【鉄道の英国近代史】-19世紀のモーダルシフトと「ジェントルマン資本主義」論-

19世紀前半、世界に先駈けて英国に登場した近代的鉄道。誕生の経緯と、その後の発展の歴史を、社会や経済との関わりを交え素描します。
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HIROKI HONJO @sdkfz01

他国の鉄道がナショナルな性格を持った(国家・国民を統合するために建設され、多かれ少なかれ国家の介入や、保護・育成を受けた)のに対し、英国の鉄道は帝国の国益に資すべくグローバルに展開し、専ら民間資本によって整備されたことは、特筆に値すると言えましょう。 pic.twitter.com/oqZ9b8mlQV

2021-02-26 17:58:12
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HIROKI HONJO @sdkfz01

スミマセン、長くなり過ぎました。あとは端折ります。鉄道の普及は、大衆社会の曙となりました。1851年にロンドンで開かれた万国博覧会へ、英国全土から数百万人が鉄道で訪れたことは良く知られます。庶民が長距離を旅する時代となったのです。 pic.twitter.com/7tOfJgFDnq

2021-02-26 17:58:56
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また、ネットワーク産業である鉄道は必然的に寡占体制に行き着きますが、その結果生まれた巨大企業は、多数のホワイトカラーを雇用し、新中間層を産み出す一助となりました。 また、19世紀末のロンドンには地下鉄や郊外鉄道が整備され、数十万人が列車で通勤するようになります。 pic.twitter.com/sPRYtvU2PH

2021-02-26 17:59:27
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HIROKI HONJO @sdkfz01

こうして鉄道はパクス・ブリタニカを国内外から支え、電信や蒸気船と共に「19世紀のグローバリゼーション」の原動力となりましたが、2度の大戦に伴う膨大な戦費負担による債権国への転落と、戦後の植民地独立等により、海外の利権は永久に失われます。 pic.twitter.com/oPtEngMoCb

2021-02-26 17:59:55
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HIROKI HONJO @sdkfz01

そして、国内の鉄道は自動車との競争に直面し衰退産業と化したのでした。戦後、英国の鉄道は国有化されますが、これによって経営は非効率となり、国家経済のお荷物になってしまいます。かくてサッチャー政権のもとで民営化がスタートしますが、その評価は大きく分かれるのが実情です。(了) pic.twitter.com/xcTvgKhN0C

2021-02-26 18:00:57
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HIROKI HONJO @sdkfz01

鉄道と並んで英国に覇権をもたらした新技術、「電信」についてはこちらをご参照下さい。 togetter.com/li/1635534

2021-02-26 18:01:20
HIROKI HONJO @sdkfz01

【CM】 WW1の最中、ブリテン上空で死闘を演じたドイツのツェッペリン飛行船団を描いた拙著、好評発売中です。「世界の艦船」5月号に書評掲載! amazon.co.jp/dp/4908862680/ 文章は無価値ですが、家内安全・恋愛成就などのご利益があります。

2021-02-26 18:01:45
HIROKI HONJO @sdkfz01

これまでに書いた駄文はこちらをご覧ください。それでは~! togetter.com/id/sdkfz01

2021-02-26 18:02:09
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