新たな基地はスウェーデン北部、内陸に位置するイェリバレ。この近郊の湖に発着場があった。ここから近隣の氷河湖に"出撃"、魚を受け取り帰投する。イェリバレまでは鉄道が通っており、ここから出荷すると翌日にはストックホルムに達する、という次第だ。 pic.twitter.com/BKdafD6Hif
2021-04-12 03:28:16映っているのは同社所有の別の機体。タイガーモスかも
これらの湖は道も通じておらず、アクセスは徒歩か飛行機に限られた。飛行機で漁師を送り込むか、先住民であるサーミ人を雇ったようだ。ボートはフロートの間に突っ込んで輸送した。手つかずの湖である。大きなイワナなどが取れたという。これを後席とフロートに詰めるだけ積んで飛ぶのだ pic.twitter.com/uSBTk6uO36
2021-04-12 03:28:40恐るべきことにこの航空ベンチャー漁法、数社が参入していた。S9の後継機と目されたHe114も同じ目的で払い下げを受けているのである digitaltmuseum.se/021016496379/s… pic.twitter.com/cF0FRKuLLx
2021-04-12 03:29:00しかし48年、荒天により403号機は水没。持ち主は近くの砂州にまで機体を引き上げたが、再建はかなわなかった。翌年、役人が飛行不適と判定、胴と翼の羽布をナイフで切り刻んで完全に飛べなくする措置を施した。会社も倒産した。なお、同名の会社が現在も営業しているが全くの別会社である。 pic.twitter.com/kZISqxjURe
2021-04-12 03:30:12ほぼ40年たった1985年。好事家がスウェーデンで墜落したCR.42を回収する計画を立てた。この「回収旅行」、目的地近隣にずーっと放置されていた403号機もターゲットに入った。ほかにBf109,Me110,He111も回収された。ちなみにこのCR.42が英の2機目現存機である。
2021-04-12 03:30:23野ざらしだったS9の機体はそれでも比較的良好な状態で、全体の70%が残存。パーツは空軍博物館に収められた。レストア待ちであるらしい
2021-04-12 03:30:36浮舟は海を駆け巡り
話は前後して1970代。ヨーテボリの航空史家が英国製の単発機、パーシヴァル・プロテクター(写真は同型機)を購入した。この機体、固定脚を持っているはずがなぜか下駄履き。元持ち主(原著には「紳士」とある)は翼を外し、海でモーターボート代わりに乗り回していた。沿岸警備隊に怒られるまで・・。 pic.twitter.com/IayxfxDZUy
2021-04-12 03:31:45さて、航空史家はとりあえず飛行機を陸にあげて足をつけてから、フロートの検分に取り掛かった。その結果、このフロートがS9のものであることが判明した。403号機か405号機のものであるらしい。そう、あの時補強した成果がここまで生きたのだ! 紳士がフロートを入手した経緯は不明である
2021-04-12 03:32:19航空史家はプロテクターをタイガーモス(英国製の傑作練習機)に交換したかった。なのでおまけのフロートは邪魔。とりあえず空軍博物館にねじ込もうとして断られてしまう
2021-04-12 03:32:47次に話を持ち掛けたのはRAF博物館だ。ところが、プロテクターなぞ本場イギリスにゃいくらもある。ロイヤルエアフォースは、オマケだったフロートの方に強い興味を示した
2021-04-12 03:33:07その後、英国艦隊がスウェーデンを訪問した際、フロートは英国に帰った。ただしスウェーデンでレストアが行われた暁には返送されるという条件付きである
2021-04-12 03:33:18元ネタ本の著者はS9のレストアについて「37年塗装になるといい。あの塗装が博物館には足りない」と希望を述べている。ただ、2000年の本にそう書いてあって今現在まだできていないということは・・・
2021-04-12 03:33:49