意味し、そんな戦争で中国空母が生き残れるはずがない。台湾作戦に使うなど考えられないのだ。

2011-07-23 17:54:42
fj197099 @fj197099

研究者、関係者の見方では南シナ海で東南アジアを「政治的に」恫喝する目的でこれを配備するのではないかという見方が主流だが、それならば「施琅」というネーミングはなんともちぐはぐなものになってしまうだろう。結論は出ていないが、おそらく「施琅」と名づけることはないという気がしている。

2011-07-23 17:56:55