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ある時はひたすら驚いても構わない、またある時はひたすら安心しても構わないということが、まず映画を見るうえで一番重要なことです。 (蓮實重彦『見るレッスン』6)
2021-03-11 23:29:19
映画は「救い」ではない。救いとなる映画はあるかもしれませんが、救いが目的では絶対になくて、映画とは現在という時点をどのように生きるかということを見せたり考えさせたりしてくれるものです。 (蓮實重彦『見るレッスン』10) 芸術に救いを求めることを心が弱ってる時についついやってしまうよな
2021-03-11 23:32:45
映画を見る際に重要なのは、自分が異質なものにさらされたと感じることです。自分の想像力や理解を超えたものに出会った時に、何だろうという居心地の悪さや葛藤を覚える。そういう瞬間が必ず映画にはあるはずなのです。 (蓮實重彦『見るレッスン』11)
2021-03-11 23:34:45
現在では、どういうわけか2時間20分が平均になっています。そうすると、140分もの間、観客を惹きつけておくだけの価値が彼らの演出にあるかといえば、とてもそうは考えられない。 (蓮實重彦『見るレッスン』35) へぇ、最近の上映時間平均は140分なのか。ながいな。
2021-03-12 00:13:05
映画を見ている時に大事なことは、物語をたどることではなく、そのつど被写体がどのようなキャメラに収まっているかを確かめることなのです。 (蓮實重彦『見るレッスン』37)
2021-03-12 00:17:15
映画とは時間との闘いです。映画をどのように自分に引き寄せ、同時に、引き寄せた時間がことによったら自分から離れていくかもしれないという危惧もあるところに、映画の困難があり、同時に映画の魅力の一つだとも思っています。 (蓮實重彦『見るレッスン』58)
2021-03-12 23:50:42
なぜか最近の日本映画では、どこか癖のある女性ばかりが登場します。あるいは、かわいい感じのある人はたくさんいます。しかし、「とにかくこの女性が美しくて記憶に残った」という映画がないことが気がかりです。 (蓮實重彦『見るレッスン』61)
2021-03-12 23:55:17
ごく最近では、ジェームズ・キャメロン監督の『『アバター』(2009)も3Dでしたが、あとで2Dで見直すと、その方がはるかに面白かった。やはり、わざわざ眼鏡をかけるという仕草が非=映画的なのではないでしょうか。 (蓮實重彦『見るレッスン』67)
2021-03-20 14:21:15
ところが、遊園地などに行けば3Dみたいなものをみんな喜んで見ているではありませんか。だから、3Dが映画館で普及しなかったというのは一つ不思議な点として残ります。映画館は遊園地ではないということでしょうか。 (蓮實重彦『見るレッスン』67)
2021-03-20 14:24:49
30年代のハリウッドとは、全くひどいところだと言わねばなりません。以後、アメリカのスクリーンからは邪悪さが消えてしまい、単調なものとなっていく。その単調さが、ある種の古典として発達してゆくのですが。 (蓮實重彦『見るレッスン』73)
2021-03-20 14:34:02
まず映画に関わるなら、あるいは映画批評家たろうとするなら、存在しないプリントを探せ、ということです。 (蓮實重彦『見るレッスン』78)
2021-03-20 14:40:28
そもそも「昔の映画」と人はいうけれども、いつからが「昔」だかよくわからない。いつが「昔」だかわからないとしたらすべてを「現在」として見ろというのが私の立場です。一本の作品と実際に向かい合う瞬間はあくまで「現在」でしかなくて、その「現在」をどれほど揺るがしてくれるかというのが(続く
2021-03-20 14:50:53
いまではCGで何でもできてしまうはずですが、そのせいでかえって身体運動のはらむサスペンスが失われてしまった。そこからいったいどんな新しいサスペンスが生まれるのだろうということは、誰も本気で考えていないようです。 (蓮實重彦『見るレッスン』91)
2021-03-20 15:19:29
これほど面白いドキュメンタリー映画ですが、いまだに退屈だと思って敬遠する人がいるらしい。そういう人たちはいったいどうしましょう(笑)。 (蓮實重彦『見るレッスン』106) 蓮實さんが「どうしましょう(笑)」って可愛い…。
2021-03-22 23:31:49
当時編集長だったロメールが、ベッケルの『モンパルナスの灯』(1958年)を中平康(1926~1978)の『狂った果実』(1956)よりも下位に置いていたのです。それ目にしてかっとなり、こいつは絶対殺してやる、と思いました。 (蓮實重彦『見るレッスン』128)
2021-03-23 02:10:24
カメラという言葉が成立したのは、おそらくテレビの世界であり、そこでは、1カメ、2カメなどと呼ばれていますが、映画の場合はキャメラ、キャメラマンと呼んでおきます。 (蓮實重彦『見るレッスン』149)
2021-03-23 12:30:15