「信用創造」は、「無」から金を生み出せる「打ち出の小槌」なのか? ――MMTの説明と、実際の金融の違いについて

最近ネットでよく見かける、「MMT(現代貨幣理論)」論者の説明として、「信用創造」は無から金を生み出す、というのがあります。 銀行員が、万年筆でサラサラ、パソコンのキーボードをカタカタ、するだけで、お金(預金)が無から生まれるという。しかし、これは本当でしょうか? まとめ主は、「信用創造」は「無」からの創造ではなく、「無形」の信用、返済能力の裏付けが必要だと考えます。その考察を展開していきます。
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しろうと @sirouto

たとえば、借り手に店舗や工場などの「資本」があって、販売や生産が見込めて、だから金を返せるだろうと判断する。あくまで資本の変換であって、裏付けのない無からの創造ではない。

2021-01-17 23:09:41
しろうと @sirouto

国債で言うと、政府が徴税して返済(借換)にあてられるだろう、と市場に判断されるから破綻しないのだ。

2021-01-17 23:10:37
しろうと @sirouto

より具体的に踏み込むと、たとえば消費税を20~30%に上げる、増税の余地があるだろうから、国債市場の破綻が起きないのだ。

2021-01-17 23:12:02
しろうと @sirouto

しかし、いくらでも徴税できる訳ではない。以前、「手取り14万円で、日本終わっている」などという話題があった。が、この手取りが10万切るとか、さらに減るとどうなるか?

2021-01-17 23:15:48
しろうと @sirouto

低所得者層の収入が低下し続けると、どこかで生活できなくなるラインに達して、それ以上は増税できなくなる。政権交代や暴動や犯罪の多発とか、いろいろな事情によって。

2021-01-17 23:17:09
しろうと @sirouto

また、日本は人口減少によって、徴税できる対象の母数が縮小していく。ここが、人口増加し続けるアメリカとぜんぜん違う。

2021-01-17 23:18:28
しろうと @sirouto

また、アメリカのような「基軸通貨」の特権も持っていないので、アメリカが赤字を拡大し続けるようなMMTをマネすると危険だ。

2021-01-17 23:19:02
しろうと @sirouto

以前から言及している大西つねき氏や、反緊縮論者の一部は、「日本は債権国だから、日本円がドルより強い」と考えているようだが、今述べた点から、私は逆にドルの方が強いと思う。

2021-01-17 23:20:58
しろうと @sirouto

ところで、MMT論者は、「スペンディング・ファースト」といって、何の裏付けも制約もなく、収入より先に支出できるという。

2021-01-17 23:25:16
しろうと @sirouto

たとえば、スーパーやコンビニなどの小売店を考えてみよう。店員はレジに入っている売上を直接ポケットに入れることはできない。もし取ったら「業務上横領」だ。

2021-01-17 23:27:18
しろうと @sirouto

そのように、現実の経済では、収入と支出が分離していることはよくある。が、まったく裏付けが不要ということとは異なる。

2021-01-17 23:29:17
しろうと @sirouto

企業の様々な支払いが滞れば、最終的には倒産する。借りることは、返すことと、対になっているのに、前者だけを見て、後者が不要だと言うようなものだ。片手では拍手できない。

2021-01-17 23:31:35
しろうと @sirouto

ところで、民間(銀行)に任せる、信用創造のシステムは、金融における「資本主義・自由主義」と言えるだろう。

2021-01-17 23:34:18
しろうと @sirouto

しかし、政府紙幣を作ってバンバン発行しようとか、そもそも信用創造を廃止してしまおうとか、市場を無視するのは、むしろ「社会主義・共産主義」に近いシステムだ。

2021-01-17 23:35:41
しろうと @sirouto

これは杞憂ではない。たとえば、日銀が株式市場に介入して、主要企業の株主になったりしていることも、資本主義が浸食されていることのひとつ現れだろう。

2021-01-17 23:37:15
しろうと @sirouto

かつての日本は、「最も成功した社会主義国」と言われていたが、今の日本は「最も失敗した資本主義国」に、反転してしまったように見える。

2021-01-17 23:38:14
しろうと @sirouto

さてここで、以前取り上げた、「FTPL」の話題と、少しだけつなげてみよう。

2021-01-17 23:39:45
しろうと @sirouto

シムズ教授の「FTPL」理論には、「(インフレ)期待」というメカニズムが組み込まれているが、MMTではそうではない。

2021-01-17 23:40:55
しろうと @sirouto

これは、MMTがポストケインジアンの流れを汲む以上、「(国家)社会主義」と親和性があり、市場を避けがちなことと関係があると見ている。

2021-01-17 23:42:45
しろうと @sirouto

ほかにも、「ゼロ金利固定」とか、「価格統制(調整)」とかも、市場より国家を信頼する態度の表れだろう。そもそもポストケインジアンの流れにはそういう傾向があるが。

2021-01-17 23:45:19
しろうと @sirouto

また、MMTの基礎付けのひとつ、「租税駆動貨幣論」というのも、税金徴収は国家の特権であるから、やはり国家主義の傾向と見る。

2021-01-17 23:47:26
しろうと @sirouto

ただ、この国家主義的な側面は、スケールの大きな話になるので、また別の機会に正面から論じてみたい。

2021-01-17 23:48:16
しろうと @sirouto

さて、そろそろ夜も更けてきたので、これで終わります。ありがとうございました。

2021-01-17 23:48:46